66話 やっぱりスゴい、ミシュティの技術
やっぱり人が多いな。
朝早くに訪れたのは、アミューズメントエリア。
キャンディの入場ゲートを入るとそこは、さすがお菓子の国。
乗り物、建物すべてがお菓子。
一番近くにあったのが、メリーゴーランドだと思うんだけど、馬がいない。
お菓子で出来た遊具がくるくると回っていた。
お皿に乗ったショートケーキや、マカロン、アップルパイなど。
お菓子の中に入れるタイプと、お菓子の上に乗れるタイプの二種類。
……。
なんか、回転寿司みたい…
いや…、回転お菓子パラダイスということで
そして奥の方に行くと、シュークリームの観覧車。
シュークリームのシューの中に入って、てっぺんまで連れて行ってもらうみたい。
もちろんしっかり外を眺められる仕様になっている。
カップルに人気そうなアトラクションだよね。
しゅわしゅわした炭酸の上を船で渡る、炭酸水のウォータースライダー。
乗り物でのって冒険をする、チョコレートの森探検。
他にもホットミルクのコーヒーカップや、キャンディーを打ち出すお菓子シューターなどなど。
蜂蜜ゴーカートなんて物もあったけど、蜂蜜が地面に撒かれていてゴーカートで競争どころではなく、いかにその蜂蜜地獄を抜けるのかという、障害物競走に近いアトラクションなんかもあった。
そして、並んでやっと手に入れたポップコーン…の容器とアイスキャンディ…の棒。
目的は、刻印された容器だったんだけど、お菓子のクオリティ高いなぁ。
私は、キャラメルポップコーンで、ネロにはアイスキャンディ。
結局、両方とも私が持つんだけど。
でもさ、左手にポップコーンの容器、右手にネロのアイスキャンディだから、ポップコーン食べられないんなよなぁ。
「仕方ないな」
ネロはそういうと、ポップコーンを一つ持って、私の口に差し出してきた。
んんんん!
これは、もしや、あーんというやつでは?
いままで、散々ネロに餌付けというあーんをやってきたけど、されるのは初めてかも。
アミューズメントエリアで行われる食べさせ合いっことか、少女漫画必見の見せ場シーンでしょ。
私は、なんだか嬉しくなり、ネロが差し出したポップコーンの前で口を開けた。
すると、ポイっと私の口の中にポップコーンを投げ入れる。
……。
私が口を閉じて咀嚼しているとき、ネロは二個目のポップコーンを持ってスタンバイ。
再び、口を開けると、また狙いを定めて口の中に投げ入れる。
…玉入れかな?
思っていた、少女漫画必見のシーンにはならなかったけど、楽しそうに入れてくれているし、よしとしよう。
アイスキャンディが小さくなってくると、ネロは自分で持ち、ぺろぺろと舐め始める。
二人で、無事に完食。
残ったのは、ポップコーンの空の容器とアイスキャンディの棒。
ビスクート王が言っていたみたいに、空になった容器を軽く握ると、容器に刻まれた刻印が反応して、光り、そのままチリのように消えていった。
ほんとにすごいんだけど。
アイスキャンディの棒も同様に、パキッと折ることで刻印が反応。
同じく、チリになって消えた。
「すごいんだけど」
「すごいな」
二人で何もなくなった手元を見て大興奮しちゃったよ。
一つ一つに刻印されてるみたいだし、手間がかかってるよね、これは。
「次、どうする?」
「商業エリアに行っていないな。」
「そうだ、コスモスの人たちにお土産買わないとだね。」
目的を達成することができ、アミューズメントエリアは満足した私とネロは、お土産を買うべく、商業エリアに向かうのだった。
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