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406話 それは女同士の秘密


私が未来を思い浮かべて笑うと、それに気が付き、ロゼ夫人も笑ってくれる。


「何、笑っているんだ?」


私とロゼ夫人が笑い合っていると、ネロがウォーターフルーツを抱えながら、不思議そうに私の肩の上に乗る。

私とロゼ夫人は、一度顔見合わせ、ニヤリと笑った。


「それは秘密だよ。」

「そうよ?女同士の話よ。」


そうそう。

私とロゼ夫人の秘密。


「まぁ、ならいいが。」


ネロは、深く突っ込んでこなかったけど、気になってはいるみたい。


「なに?気になる?」

「別に。ただ、チヒロが何か考えているみたいだったからな。」


もしかして、私のことを心配してくれてる?


「ロゼ夫人に、人生相談に乗ってもらった感じだよ。その過程で、考えることがあっただけ。」

「そうか。今はスッキリした顔をしているから、それならばいい。」


やっぱり心配してくれてる。

いつも口が悪いのに、こういう気づかいが出来ちゃうから、助かるんだよね。


「ネロ、ありがとう。」

「は?何言っているんだ?」


そして、お礼を言うと、ツンツンネロを発動すると言う…

私はそっと、肩の上に乗っているネロの頭を無言で撫でた。

ネロはとても嫌な顔をしていたけど。

ネロの頭を撫で続けていると、会場の方が少し賑やかになる。

誰か来たのかも。


「ロゼ、ここにいたのか。」


そして案の定、ロゼ夫人を迎えにバルドル公爵がやってきたわけだ。


「君たちは…」

「バルドル公爵、お久しぶりです。」

「あぁ、久しぶりだな。そして、ロゼが迷惑をかけたみたいですまない。」

「ちょっと、バルドル?なんで私がチヒロちゃんとネロ君に迷惑をかけたと決めているの?」


バルドル公爵は、ロゼ夫人を見て大きくため息をついている。


「ロゼ、君は面白いことがあるとすぐに食いつく。そして、この状況で迷惑をかけていないなんて事ないだろう?」

「ひどいわね。それが妻に言うセリフ?」


口を膨らませて、バルドル公爵を睨みつけるロゼ夫人は、とても可愛らしい。

バルドル公爵は、拗ねたロゼ夫人の頭を撫で、機嫌を取っている。

相変わらず、この二人はラブラブしていますねぇ。


「チヒロ、ネロ。あの方は誰だい?」


バルドル公爵がロゼ夫人を撫でている様子を見て、アスガルさんが私たちの方へ来た。

まぁ、公爵夫人が頭を撫でられる状況も驚きだし、公爵夫人の頭を撫でられるだけの身分の人の登場にも驚きだろう。


「あぁ。あの方は、アルビナ令嬢のお父様で、ロゼ夫人の旦那様。シュルーク公爵家のバルドル・シュルーク様です。」

「公爵家…プティテーラには、公爵家がいくつもあるのかい?」


私が知っているのは、シュルーク公爵家だけだけど、現在の五大一族を取り仕切っている唯一の公爵家だから、プティテーラには公爵家は一つなんじゃないか…と思う。


「私たちが今まで出会った公爵家は、シュルーク公爵家だけですね。」

「ほう。なるほどね。プティテーラでは、勢力争い等はないのかい?」


そっか。

普通だったら、唯一の公爵家と王族が結婚したら、絶大な権力を持ってしまうから、争いがある世界だと、バランスが崩れて揉める可能性があるのか。


「昔はあったと聞きましたが、今は恋愛結婚が主流みたいですよ。」

「そうか。」


一応立場というものは、あるみたいだけど、恋愛結婚が歓迎されているんだもんね。

アスガルさんも、納得はしてくれたものの、少し驚いたみたいだ。


「初めましてですね。シュルーク公爵家のバルドルと言います。チヒロとネロの上司の方とロゼから聞きました。プティテーラのゲート開通には、とても感謝しています。」

「こちらこそ、初めまして。コスモス観光部のバルドル・ビルロストです。コスモスのゲートを利用していただけること、感謝しています。」


挨拶の様子を見て、二人はなんだか気が合いそうだと思った。

なんだろう。

仕事熱心な二人、みたいな?


「良かったら、話をしませんか?」

「いいですね。プティテーラの話をぜひ聞かせていただきたい。」

「ぜひ。コスモスの話も聞いてみたいですね。」


ロゼ夫人も興味深そうに二人の様子を見ている。


「じゃあ、シュルーク公爵と少し話をしてくるよ。チヒロとネロ、気を付けるんだよ。じゃあ、また会おう。」


アスガルさんは、バルドル公爵と二人で話をしながら、去って行った。


「あら、私もついて行ってみようかしら。コスモスの話を聞けるかもしれないし。チヒロちゃん、ネロ君また会いましょう。」


そして、ロゼ夫人は二人が去って行った方に向かって、歩いて行った。


「行っちゃったね。」

「そうだな。賑やかだったな…」

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