表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/953

4話 理解ができないときは、強制的に思考が停止するらしい


目を開くとさっきまで居たはずの自分の部屋ではなくて、草の上に放り出されている。

手にはスマホを持っているが、電池が切れてしまっているのか黒い画面から動かなくなっている。

しばらくボーッとしていたが、そんなことをしていても状況が変化しないことを悟り、取り敢えず音の強いほうへ歩くことにした。


だって生活音っぽいものも聞こえてくるし。


歩いていくと光が強くなっていき森を抜ける。

そこで私は言葉を失った。


開けたところにあったのは、天まで貫く巨大なビル。

それだけなら、理解ができたかもしれない。

そこには、車が空を飛び、噴水の水は意思を持っているかのように動き回る。

炎を手からだし、火をおこし、描いた絵が立体になって浮かび上がる。

そして動物の耳やしっぽをつけた人たち、むしろ動物ではないかという存在まで歩き回っている。


いやいや、ここどこ!?と内心ではパニックだ。


「やっと見つけた。」


「おい。きいているか?」


現状がよく分からず、きょろきょろ見回し何か手掛かりを探していると、顔に何かが当たった。

音のするほうに顔を向けると、そこにはなんかこうまん丸い翼の生えた…


「ん?猫?」

「虎だ」

「えっと?」


その小さい物体は虎だと言っていたが、サイズ感的に猫にしか見えない。

ごめん。


透き通るような濃い青の目を持つ、手のひらサイズの黒い翼の生えた黒い猫。

しかも、ぷかぷかと浮いている。

ほぼ思考停止している中、そこに自分の中ではさらにあり得ないものまで出てきたため、私の頭は処理することを諦めたみたいだ。


「絶対分かってないと思うけど、取り敢えずいい。アリマチヒロだよな」

「そうだけど。どうしてそれを?」

「コスモスに登録したんじゃないのか?」

「コスモス…あぁ!あの、行先自由、即日移動、サポート充実、金額無料の!」

「あぁ」

「した!そしたらいきなり光って気が付いたらこんなところにいて、何が何だか分かんないんだけど。ここがどこかも分からないし。」


真っ黒い画面のスマホを見せてながら言うと、黒猫は驚いたように私に近づいてきた。


「は?まさか、お前説明読んでないのか!」

「説明?」


そんなのあったっけなぁと思ったが、黒い画面のスマホでは確認ができない。


「とりあえず、こんなところじゃ、話が進まない。俺についてこい」


冷静に淡々と話を進める目の前の猫に従うほかない。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ