667話 お祭りのやり残し
花火を楽しみ過ぎて、終電ギリギリの電車に飛び乗り、なんとか家へと帰って来た。
今思うと、アンジュ君とアンヘル君の見た目で、夜遅くに連れ回している状況で、無事に帰って来られて良かった。
正直、この二人の雰囲気で、お祭りの見回りに引っかかっていたら、アウトだったわ。
皆は、お祭りから花火大会、第二回花火大会と遊び倒したため、家に入ったとたん床やベッドに倒れこんだ。
「疲れたぁ…」
「でも、いい疲れだよね。」
「今日は、もう寝る準備をして、寝ちゃいましょう。」
そして、明日に備える。
「明日はどうするの?」
「それは後で考えようかと。」
でも今日、皆を見ていて、もっと地球での関わりがあるような体験をしてもらった方がいいんだよね。
屋台の人とも楽しそうに話をしていたし、そう言う場所があればいいけれど。
まぁ、明日のことは、寝る前に考えよう。
私もお風呂に入りたい。
「ちなみに聞きますが、皆さんは、お腹は空いていますか?」
空いていたら何か用意しないといけないよね。
「いや、空いていない。」
「お祭りでいっぱい食べたからね。」
「いっぱい食べた。」
「お腹いっぱいだよ。」
おぉ、よく食べる皆でも、お祭り屋台の満足度は高かったみたい。
気持ちもいっぱいになれば、お腹もいっぱいになるしね。
じゃあ、特別やることもないし、シャワーを浴びてから、持って帰って来た荷物の片付けでもしよう。
ゴミをまとめて、買った物を片付ける。
「あ、これ。使ってないじゃん。」
買ったはいいけど、結局、花火大会の前も後もやらなかった、屋台で買ったライト。
主にアンジュ君とアンヘル君へのお土産として買ったんだけど、食べたり飲んだりしていたら、すぐに花火が始まってしまって、やるタイミングを逃しちゃったんだよなぁ。
そして、その流れでそのまま花火のできる場所に移動して、第二回花火大会。
すっかり、忘れていたよ。
これ、どうしようかな。
「それ、結局、やらなかったな。」
「ネロ。そうだねぇ。」
タイミングを逃しちゃったし、また別の機会にやればいいんじゃないかな?
「そういえば、それは、折るのが楽しいんだよな。」
「折りごたえはあると思うけど。」
ライトを折ると、パキッといい音がするし。
ネロの視線は、ライトへと注がれる。
「え?なに?」
「いや、やらないのか?」
「でも、皆お休みモードでしょ?」
また今度でいいんじゃないかな?
もう、結構な時間だよ?
「あ、それ。やってなかったわね。」
「今からやるの?俺もやりたいんだけど。」
すると、頭の上からリリスさんとカイン君の声。
シャワー上がりかな?
二人とも肩にタオルをかけていて、すこし髪の毛も濡れている。
「お?それは、なんだい?」
「面白そうなものを持っているわね。」
アルバートさんとフェリシアさん。
こちらも寝る準備オーケーみたい。
そして、二人も見たことのない、このライトに興味があるみたい。
「僕もみたい。」
「俺も気になる。」
アンジュ君とアンヘル君まで?
「全員やる気みたいだぞ。」
うーん。
皆がやりたいなら…
「じゃあ、やってみる?」
「やる。」
「もちろん、やるでしょ。」
やるんだ。
終電帰りだというのに、みんな元気だなぁ。
本当は、寝る予定だったけれど。
寝る準備万端の皆が、ライトで遊ぶ気満々なので、ちょっと遊んでみようか。
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