582話 観光の順番が決まりました
厳正なあみだくじの結果、
「俺たちが一番。」
「僕たちが一番。」
アンヘル君が一番を引き当て、アンジュ君も一緒に行くことになり、天使ツインズが企画宣伝課の中で、トップバッターになった。
どこに行っても、癒されること間違いなしのメンバーでしょ。
アンジュ君とアンヘル君、そしてネロ。
うわぁ、マイナスイオンが飛び交う森がそこに出来上がりそうだ…
私のイメージだと、公園が似合いそう。
公園に行って、四人で鬼ごっことかしたら、楽しいんじゃないかな?
いや、私の一人負けかな…
「私たちが二番ね。」
「チヒロ、しっかり案内してよね。」
…このコンビ怖いな。
背後に黒を背負い、女神のような美しい微笑みをするフェリシアさんと、気合十分のリリスさん。
何だろう…
振り回される未来がうっすらと見えたような…
天使ツインズのキャッチコピーが癒しのひととき…だとしたら、この二人は、綺麗なものには棘がつきもの…といったところだろうか。
「すごいな。チヒロ。最恐と極悪をいっしょのペアに引き当てるなんて。」
ネロの中のフェリシアさんとリリスさんって、そんなイメージなんだ。
言ったら、ぶん殴られそう。
「いや、したくてこうなった訳じゃない。」
私の予想は、アンジュ君とアンヘル君の天使ツインズとリリスさんとカイン君。
そして、アルバートさんとフェリシアさんのように、私がいじられる立場にならない様になって欲しかった。
もしくは、カイン君とフェリシアさん、アルバートさんリリスさんみたいな?
カイン君とアルバートさんが、いじられ役が…と言っている訳ではない。
ただ、良い感じにリリスさんの暴走を止めてくれる人と、フェリシアさんの綺麗な黒い笑顔を流してくれる人が欲しかっただけ。
まぁ…リリスさんの暴走はともかく、フェリシアさんのことは、噂が独り歩きした結果なんだけどね。
リリスさんは、もう連れて行くべきところは分かっている。
ただ、それでフェリシアさんが楽しめるのか…という問題が残っているんだけど。
なんで、この二人がペアなんだろう?
「最後が俺たちだね。」
「よろしくな。チヒロ。」
そして、最後にアルバートさんとカイン君。
…ここのペアは、何をしたいんだろう?
何をするのがいいんだろう?
全く想像がつかない。
カイン君は、ティエラ飯を気にしてくれたから、そっち方面で攻めてもいいかもしれない。
アルバートさんって、どのくらい食べるんだろう?
ネロは、尋常じゃない量を食べるし、カイン君もよく食べそう。
この二人は、質も大事だけど、量の方が大事派に見える。
それに対して、アルバートさんは少量でも質のいい物を食べたがるイメージ。
値段が高ければ美味しい訳ではないんだろうけど、まぁ…料理の元となる食材がいい物であれば、美味しいだろうしね。
…これもあくまで想像だけど、
結局、どのチームもペアを組み、私とネロを合わせて、四人でのお出かけになった。
それが三日間かぁ。
そんなに観光場所のストックがあったかな。
「ねぇ、ネロはチヒロと、どこに行ってきたの?」
「俺も聞きたい。チヒロにどこへ連れて行ってもらったのさ?」
「なんでそんな話になる?」
観光の順番を決め終えると、リリスさんとカイン君がネロに絡みに行く。
ネロは、面倒くさそうにふわりと飛んで、私の肩に乗った。
「参考までに。だって、私たちと一緒にネロも周るのなら、被らない様に聞いておきたいじゃん?」
あぁ、そういう事か。
ネロにも楽しんでもらえるようにしないといけないもんね。
「昨日は遊園地に行きましたよ。それから、水族館やプラネタリウムに行って、本屋に寄って帰ってきました。おススメの食べ物を一緒に食べたし、楽しかったですよ。」
私は思い出しながら、ネロとの出来事を語る。
すると、じっと見つめてくる、いくつかの目。
ネロは、その様子を見て、顔を引きつらせた。
「ん?なに?」
そして、静寂が決壊したように、怒涛の質問攻めにあわされるのだった。
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