637話 お祭りで食べるフードは一味違う?
「アルバートさん達も、何か食べたいものがあったら、言ってくださいね。」
アンジュ君、アンヘル君、リリスさんは、手持ちがあるけれど、まだちゃんと食べていない人もいるからね。
「ああ、そうするよ。」
「屋台がいっぱいあるから、悩むのよね。」
「そこら中から、良い匂いがするしな。」
さっき買った小分けのフルーツ飴は、皆に分けて、今は皆の口の中。
と、言っても、アンジュ君たちには綿あめを、リリスさんにはフルーツ飴を買ったのだから、他の人たちも何か食べたいものがあったら、遠慮なく言って欲しい。
「おすすめは、どれだい?」
アルバートさんに聞かれ、私は首をひねる。
お祭りの食べ物…おススメか…
焼きそば、たこ焼き、お好み焼き…
イカ焼き、アメリカンドック…
食事処だと、こんな感じ?
甘いものだと、綿あめ、フルーツ飴の他に、チョコバナナやかき氷があるよね。
「私がお祭りに来てよく食べるのは、焼き鳥ですかね。」
それも串に刺さった物では無く、パックにばらして詰めてくれるやつ。
タレがたっぷりかかっていて、美味しいんだよね。
「フランクフルトもよく食べます。」
ケチャップとマスタードの相性が最高。
口に入れた時に、パリッと割れる感覚もいいんだよ。
「他にも大学芋や、クレープも売っていますし。」
「たくさん挙げたな…」
おススメというか、お祭りはテンションがハイになるから、何でもおいしいと言うか。
しいて、言えば、私がよく食べる食べ物はなにか…みたいな?
『たこ焼きはうまいぞ。』
『ネロは、食べたことがあるのかい?』
『あぁ。屋台じゃないけどな。』
確かに。
ネロは一足早く、たこ焼きを食べたよね。
クレープも食べたし、たい焼きも食べたね。
「まぁ、いろんな屋台があるので、食べたいものがあれば言ってくださいね。」
名前だけ聞いても、ピンとこないだろう。
アンジュ君たちも、実際に屋台を見て、それで興味を持ってくれたみたいだし。
「うーん。でもお腹すいたのは事実なんだよね。」
「そうね。」
「じゃあ、チヒロのおススメのフランクフルトと焼き鳥にしてみないか?チヒロ、案内してくれないか?」
もちろん、大丈夫ですけど。
「それでいいですか?」
ちょうどいいタイミングで屋台があるみたいだし。
私もお腹すいたな。
二つずつ買って、皆が選ばなかった方を、一つ貰おう。
「という訳で買って来ました。取りあえず、焼き鳥、二パックと、フランクフルト二本。」
もちろん、皆には屋台から少し離れて待っていて、貰いました。
屋台に行っただけで、物を貰ってくるのは、どうかと思うので。
「チヒロは何を食べるんだい?」
「皆さんから、選んでください。せっかくですし。」
なんなら、焼き鳥もフランクフルトも、お祭りという場でなければ、割と食べることが出来る。
それで結局、アルバートさんが焼き鳥で、フェリシアさんとカイン君がフランクフルトという形になった。
なので、私は焼き鳥パック。
まずフランクフルト組。
じっと見つめた後に、フランクフルトを口元に持っていく。
パリッとしたいい音が鳴り、もぐもぐと口を動かしている。
さすが屋台。
なんか屋台のフランクフルトって、よりパリッと感が増している気がするのは気のせいだろうか?
「うっま。」
「美味しい。」
よかった。
私も食べよ。
焼き鳥の皮を一口、運ぶ。
この甘いタレに、弾力のあるお肉。
うん。
間違いないね。
アルバートさんも、箸が進んでいるみたいだし…
皆なんだかんだで、お祭り食を食べたし、これで腹ごしらえ完了かな?
『チヒロ、俺も食べたい。』
『はいはい。』
カバンのふたから、ぴょこりと顔を出したネロに、焼き鳥をあげる。
腹ごしらえをした後は、思いっきり遊ばないとね。
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