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611話 たいやきは和菓子だったらしい


受け取ったたい焼きを、一つはカバンの中に入れ、ネロに渡し、もう一つは半分に割って、リリスさんとフェリシアさんに渡した。

移動しながらも、二人はしっかりたい焼きに夢中になっていた。

カバンの中を覗くと、ネロもモグモグとたい焼きを食べ進めていた。

うまいよなぁ…たい焼き。


「この魚、ふわふわじゃない。」

「中にクリームが入っているじゃん。お菓子みたい。」


お菓子みたい…?


「たい焼きは、お菓子ですよ。」

「そうなの?」

「お菓子という事は、ケーキとかクッキーと同じものって事よね。」


そうか。

そう言えば、ミシュティでも、和菓子っぽい物は見つけなかったなぁ。

和食も馴染みがなさそうだったし、ニホンの食べ物は、物珍しいのかも。


「そうです。ただ、その二つと違い、和菓子という物ですね。」

「和菓子?」


和菓子は、洋菓子よりも、甘さ控えめに感じる。

違いといえば、ニホンの文化か、海外から入って来た文化か…という感じだけど、そんなこと言われても、この二人は困るだろう。


「ニホンで出来たお菓子です。」


私も和菓子にそこまで詳しい訳じゃない。

正直な話、たい焼きが和菓子と知った時、そうか…と思うと同時に、マジで?と思った記憶があるくらいだから…

和菓子じゃなかったら、何なのだと聞かれると、答えられないんだけど、たい焼きのジャンルは和菓子ですと言われると、そうだったのかぁ…と感心してしまった訳だ。


「異世界にあるお菓子は、地球では洋菓子という物に分類されるものが多いです。ケーキもクッキーも洋菓子ですね。」

「そうなの。和菓子…気になるわね。」

「なら、帰りに買って帰ります?お土産にもちょうどいいですし。」


駅ナカに和菓子を売っている場所があったはず。

百貨店もあるし、その地下にも売っているだろう。

生クリームや飾りをトッピングするような、派手さはないけれど、和菓子は美しいという言葉が似合う気がする。


「チヒロは和菓子をよく食べるの?」

「頻繁に食べることはないですかね。でもお団子やお饅頭は、近所のコンビニでも売っているので、買っちゃいますけど。」


本格的な和菓子となると、私には少し敷居が高いというか…

でも、和菓子の事を考えていたら、食べたくなってきたわ。

お餅とかね?

お饅頭もいいね。

お団子もいいな。

頭が和菓子でいっぱいになりそうなのを、何とか耐える。

まずは、毒の展示会に行く。

和菓子を買うにしても、その後だ。


「まぁ、和菓子のことは後にしましょう。せっかく毒の展示会に来たんですから。」

「着いたの?」

「ここ?なんか、見た目は普通ね。」


…どんなものを想像していたの?

見るからに、ここは毒ですよ…?みたいな場所を、もしかして想像していた?

というか、すでに十分、毒々しい雰囲気が出ていると思うけどなぁ…

壁が紫に赤の斑点だよ?

生き物の皮膚や、きのこがこの色をしていたら、一発で毒を持っているだろうな…と分かるような色だよ?


「フェリシアの髪の毛と同じ色合いじゃん。」

「まぁ、アラクネは毒を持っているからね。でも、惹かれる色をしていると思うけど?」


確かに。

見慣れた色だな…って思ったら、フェリシアさんの髪の毛の色。

こんなに毒々しい配色だったんだな。

でも、フェリシアさんって、見た目エロいお姉さんだけど、清楚に見えるんだよなぁ。

なんでなんだろ?

私は人数分のチケットを買いながら、そんなことを思った。


「さて、中に入る準備はいいですか?」

「危険があるかもしれないのよね。」


いえ、ないと思いますが…

…ないよな?


「普通の展示会ですし、そこまで気を張る必要はないと思いますよ。気軽に楽しめる展示会のはずです。」


ファミリー向けの展示会だったはず。

そんなにやばい物が置いてある事はないだろう。


「じゃあ、さっそく中に入ってみましょうか。」

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