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50話 箸休めも大事です

感想、ブックマークいただきました。

ありがとうございます!


台所でまさかの調味料しすせそを発見した。

これは収穫。

メルの手伝いで、来たはずだったけど、まさかの台所捜索をしてしまった。

台所にあまり長くいると、グラースさんを一人で考えさせちゃうことになるし、そろそろ戻ろうかな。


「メル、私そろそろグラースさんの方に行こうと思うんだけど、何か持っていくものある?」

「大丈夫。お父さん、一人で考えこんじゃうから、行ってあげて」


考え込んでしまうことについて、フォローできる気がしないんだけど。


「分かった。ネロ行くよ。」


ネロを呼び、先ほど話をしていた部屋に戻る。

グラースさんは、私とネロに気が付くと、優しく微笑んだ。


「お待たせしてしまい、すみません。」

「いえ、私たちも席を外していましたので。」

「それに、先ほどは少し動揺してしまい…」

「あ、それも大丈夫です。」


グラースさんにとっては、奥さんが帰って来ないってことだもんね。

動揺して当然。


「もう一度改めて、ミシュティについて相談に乗っていただきたい」

「もちろんです」

「それで、どのようにしていけば良いか考えたのですが…」


グラースさんは、言いにくそうにしてる。

うーん。

私の中に一つ案があると言えば、あるんだけど。

ミシュティがどうなりたいとか、そういうのは私には分からないし、言うだけ言ってみるか。


奥から、メルがまた飲み物を持ってきてくれた。


「私、一つだけ思いついたんですけど、提案してみてもいいですか」

「もちろんです」

「私が考えたのは、箸休めのような料理を作ること。」


私が言うと、グラースさんとメルは、キョトンとした顔をした。


「箸休めですか」

「そうです。私の世界では、スイーツバイキングというものがあったんです。」

「すいーつばいきんぐ?」

「はい」


あぁ、頭の上にクエスチョンマークが、見えるぞ…。


「スイーツバイキングというのは、いわゆる、時間制限付きのお菓子食べ放題で、いろんなお菓子が、その時間内なら何を食べても、どんなに量を食べても、値段が変わらないんです。大体、時間は1時間から1時間半くらいだったと思うんですけど。ただ、お菓子だけだとどうしても口の中が甘すぎて、食べるのが進まない人もいるので、味を変えるための料理が用意されているんです。それを作るのはどうかと思いました。」


時間制限はないけど、ミシュティを大きなスイーツバイキングと捉えるなら、甘くないフード系をどこかで食べられるようにするのは、ありだと思う。

ただ、今までお菓子を売りにしてきたため、受け入れられるか分からないんだけど。


「味を変えるというのは、例えばどんな」

「えっと…、お土産で送ってもらったという、茶色い物とか白い粉とかですかね」

「お土産?」

「あー、グラースさんの奥さんから送られてきたやつです…」


すみません。メルから奥さんの話、聞いてしまいました。


「…メル、お前ね。」

「あ、ごめーん」


メル、しっかり謝ってあげて。

いままで言っていた、帰ってきてなかった人が、自分の奥さんだって他人にバレたんだから。

正直、奥さんのことを言うか迷ったよ?

でも、説明がどうしてもうまくいかなかった。

私にとっては味噌だけど、他の人にとっては茶色い物体だもんね。


「あれを使って何かを作るんですか?」

「はい。味噌と言います。他にも奥さんから送られて来たものは、私の世界ではよく使われていた調味料なんです。白いのが塩、薄い黄色の液体が酢、黒い液体が醤油です。それらは、料理の可能性を広げてくれます。」


真剣に話を聞いてくれるグラースさんとメルに、これだけは言っておかないと。


「ただ、もしこの案で行くのであれば、メニューについてはしっかり考えた方がいいと思います。あくまで、ミシュティの売りは、甘いお菓子たちですから。」


この言葉に、二人の顔がどこか安心したように見えた。

やっぱり、急な改革は客離れにつながるし、もともとある良さを消してまで違うことをやる必要は、ミシュティにはないと思う。


あくまで、お菓子を引き立てるサイドメニュー。

そうあるべきだと思った。


「ネロ君は何かありますか。」

「俺か?」


グラースさんの問いかけに、ネロは少し考えた後、口を開く。


「バイキングというのは、コスモスにもあって、俺も知っているが、たしかに味に変化があるものがあった。気分を変えて、違うものを食べることで、よりお菓子がおいしくなると思う。多分だが、先ほど味噌の後に、違う甘いお菓子を食べたら、おいしく感じるんじゃないか?」


ネロは私の方をちらりと見てきた。

それにしても、食べ放題のお店、コスモスにもあるんだ。

今度行こう。


「そうだね。甘いものを食べた後は、しょっぱい物、そしてまた甘い物って感じで、心理的に食べたくなるみたい。そういうのを利用して、お菓子食べ放題のサービスは、いろんなものを食べてもらっていたのかなと思います。」


グラースさんは、少し考えてた後、微笑んだ。


「その案を、もっと詳しく教えていただけますか。」

「もちろんです」


興味を持ってもらえたかな?

ミシュティの助けになるといいな。

読んでいただき、ありがとうございます!


よろしければ、

評価、ブックマーク、感想等いただけると

嬉しいです!!


よろしくお願いします!

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