表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
433/953

413話 好きと嫌いと無関心


セレーネギアと異世界転送装置デゥールは、反対側にあるため、アスガルさんといろんな話をすることが出来た。

出会った人たち、プティテーラの食べ物、名産品、それから図書館で得た知識。

こんなにアスガルさんとゆっくり話したのが久しぶりなため、私もネロもノリノリでしゃべり続けたし、アスガルさんも、うんうんと頷いてくれた。


「プティテーラでも、手伝いをしていたんだね。ミシュティの時は、観光客の減少の原因追及を兼ねていたから分かるけど、何もないプティテーラでも同じことをしているとは思わなかったよ。」


ミシュティの観光客減少…あったねぇ。

お菓子の世界に行きたいと言い出して、いろいろと事前準備をしていた時に、気になった点。

リピーターがあまりにも少ない。

観光部としては、原因が何なのか、調査してきてほしいと言うことで、初仕事はミシュティ調査になった。


「…たまたま、流れでそうなったと言うか…」


クラト公子やブラーさんの話を聞いたら、どうしても気になってしまったし、それに商品自体がとてもいいし、可愛いのにもったいないと思ってしまったのだ。


「たまたまで、今後もいろんなことに巻き込まれそうで僕はひやひやしているよ。」

「危ないことに巻き込まれるのは、私も嫌ですね。」

「いいかい?何度も言っているが、世界によって価値観の違いというのは、どうしてもあるからね?そこを測りかねてはいけないよ?」


価値観の違いは、争いの元。

それは、分かっているつもり。


「でも、私は誰にでも手を貸したいと思えるいい人ではないので。」

「そうかい?」

「はい。私は、誰に対しても無条件で手を貸せる人ではないと思います。」


そんなに善人じゃないですって。


「じゃあ、どういう相手に手を貸すんだい?」


そうだなぁ。


「私が好きな人に…ですかね?何となく好きだなぁって思う人や、好感が持てる人に手を貸したいって思います。だから、誰に対しても、お手伝いしたいって、思っているわけではないですよ?」


そんなにいろんな人を助けられるほど、私の器は出来ていない。

どちらかというと、自分の時間が大好きな人間だから。


「お前、嫌いな奴いるのか?」

「この人嫌いって、いう人はいないかも。」

「じゃあ、結局全員助けることになるんじゃないのか?」


そんなわけあるか。


「そもそも好きの反対は、嫌いじゃないでしょ。」

「なんだよ。」

「無関心…じゃない?」


嫌いって思う事って、労力と時間を割かなきゃいけない。

むしろ、好きだと思う事よりも、大変だと思う。

だからこそ、嫌いは好きの裏返し…と言われたりするわけだし。

私は、そんな時間があったら、別のことをしたいと思う。

だから、嫌いという感情は、そんなに湧いてこないんだろうな。


「私の中の分布は、好きだと思う人と、その他大勢って感じで別れていると思います。私の中で、何となくでも好きだなぁって思えば、好き。私の中で何とも思わなければ、その他…ですかね。」


世の中全員を救いたいなんて、私には、まぁ無理だ。


「でも、自分の中に入れた…自分の手のひらに乗る分くらいは、私でも大切にできるかなと…」


それ以上持ちすぎると、手のひらから零れ落ちて壊しちゃうから、しないけどね。


「プティテーラでチヒロが出会った人たちは、なんか好き…という琴線に引っかかったという訳だな。」

「そうですね。シン王子もアルビナ令嬢も…他にもいろんな人たちと出会いましたけど、みんなカッコよかったです。なんか好き…でも今は、ちゃんと好きですかね。」


人として好き。

カッコいい生き方をしている人には、やっぱり惹かれるでしょ。

そういう人たちにが、多少無茶なことを言ってきたところで、私に何かできるなら、手伝いたいと思う。


「…チヒロは、いい出会いをしてきていると思うよ。」


…やっぱり、そうですかね?

私も、それはそう思います。

読んでいただき、ありがとうございます!


よろしければ、

評価、ブックマーク、感想等いただけると

嬉しいです!


よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ