表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
57/953

55話 旅行ガイドがいると、より楽しい


王様に会うことを了承すると、グラースさんは、そうと決まれば、さっそく行きましょうのテンションで、グイグイと話も行動も進めていった。

メルも、先ほど作った三品と材料を、深めのバスケットの中に入れ準備万端。

グラースさん宅を出て、自然エリアを抜け、再びお菓子エリア、チョコレートの森に戻ってきたのである。

のどかな風景からガラッと変わり、あたりはチョコレートの木が生い茂っていた。


これが、宝飴ほういの石の魔力マナと植物を交じり合わせた木か。

ミシュティの話を聞いて、よりロマンを感じる。

このチョコレートの木も成長しているってことでしょ?

はらはらと落ちるチョコレートの葉っぱを捕まえた。

魔力マナの影響が薄くなった葉っぱ。

見た目がチョコレートってこと以外、ほんとに葉っぱなんだよね。

葉脈だっけ?

ちゃんとあるし。


「それ、食べられますよ」

「そうなんですか?」


そういわれると食べたくなる。


「いままで魔力マナでコーティングされていましたから、外部からの汚染もありませんし、今は、その葉の魔力マナの力も弱まっていますからね。」


お菓子の植物にとって、魔力マナは生命力と同等であり、魔力マナを流す本体、木でいうところの、幹の部分から離れてしまうと魔力マナが受け取れなくなって、次第に枯れていくということかな。

改めて聞くと、ほんとに生きているんだな、このチョコレートの木。


魔力マナが弱まると触れられる。

魔力マナは外界から守るためにも、使われているってことね。

そして、食べることができる。

実際に、目にしながら説明してもらうと分かりやすいかも。


葉っぱを眺め、そして口へと運ぶ。


口の中に入れると蕩けだすチョコレート。

うん、おいしいや。

思わず笑みがこぼれる。

甘いものってやっぱり偉大。

ほどほどは大事だけど。


ネロも、木から降ってくる葉っぱを捕まえては、もぐもぐと食べていた。


チョコレートの森を歩き、抜けると、今度はカラフルなお菓子の世界。

マシュマロと砂糖の道を通り、綿菓子の並木道を抜け、噴水広場の方へ。


噴水を覗き込むと、キラキラした宝石が底に沈んでいる。

これが、カラメオ。

宝飴ほういの石で、魔力を抽出し終わったものね。

これが、お菓子の国を作っていると思うと、すごいな。

こんなに小さな宝石なのに。

そういえば、これも食べられるんだっけ?


「そこにあるものは、魔力マナが切れてから、結構外気に触れているので食べない方がいいですよ。」


なるほど。

魔力マナは食材の質にも影響しているのね。

もしかしたら、冷蔵庫いらずになるんじゃないか?


それにしても、現地の案内ができる人と一緒だと、より楽しめるからいいな。

旅行ガイド大事。


噴水広場の奥、城エリアに入る。

ケーキの邸宅を抜け、見えるのは、お城の城壁。

城壁を抜け、お城の庭へと入る。

結局、私とネロは、観光のとき、ごった返した人が嫌で、ここまでしか見れていない。

時間的に、まだ明るいのか、言い伝えの場所も、そこまで混んでいなかった。

やっぱり、夜の方がロマンティックでいいのだろうか?

お昼でも、お互いの顔がよく見えるし、ここまで落ち着いているなら、愛をささやき合うのも成功するんじゃないかな。

夜は、見れたもんじゃなかったし。


「大丈夫ですか?」


階段の上の方に気を取られていると、グラースさんに声をかけられる。


「すみません。平気です。」


グラースさんに案内されるまま、私とネロはついていき、一般開放されていないお城の中へ。


王族が暮らす場所

お菓子の城、クレーム・アラ・シャンティの立ち入り禁止区域に入っていくのであった。

読んでいただき、ありがとうございます!


よろしければ、

評価、ブックマーク、感想等いただけると

嬉しいです!


よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ