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46話 食文化の違いってあるあるだよね


ミシュティがどのように作られているのか、分かったんだけど…

私は、逆に何を要求されるのだろう。

グラースさんのあの笑顔、絶対に、理由を教えるだけじゃ済まないと思うんだよね。


「ミシュティについて、満足していただけたでしょうか?」


私とネロが知りたかったものは、教えてもらえた。

危ない情報のような気もするけど。


「はい、教えてもらってよかった情報なのか、微妙な気がしますが。」


私の言葉に、グラースさんはにっこりと笑ってきた。


おいこら

絶対、何か企んでいるでしょ


「それで、ミシュティの観光客の減少について教えてもらえるのでしょうか?」

「もちろんです。ただ、観光客の減少について、詳しく調査したわけではなく、私とネロが、ミシュティに滞在して思ったことなのですが、それでもいいですか?」

「はい、何か情報をいただければそれでいいのです。」


グラースさんの真剣なまなざしに、大きく息を吐いて向きなおる。


「ミシュティの観光客が減っている理由、それは、おそらく、食文化の違いによる胃もたれです。」

「胃もたれ…ですか?」


うわ…グラースさんの怪訝そうな顔。

その顔止めてくれ、怖いから。


「ミシュティは、甘いスイーツを売りにしている国。私たちが観光しているときも、食べた物すべてが、スイーツやお菓子といった甘い物でした。そして、メルに聞いたのですが、ミシュティの人たちは、観光客に出すものと変わらない物を普段、食べるんですよね?」

「そうですね」


グラースさんは、私の問いに、様子を伺いながらもしっかりと頷いてくれる。


「スイーツを普段から食べているミシュティの人たちには、あまり違和感がないと思うんですが、他の世界では、普段の食事がすべてスイーツやお菓子という所はあまりないのではないかと思います。」

「スイーツを食べないのであれば、何を食べられているんですか」


やっぱり、お菓子以外の物を食べる文化がないんだ。


「自然エリアの水辺にいる生き物は、分かりますか?」


私の問いに、先ほど見たメルが割って入ってきた。


「あのグネグネと動いているやつね」

「そう。私の世界では、あれを食べていました。」


グラースさんも最初のメルと同じように首を傾げた。


「あの生き物は食べられるものなのですか?」

「ミシュティにいる物と私たちの世界の物が一緒か分からないんですけど、あの形をしている生き物を食べていました。煮込んだり、焼いたり、それから捌いて生で食べたり。」

「ほう…」

「他にも、森の方にあった、表面が薄い茶色の物も食べますし、私の世界では、森に生えている先端に小さい粒が付いている植物や、魔物が撃ってきた玉も食べてました。」


グラースさん達に伝わりやすいように、ミシュティに生息している物をおもいだしながら、一つ一つ、食べられそうというか、私が食べてきたものを上げていった。


「ちょっと待って、あの表面が茶色のゴツゴツしたやつって毒があるんじゃないの?」


ん?じゃがいもの芽のことかな。

確か、ジャガイモって放置しすぎると、芽が出てきて毒になるって聞いたことあるな。


「あの、魔物が撃ってきている玉を食べるのですか?」


まぁ、ミシュティの人たちにとって、豆は、魔物からの攻撃の一種だもんね。

豆を知らないなんて、もったいない気もするけど、反応としては、正常な気がする。


「お前、あそこに生えている草を食べていたのか?」


そして、なぜかネロまでぎょっと私の方を見てくる。

草って、もしかして稲のこと言ってる?

いっぺん怒られてしまえ

と言いたいところなんだけど、それも稲というか、お米を食べる文化がないってことだもんね。

お米……。


私の世界でも、国によって食文化は全然違ったし、環境によって味覚が違ったもんな。

そりゃあ、異世界同士で今まで交流がないなら、そうなるよね。


グラースさんとメル、ついでにネロを見て、私は文化の違いをしみじみと感じた。

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