586話 三日間の企画案ができました
興奮しきったリリスさんとフェリシアさんを置いて、次へ。
最後はアルバートさんとカイン君だけど、ここの二人はさっきの二人より、さらにイメージがつかないんだよなぁ。
魔法の師匠であるアルバートさんは、私がお使いをするときに魔法石をお願いされたわけだけど、そんなものこっちにはない。
カイン君は、トマト料理だけど、これもどこかに食べに行くなり、何かを作るなりで何とかなっちゃうんだよね。
そう言えば、トマト加工工場に行きたいって言っていたっけ…?
近場であるのかな…?
「どこか行きたいところがありました?」
「やっぱりティエラの歴史が分かる所がいいと二人で話をしていた所だ。」
歴史かぁ。
図書館に行って、調べちゃうのが手っ取り早いけれど、それじゃあねぇ。
「歴史と言っても色々ありますよ。地球の…時代の流れや生物の生い立ち、文化の流れ…どれも歴史ですね。」
「どれもティエラを知る上では、面白そうだな。」
歴史は、さかのぼり始めれば、キリがないんだろうけど、人物の歴史を調べても、面白くないかもなぁ。
私は好きだけど、こういう人物が昔いたんですよ…とか、こういう決まりがあったんですよ…って言われてもねぇ。
文化も時代の流れに沿って、変わっていくものだから、そっちを分かった上で、話をした方がより分かるだろうし。
「簡単に言うと、人物、文化、生物ですかね。」
「そうか。やっぱり歴史は、一日で知り切るには厳しいね。」
それは、そうだろう。
搔い摘んだとしても、それは歴史の一端に過ぎない。
長い年月をかけて、作られてきた歴史なんて、そんなもんだろうな。
「じゃあ、チヒロのおススメはどこだい?」
おススメか。
「おススメというか、ネロと博物館に行こうという話をしていました。」
「博物館?ティエラの?」
「はい。竜を見に。ねぇ、ネロ。」
「あぁ。」
私がそう言うと、アルバートさんとカイン君が黙って目を瞬かせる。
「ティエラは竜が出るのか?」
「ティエラは危険じゃないんじゃなかったっけ?」
やばい。
誤解を招きそうだから、早急に訂正しないと。
「あ、いえ。昔、実在したと言われている、恐竜を見に行くんです。竜を見に行くと言っても、化石なんですけどね。だから、生きている訳ではないんですけど。」
「でも、ティエラには、竜がいた…そこには興味があるな。」
「俺もそこに行ってみたい。ティエラの博物館。」
なんだか、食いつきがいいぞ?
やっぱり、恐竜って人気なのかな?
「じゃあ、博物館にしますか。」
ネロと行く予定だったから、約束を果たせてよかったけれど。
「カイン君は、トマト加工工場に行きたいって、こっちに来る時に言っていなかったっけ?いいの?」
トマトジュースの話をした時、食いつきがよかったから、てっきり行きたかったのかと思ったけど。
「トマトジュースは、こっちで飲めるんだろ?トマトジュースを作っている過程も興味があるけれど、竜を見られるなら、そっちも楽しそうじゃん。それに、アルバートと一緒にトマト加工工場には、さすがに行かないわ。」
確かに、アルバートさんがトマト工場に居る所は、イメージが全くつかない。
「いい博物館があるんだろ?」
「はい。もちろんです。」
ネロが恐竜を見たいと言ったから、それなりに調べたんだけど、恐竜も見られるし、生物だけでなく、科学技術も見ることが出来るらしい。
「じゃあ、そこで。」
「はい。分かりました。」
これで、三日間の大まかな予定が決まった。
アンジュ君とアンヘル君と一緒にアスレチックのある公園に。
そして、リリスさんとフェリシアさんと一緒に、アニメショップと毒の展示会。
ラストは、アルバートさんとカイン君と一緒に、博物館。
行き先もやることも、ばらける事が出来たんじゃないかな?
ネロも飽きずに済みそう。
三日間の企画観光、楽しみかも。
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