52話 芋の可能性は無限大?
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食材探しをして、グラースさん宅に帰ってきた。
早速、台所を借りて、千紘キッチンのスタートである。
グラースさんとメルには、見ていてもらい出来そうなところを手伝ってもらおう。
ネロは、ちゃんと働いてもらいます。
まずは、ジャガイモから。
二品あるので、こっちの方が時間もかかる。
「ほんとに、食べられるんですか…?」
「この、チョロっと生えてきている草を何とかすれば、食べられます。あと、表面の色が薄い黄色の色から変化したものは、食べない方がいいです。」
きれいにジャガイモを洗いながら、グラースさんの問いに答える。
なんか、料理教室みたいじゃない?
先生になった気分。
得意げになりつつも、ジャガイモを洗い終わり綺麗に拭いていく。
さて、皮むきなんだけど…。
あまり皮むき器を期待してなかったんだけど、サツマイモの皮を向くのに使っていたのかな?
奇跡的に皮むき器があったので、楽にジャガイモの皮がむける。
ナイフで皮むきは、あまりにも面倒くさそうで、したくなかったから、よかったって思う。
ケガするし、危ないじゃん。
不器用ではないよ?
やらないだけだから。
自分に言い訳をしつつ、黙々とジャガイモの皮をむいていく。
「表面とは違って、綺麗なのね」
確かに。
土に触れていないからなのかな?
皮の内側は、きれいでつやつやしてる。
ジャガイモは、二品だから半分に分ける。
一つは、フライドポテト。
切り方はいろいろあるんだろうけど、今回は、細長い棒状に切っていく。
細い方が食べやすいんじゃないかなって。
切り終わったら油で揚げる。
芋がこんがりしたらオッケーってことで。
「ネロ、油温まった?」
「あぁ、いいんじゃないか?」
「よーし、揚げまーす」
気合十分、でも芋はそっと鍋の中に入れていく。
油が跳ねると危ないし、怖いじゃん。
パチパチ、ジュワジュワ
……。
こういうのを見てるとなんか無心になってくるよね。
うんうん。
芋の色が変わっていくの、面白い。
きつね色になったら、芋を油から出す。
丁寧に、油を切りながら。
ここを疎かにすると、べちょべちょのドロドロになるから、ほんとに丁寧に。
ここで登場、奥様のお土産のし。
塩。
まんべんなく振りかけたら、ホクホクのフライドポテトの完成。
一口、味見で食べてみる。
ん?
もう一口。
え、うまぁ!
ジャガイモの甘みと、塩のしょっぱさが絶妙なんですけど。
あれ?
ジャガイモってこんなに、甘かったっけ?
無言で、ネロに一本差し出すと、ネロはそのまま、フライドポテトにかぶりついた。
「ん!」
ネロの方を見てみると、目の輝き様がすごい。
今まで、そんなに輝いていたこと、あったっけ…?
でも、ネロの反応にも納得できる。
それくらい、おいしい。
グラースさんとメルが、不思議そうに眺めているので、二人にもフライドポテトをお皿に盛って渡す。
「ミシュティで出せるかどうか、食べてみてもらってもいいですか?」
フライドポテトを知っている身からすると、マジで美味。
芋か?芋がいいのか?
塩を振っていない部分を探して、食べてみる。
甘い…。
お菓子みたいな甘さではなく、自然の甘み。
え、野生の芋だよね。
なんでぇ?
疑問は残るが、まずはグラースさんとメル。
「どうですか?」
二人とも無言だけど…
「うまいな…少しピリッとするが、それがあることで甘みをより感じる。」
「おいしい、サクサク、ホクホクしていて、止まらなくなりそうね」
反応いいね。
フライドポテトを食べると、手が、止まらなくなるの、分かる!
「少しピリッとする感覚のことを、塩味がある、しょっぱいって私たちはよく言っています。」
初めてのしょっぱい体験じゃない?
ジャガイモが甘いおかげで、より受け入れやすいのかも。
二人がフライドポテトを食べている間に、ジャガイモでもう一品。
ネロも夢中で食べていたけど、ネロは私のお手伝いのため、呼び寄せる。
ムスッとしていたため、お手伝いの合間に、ネロの口の中へフライドポテトを入れながらの作業になったのだけども。
お鍋に、水を入れて沸騰させる。
沸騰したら、先ほど洗って、芽をとったジャガイモと塩を入れて、柔らかくなるまで茹でる。
柔らかくなったら、取り出し、水気をとる。
ジャガイモに切れ目を入れて、バターをのせて醤油をたらせば、完成。
スプーンを入れると、ホロホロほぐれるこの感じ。
うまいんだよなぁ。
バターはこってりだけど、醤油のしょっぱさがいい味を出してるね。
ネロが、私の手をペシペシとするので、スプーンでネロの口に運んでやった。
さっきから思っているんだけど、私は、ネロの食べさせ係か何かでしょうか。
グラースさんとメルの分も用意して、二人の目の前に出す。
「こっちもどうぞ」
「これも、同じものですか?」
「はい、さっきは、ジャガイモを揚げたんですけど、今回は茹でてます。食感が全然違うと思いますし、味付けも違いますよ。」
「バターがのっていますね」
「はい、でもちょっとした魔法がかかっています。」
まぁ、かかっているものは、魔法というか、醤油なんだけどね。
「ほんとに味が違いますね。それにバターのこってりした感じが薄くなっています。」
「それが、お土産の醤油ですね。かけすぎには注意ですけど。」
二人は、フライドポテトも、じゃがバター醤油もしっかり食べてくれた。
「お二人的には、ジャガイモ料理どうでしょうか?」
「いいですね」
グラースさんは、笑顔で返事をくれ、メルは大きく頷いている。
ジャガイモ料理はいけそうで安心した。
さて次は、野菜スティック味噌マヨを添えてにトライしよう。
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