表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
494/953

474話 異世界でも経済は回ります


「お礼の品を用意しているなんて、知らなかった。」

「これをみんなにあげていたのね。なるほど。」


そう、二人にまじまじと見られると、恥ずかしいんだけど。

そんなにじっくり見られて大丈夫かな。

ミサンガの編み目…


「ミサンガ…本当にチヒロは、いろんなものを生み出しているのね。」

「いろんな物?」

「聞いたわよ。ブラー公子と作ったボトルのこと。」

「え?なんで知っているんですか?誰から…?」


私、あのボトルのこと、誰かに言ったっけな?

お手伝いした時も、あくまでお手伝いなんだけどな?


「違うわよ。」

「リカとリオにボトルをあげたんだろ?二人が貰ったと言っていた。それで、父さんが調べて、知ったんだ。」

「クヴェレ殿下…調べたんですか?」


あ、もしかして、ブラーさんが言っていた大口の…って、ここか。

それは、大口だわ。


「いい物は、買って経済を回さないといけないからな。」


異世界に来て、経済という話を聞くとは思いませんでした。

お金が世の中に回るのは、大事だもんね。

でも、ブラーさん、ちゃんと目に留まっていましたよ。

やりましたね…と心の中で思いました。


「それで、ミサンガはどんな話があるの?」

「話?」

「ミルキーウェイも話がとても素敵だったじゃない?タナバタ伝説と言ったかしら?」


あぁ、七夕伝説のような話を期待しているのであれば、ミサンガにそのような伝承はないと思う…というか、私は知らない。

七夕伝説は、実際に私の世界にあったものだけど、ミサンガはなぁ。

それに、あくまで補助アイテムですよって、言っちゃっているしなぁ。

ここで、願いを叶えてくれる魔法のアイテムなんだよ…と言ったところで、なんか違うよね。

そういえば、ミサンガって、一つの一般的な話があるというより、渡す人によって、いろんな物語ができるよね。

好きな人にミサンガを作って、大会前にあげるとか…青春しているじゃない?

ミサンガの何がいいって、運動部でも文化部でも、気兼ねなくつけられることだよね。

手作りしたんだ…みたいなさ。

…うん、そうだよ。


「ミサンガの話は、自分たちで作るものなんですよ。」

「どういう意味なの?」

「ミサンガはですね。どんな話にもできる無限の可能性を秘めているんです。」


ネロは、何を言っているんだ?といった顔で見てきた。


「ミサンガは、結ぶときに願いを込めると、切れた時に願いが叶う…それがミサンガです。どんな願いを込めるかは、自由。だから、七夕伝説のような話はありません。」

「そうなの?」

「でも、自由だからこそ、何でも願うことが出来ます。七夕伝説は、何となく恋愛がらみのことを願った方が、叶うような…みたいな感じで、どうしても思考にとらわれてしまいます。でも、ミサンガは、何を願うのも自由。恋愛でも、仕事でも、今後の夢でも。」


願うことは、自由だしね。


「へぇ、何を願ってもいい…それもそれでいいわね。」

「ですよね。」


自由だからこそ、願えることもあるのだ。


「プティテーラの環境的に、ミサンガは人気が出そうだよな。」

「あぁ、それなら、クラト公子とブラーさんに作り方と、概要等々を渡してあるので、そのうちプティテーラでも売りに出されるんじゃないですかな?」


それに、こんなに王族や貴族の人たちが、体のどこかしらに謎の紐をつけているのに気が付いたら、社交界などで話題にもなるだろう。

そのタイミングで売り出しでもすれば、儲かると思うなぁ。


「相変わらず、手が早いな。」

「ブラーさん達が、ミサンガを解体する勢いだったので、それならば、作り方ぐらい置いていくのに…と思いまして。」


私の世界じゃ珍しい技術でもないし。

異世界に流行ったとしても、そこまで問題もないだろうし。

だって、異世界だし。

同じ世界だと、パラレルワールド的な何かで、技術を伝えることは、問題が発生するかもしれないけれど、異世界交流も盛んにおこなわれているみたいだし、大丈夫でしょ。

それに、私のいた世界には、ゲートも通じていないしね。

読んでいただき、ありがとうございます!


よろしければ、

評価、ブックマーク、感想等いただけると

嬉しいです!


よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ