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385話 王配殿下の考え


「なんで、そう思ったのか聞いてもいいでしょうか?」


ズバリと言い当ててくるには、理由があるのか…?


「あぁ、石を持ち帰ったタイミングが婚約発表の時だったことが理由かな。満月というのは、一定の間隔で来るものだ。シンが、月の約束の謎が解けていたのだとしたら、すぐにでもその場に向かうだろう。でも、タイミングはあの時だった。」

「長らく向き合ってきた課題に対して、唐突に閃くことはありますよ?」


「いや、ここまで一人で向かい合ってきた物に対して、唐突に閃くことはそうそうない。シンは、焦っていた。俺に詳しく聞きに来るかと思っていたが、そうではない。ならば、誰かが助言したと考えるのが自然。そして、シンが良く会いに行っていた、君たち二人だと考えるのが妥当だと思ったわけさ。どうかな?」


いや、正解も正解。

シン王子、貴方のお父様には筒抜けみたいですけど。

「すごいですね…」

「伊達に、あの子の父親をやっていないよ。」


いやいや、シン王子に限らずアスガルさんに対してもその観察眼はしっかりと発揮されていましたよ。

なので、父親とはあまり関係がない気もしますが…


「まさか月の約束が、こんなに早く外から来た人に暴かれるとは思わなかった。」

「なんだか、すみません。」

「いや、私は嬉しかったよ。プティテーラのことをよく知らないと分からないことだ。そこまで、プティテーラと向き合ってくれている異世界の人がいると思わなかった。」


気になることをそのまま放置するのは、なんだか気持ちが悪かった。

ロマンスの真実というのも気になったし。

興味をそそる話だと思うけどな。


「ここからが本題なんだけど、そのことに関してお礼を言わせてもらいたい。」


なんで?


「シンを導いてくれたこと、感謝している。それに、真実を知って静観してくれていることもだ。」


お礼…お礼ってそういう事か。

本当にお礼だったよ。


「あのままだと、シンは素直になり切れず、大事な人を失う所だった。私たちも、シュルーク家もシンと令嬢の不幸は望んでいなかったんだ。ただ、令嬢の決意とシンの曖昧さがちょっとだけ変な方に向いた結果、クラト君と令嬢の婚約が行われてしまった。本当に発表されていたら、取り返しがつかず、クラト君と令嬢は婚約していただろう。」


確かに、シン王子もアルビナ令嬢も頑固だった。

あれ、ちょっと待てよ。

シュルーク家が、アルビナ令嬢の婚約を望んでいなかったとすると、今回の婚約を推し進めたのって、アルビナ令嬢ってことにならない?

アルビナ令嬢が朝に私たちの宿泊場所に訪れた時、あまりにも決意が固そうだったから、そんなに周りに後押しされているのかと思ったけど、もしかして、シン王子を試していた?

おいおい、もしかして、一世一代の大博打をしたと言う事?

シン王子、貴方は今後アルビナ令嬢の尻に敷かれることでしょう。

でも、頑固なシン王子のことだ。

それを知ってたうえで、アルビナ令嬢との約束を果たすことにしたんだろうな。


「静観については、すぐに気が付いた。君たちが帰って来た日。その噂が全く広がらなかった。それだけで、君たちが月の約束の真実を周りに言うつもりがないことが分かった。」

「言うつもりがないと言うよりは、言ってもいいタイミングが来た時に効果的に伝えたいと思いました。今、月の約束の真実を告げても、あの美しい場所は守られない。」


きっと、宝石欲しさに荒らされてしまうだろう。

だから、シン王子があの場所をどう扱うか、考えてくれる。

その時まで言う必要はないと思った。


「それにだ。せっかく令嬢のために戻ってきたシンを邪魔しては悪いだろ?」

「そうだよね。アルビナ令嬢もシン王子も念願かなって、ようやく婚約だもんね。邪魔したら、一生何か言われそうだよ。」

「それは嫌だな…」


ネロもなんだかんだシン王子と仲がいいし、二人のことを気にしてたもんね。


「息子はいい友達を持ったね。ありがとう。」


シン王子と友達か…

なんだか照れくさいけど、嬉しいかも。

読んでいただき、ありがとうございます!


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