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423話 コラボ商品のレベルが高い


私とネロの太陽と虹の街コラボのウォーターフルーツは、すぐに届いた。

チューチューとストローでウォーターフルーツを吸い込む。

美味しい。

前に飲んだことがある、ウォーターフルーツは、凍らせているシャーベットの中に、熱々のドロドロしたジャムが入っていて、衝撃を加え、混ぜることで、熱々のジャムが周りの氷を溶かしていく…という感じだったのだけれど。

それだと、固形物である虹の街の名物、水団子はドロドロジャムに邪魔されて出てくることが出来ない。

でも、今飲んでいるウォーターフルーツは、スムーズにストレスなく飲むことが出来る。

衝撃を加えて、中の熱々ジャムを溶かすところまでは、一緒なんだけど…


「ジャムがドロドロしていない?」

「あぁ。ジャムというより、どちらかというと、熱いシロップだな。」


そう。

フルーツの果汁の熱々シロップ。

サラサラとした液体により、水団子は邪魔されない。

チュッと吸うことで、スポンとストローから口の方へ入ってくる水団子。


「水団子の形も普段のより数倍小さいね。」

「だが、普段の物よりも弾力があり、モッチリとしている。小さくても食べ応えがあっていい。」


普段よりもモチモチとした水団子に、冷たいシャーベットと熱々のシロップが口の中で混じり合い、なんかもう口の中は大渋滞だ。


「これは、美味しいわね。」

「冷たいものと熱い物を合わせるだけでなく、触感まで…スイーツにも応用できないかな。」


そして、目の前の二人も、初めてのウォーターフルーツに夢中になっている。

楽しそうで何よりです。


「町同士のコラボって、ここ最近考えられた話なのかな?」


雫の街と火の街コラボ、そして、太陽の街と虹の街コラボ。

どちらも商品としては、当たりだと思うんだけど…


「さあな。それに、どこが主導で、このコラボを動かしているのか、分からない。」

「そうだよね。街を上げてのコラボなのか、それとも店同士の個人のやり取りでコラボが実現したのか、それとも…」


曲者王族たちの世界政策なのか。

ここから先は、考えても答えは出ないだろうし、今考えても仕方ないだろうな。


「お待たせいたしました。」


このテーブルに店員さんが来たのは、何度目だろうか。

美女とイケメンで注目を集めていたメルとビスクートさんは、今は、違う意味で注目を集めている。

あれだけ、テーブルに料理が運び込まれているんだから、当然と言えば、当然。

机いっぱいに並んだ料理を、時には真剣に、時にはニコニコと食べている様子に、乾いた笑いが出た。

テーブルいっぱいに並んでいた料理たちも、次の料理が運ばれてくるまでには、食べ終え、テーブルの端にお皿を置き、店員さんが片づけやすいようにしている。

ちなみに、私とネロは、ウォーターフルーツの容器を自分の手に持てるため、私たちのテーブルのスペースは、これっぽっちもない。

やっていることは、大食いと変わらないのに、二人とも本当に上品に食べるよね。

さすが、一世界を背負っているだけのことはある…

店員さんも初めは戸惑っていたが、二人の気持ちのいい食べっぷりに、吹っ切れたのか、今では、面白くて吹き出してしまうのを堪えながら、テーブルに接客に来ている。

しかも、店員さんが、代わる代わる来る様子に、二人の接客を買って出てくれる店員さんが、たくさんいてくれるみたいで、良かったと思う。

大量買いするお客さんって、お店にとっては利益にはなるけど、接客するのは、結構大変だから、嫌な顔されないか心配だったけど、大丈夫そうで、本当に良かった。


「お待たせいたしました。」


そして、男性の声がしたため、そちらの方を向くと、あのイケメン料理人さんが、わざわざ出て来てくれたみたいだ。

…大丈夫かな?


「本当に美味しいですね。どれも美味しそうだったので、どれも食べたくなってしまって…ごめんなさい。でも、対応してくれて、ありがとうございます。」


食べる手を止めて、男性料理人さんの方を向き、頭を下げる二人。

カフェで見られる光景では、ないよね。


「顔を上げてください。初めは驚きましたが、綺麗に食べて行ってくれているので、作り甲斐も接客し甲斐もありました。美味しいと言って、食べていただきありがとうございます。」


さっと、テーブルに持ってきた料理を置いて、一礼をする。


「最後まで楽しんでいただければと思います。」


そして、厨房の方へと帰って行った。

おぉ…対応まで、イケメン。


「良かったぁ。怒っていなくて。」


怒られるかもしれないと思いながら、やっていたのね…


「でも、いい勉強になった。可愛い物、シンプルな物…見た目、味、それから食べた時に感じる意外性…これからミシュティの料理は、もっと進化していくわ。」


そして、カフェ内は、異様な盛り上がりを見せ、全部完食したころには、カフェ内にいたお客さんとスタッフさんから、惜しみない拍手が送られた。

読んでいただき、ありがとうございます!


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