64話 料理は、トライ&エラーの繰り返し
誤字報告いただきました。
修正しております。
ありがとうございます!
ネロに引っ張られ、キッチンへ。
メルとグラースさんから、借りていた調味料しすせそ。
今回は、そのうちの、お土産のす、あとはミシュティの砂糖。
材料は、野菜スティックと同じ材料。
大根、ニンジン、きゅうり。
「野菜スティックでも、作るのか?」
「野菜スティックの進化版みたいなやつ。」
まず野菜を切る。
時短のために、少し細かく切ろうかな。
野菜スティックよりも、薄く小さく。
お酢と砂糖、そして水を混ぜる。
その液体の中に、先ほど切った野菜たちを投入して、漬け込む。
生でもおいしく食べられるけど、さてどんな味になるかな。
時間をおいて完成。
「ピクルスの完成だよ」
「ピクルス…」
薄く切ったキュウリのピクルスを一枚、ネロの口に持っていく。
そうすると、ネロは口を開けるから面白いんだよね。
きゅうりのピクルスが、ネロの口の中に入り、もぐもぐと咀嚼している。
「どう?」
「甘酸っぱい。うまい」
そういうと、もう一度口を開ける。
入れろということね。
じゃあ次は、大根かな。
そういえば、ピクルスが出来たってことは、みんな大好きなソースが作れるってことじゃない?
ピクルスのレシピもミシュティに置いていこうとは思っていたんだけど、だったら他にも使える道があった方がいいよね。
それに、野菜スティックの付け合わせに、バリエーションが出来ていいんじゃない?
作ってみようかな、タルタルソース。
というわけで私は、ピクルスをかじっているネロを横目に、クッキングを続行する。
まずはお湯を沸かして、沸騰するまで待つ。
沸騰したら、塩と、卵を殻ごと、鍋の中に入れる。
「おい、卵そのままでいいのか?」
「大丈夫、今回は卵をゆでるの。」
卵が茹で上がったら、水にさらす。
そして、卵の殻をぺりぺりと剥いていく。
ゆで卵の殻って、ツルっと剥けたとき、快感なんだよなぁ。
殻をむいたら、白身と黄身を分ける。
黄身の部分はそのまま潰し、白身は、別で細かく潰していく。
卵が出来たら、ミシュティ特製マヨネーズと混ぜて完成。
一口、食べてみるとピクルスの甘酸っぱさがいい味を出していた。
こしょうがないのが、ちょっとだけ物足りないような気もするけど、野菜スティックに付けたりするのは、この甘酸っぱさでもいいのでは?と思った。
味見係と化しているネロに、タルタルソースを一口食べさせる。
「どう?」
「んまい」
「そう、よかった」
「味噌とマヨネーズの時とは、味が違うな。」
「少し材料が違うだけで、全然違う味になるの、面白いよね」
ネロがタルタルソースを口に運びながらいう。
ピクルスを抱えて、タルタルソースを食べないの。
どっちも逃げないのだから、落ち着いて食べればいいのに。
「しかも、食材が同じでも、それぞれの分量が違うと、また味が変わるしね。」
「大変なんだな。」
「こだわりがある人は、そうなんじゃない?料理は、トライ&エラーが大切だって、誰かが言ってたし。いろんな材料の組み合わせを試してみて、失敗して、味の修正を繰り返す。それを続けることで、自分がおいしいと思うものに近づく。おいしいものを食べるには、時間がかかるんだって。」
一人暮らしの時なんか、絶対に面倒くさくて作らなかったけど。
だって、自分一人で食べるものなんて、何でもいい。
むしろ、コンビニ飯最高って感じだし。
でも、誰かのために作るとなると、気合が入るし、楽しいかも。
ネロも、おいしそうに食べてくれるし。
「ほかの組み合わせも試して、調味料を作ってみる?」
「面白い」
その後も、さしすせそと、先ほど作ったピクルスを組み合わせて、ネロと二人で調味料づくりをした。
ちょっと調子に乗って、作りすぎちゃったんだけど。
フレンチドレッシングとか…
酢味噌とか
なんか調合してる気分になってくる。
現状は、野菜スティックの付け合わせの数が、増えていくだけなんだけど、今後はいろんな料理に使ってもらえるといいな。
ネロと二人のクッキングは、夜遅くまで続いたのだった。
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