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391話 シン王子のあざとさにやられました


会場がシンと静まり返る。

そして、踊り場に視線を向けると、そこから現れたのはシン王子とアルビナ令嬢。

遠目から見て、シン王子は真っ白いスーツ、アルビナ令嬢は、オレンジのふんわりとしたロングドレスだった。

踊り場の上に立っている二人を見て、前もこんなことあったなと、外交パーティのことを思い出す。

踊り場から、現れた女王様をはじめとする、プティテーラの王族たちに、見とれて何も言えなくなったことを思い出す。

あの時は、その場にいた美しい王族の人たちと知り合いになるなんて思わなかった。

女王様の言葉、貫禄と存在感が半端なかったよなぁ。

そうか…シン王子とアルビナ令嬢は、女王様と同じ場所に立っているんだ…


「今日は、シン・フォルモントとアルビナ・シュルークの婚約パーティに来てもらった事、感謝する。…俺とアルビナのことを一緒に祝ってくれると嬉しい。」


シン王子が発した言葉に、甘くはにかんだ音が乗る。

ん?

あざとくない?

登場は凛々しくカッコよく、存在感を溢れさせておいて、その甘い声はあざとくないか?

声に乗った音を周りも感じ取ったのだろう。

ざわっとした空気が流れる。


「シンの奴、デレデレしすぎじゃないか?」

「デレデレというか、念願が叶って、周りに正式に祝ってもらえるこのパーティが嬉しいんじゃない?」

「だとしても、あの場に立ってあの挨拶は、周りをざわつかせるには十分だろう?」

「でも、シン王子のあの挨拶、受けているみたいだよ?ほら。」


周りを見るとざわめき立っているが、よく聞いてみると、シン王子のギャップに悶えている令嬢たちの声なき悲鳴みたいで、どっちかというと喜んでいるオタクの様になっている。


「普段が俺様の王子様だから、ああいうものが受けると言う事か…でも、次期王としての発言じゃないだろう?」

「ネロは、シン王子の何なの?過激派?」

「浮かれすぎて、周りに足を引っ張られないか心配しているだけだ。」

「その心配の仕方、普通に怖いんだけど。」

「まぁ、シンが幸せなら、それはいいのかもしれないがな。」


だから、ネロはシン王子の何なの?

親か何かなの?


「君たち二人の発言にひやひやしている僕は何か間違っているかな…?」


あ、いつものテンションで言いたい放題だったけど、アスガルさんもいるんだった。


「いつもの事だ。」

「それはそれで問題なんだけど?」


顔を引きつらせているアスガルさん。

そりゃそうだよ。

異世界の王族に対して言いたい放題言っているなんて聞いたら、そうなるよね

シン王子の可愛さにやられ、挨拶は終了する。

踊り場から、シン王子とアルビナ令嬢が下りてきて、二人は、人に囲まれた。


「この光景も見覚えあるなぁ。」

「俺らはいつも、出遅れているな。」

「あの中に突っ込んでいくのは、無理だよ。おめでとうを言うのは、別に最初じゃなくても大丈夫だって。」

「あの時とは違うな。」


外交パーティの時は、出遅れてどうしようとなっていたからね。


「二人は、どうやって、王族の人たちと知り合ったんだい?」


どうやって…


「シン王子とアルビナ令嬢は、出会いは偶然ですけど、その後お手伝いをする機会がありまして、それで仲良くなりましたよ。」

「その手伝いの中で、公子や第二王子とも知り合った。」

「クヴェレ殿下は、外交パーティで会ったきりですけど、こちらも偶然、クヴェレ殿下の親戚の方とお話をする機会があって、その流れでクヴェレ殿下と話をすることが出来ましたね。」

「王配殿下と中を深めたのは、今日だろ?」

「そうだね。」


リカちゃんとリオ君がいなかったら、クヴェレ殿下とお話をする機会を得ることは、出来なかっただろうな。

シン王子のことで、お礼が言いたかったと仰ってくれたけど、わざわざ私たちを探してまで言う事でもないしね。


「あ、ちょっとずつ人が離れて行っているんじゃない?今なら、挨拶しに行けるかも。」

「行くか。」

「アスガルさんも行きましょう!」


久しぶりに二人と話ができる気がする。

シン王子とアルビナ令嬢と最後に会ったのは、アルビナ令嬢がシン王子から逃げた事件以来だから、一週間ぶりとか?

私とネロのプティテーラでの始まりは、この二人に出会ったことだと言っても過言ではないと思う。

だから、二人と再び会えたことが、本当にうれしい。


「シン王子、アルビナ令嬢。」


周りにあまり人がいないことを確認して、そう呼びかける。

すると、二人は私の方を向いて、優しく微笑んでくれたのだった。

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