624話 ちょっと賑やかな場所って落ち着きます
電車で移動し、家の近くのレンタルショップへ。
レンタルショップなので、借りたら返さないといけない。
なので、返却する時に面倒くさくない様に、家の近くのレンタスショップまで移動したのである。
店内に入ると、入店のチャイムが鳴った。
おー、これこれ。
静かな博物館もいいけれど、こういうちょっと賑やかな所が落ちつくんだよね。
「ここがレンタルショップか。」
「棚、高いな。」
天井まで届く棚に、びっしりと詰まるレンタル品。
「あっちがCDで、こっちがDVDですね。」
「なぁ、あれもレンタルしているのか?」
あれって…?
お菓子の袋?
「あれはレンタルじゃないです。」
「じゃあ、あれは?」
今度はどれ?
大型テレビ…
「あれも違います。」
「ならば、これは?」
ゲームのパッケージ…
もう、何となくレンタルじゃないな…って分かっていて言っていませんか?
「違いますよ。」
「あ、やっぱり?特売とか、お買い得って、書いてあるもんな。」
やっぱり分かっていたのか…
カイン君に遊ばれた…
『で?お目当てのDVDはどこにあるんだよ。』
『あ、多分あっち。』
洋画コーナーに足を踏み入れ、DVDのタイトルを指でなぞっていく。
あ…い…う…え…
うーん。
この辺だと思うんだけど。
すると、それらしきタイトルを見つけて、そのDVD容器を抜き出した。
表には恐竜が描かれている。
「ありました。これです。」
アルバートさんとカイン君にみつけたDVDを見せる。
二人は、近くに寄って来て、DVDをじっと見つめた。
「今日、見てきたものと一緒だな。」
「人間と一緒に映っている写真があるけれど、それを見ると恐竜がどれだけ大きいのかよく分かるね。」
うんうん。
良い反応。
「お目当てのものは見つかりましたけど、他に何か気になるものがあったら、借りても大丈夫ですよ。」
五枚借りると、安いみたいだし。
みんなでDVD鑑賞というのも楽しいんじゃないかと思うんだよね。
「え、どういう物か分からないけど、借りられるかな…?」
「軽く考えて貰っていいですよ。面白そうだと思ったらで大丈夫です。」
それに私もこれ何の話なんだろう…?…って思う事、あるし。
漫画が原作だと、こういう話なんだろうな…と分かるけれど、オリジナルストーリーって、難しいんだよね。
制服を着ていると、学校の話なのかな?って、分ったりはするけど。
「DVDの表面に、タイトルや写真、裏にはあらすじが書いてあるので、気になるようだったら、私に教えてください。」
動画配信サービスで、見られるものもあるから、重複しない様に確認しないと…
せっかく登録して、動画見放題なのに、DVDを借りるとか、ショックすぎるからね。
「じゃあ、いったん解散して、それぞれで探してみます?」
「それいいな。そうしよう。」
私たちは、二手に分かれて、他に面白そうな物を探してみることにした。
アルバートさんとカイン君、そして私とネロだ。
『さて、ネロ。どんなものが見たい?』
『恐竜の物は、もう借りるのか?』
『そりゃあね。せっかくきょうりゅうのDVD目当てで来たんだし、借りて帰ろうと思っているけど…』
『そうか。ならいい。』
恐竜のDVDを借りたら、もう大丈夫って事?
『ほら、他にも見ようよ。』
『…分かった。』
『どんな物が好み?』
ネロは、何が見たいのかな?
なにかキーワードを言ってくれれば、それに近しい物を探そうと思うんだけど?
『…なぁ、これはなんだ?』
『これ?これは、ヒーローだね。』
『ん?』
『だから、ヒーロー。悪を倒すために変身して戦うヒーロー。』
ネロが興味を持ったのは、変身スーツを着たヒーローだった。
『悪?』
『そういう物語ね?』
そんなピリッとしなくて、大丈夫だって。
こんな、いかにも悪です!というような、怪獣モンスターは、地球にはいないから。
現実では、怪獣は出ないし、それらと戦闘はしない。
ロボットも合体しない。
…ロボット?
『あ、ネロ。この話、ロボット合体するわ。』
『俺それにする。』
あまりの即答に笑ってしまった。
三十分番組の場合、完結しないので、少し長いけれど、映画で完結するヒーロー物を借りることにした。
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