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376話 とぼけているけど、共犯だからね?


気迫溢れる姿で、ずんずんと近づいてくるブラーさんに恐怖を感じ、足を一歩引く。

だが、後ろは後ろで、怖い上司が笑顔で待ち構えているため、どうにもならなかった。

仕方なく、ブラーさんとクラト公子が目の前に来るのを待つ。


「どうかしたんですか?ブラーさん。」

「どうかした?じゃないよ。」


プンプンとしているブラーさんに、首を傾げる。

私は、なぜこんなにプンプンとされているのだろう?


「あの記憶にないんですが…」

「あ、マズイ…」


ブラーさんは何かに気が付き、私の目の前からクラト公子の陰に隠れる。

暗殺者にでも追われているんですか?


「あぁ…俺が説明するな。チヒロにこのパーティで頼みごとをしただろ?」

「そうですね。何か問題でもありました?」


しっかりとその役目を果たしたと思うんだけど、何か不備でもあったのだろうか?


「いや、問題というか…ボトルのことを聞きにいろんな人がブラーの元に訪れていると言うか…」

「いいことですよね?」

「あぁ、販売する側としても、買い求めに来てくれるのはいいことなんだが、人数が凄くて…」


クラト公子が苦笑して、そっとある方向に指を指すと、そこにはキョロキョロとあたりを見回すどこかのご令嬢や、どこかのご令息たちがいた。


「ブラー様は、どちらに行かれたのかしら。」

「ブラー様、必ず捕えてみせますわ。」

「まだこの辺にいるはずだ。探せ。」

「重要な情報を持って逃走中だ。」

「捕まえたら、吐かせないといけないことがたくさんあるな。」


え?

なんか物騒。


「ブラーさん、何か無礼でも働いたんですか?もしくは、誰か殺りました?」


こそこそと隠れるにふさわしい追われ方をしていて、なんだか面白いんですけど。

言葉だけ聞くと、ブラーさん本気で追われていて、その後、牢屋にでも入れられて拘束でもされるのではないか…という勢いである。

ブラーさんを追う令嬢と令息たちは、目がさながらハンターと言ったところか?


「無礼なんて働く訳ないでしょ。むしろ、今の状況の方が無礼なんだけど。僕は一応、火の一族の者なんだよ。」


探し回っている人たちから隠れるように、こそこそとしつつ、私の方を盛大に睨んできている。


「ブラーは、こんな状況だし、何とかブラーを救出して、今は逃げているところだ。」


ブラーさん、おつかれ様です。

それにしても、シン王子とアルビナ令嬢の登場が、まだだからと言って、プティテーラの令嬢子息は自由過ぎないか?

まぁ、今は自由時間かもしれないけど。


「それで、チヒロになんでこんなことになったか聞きに来たんだよ。どうせチヒロが何か言ったんでしょ?」


何かって、何が?

一異世界民が、他の世界のお貴族様たちを動かすほどの何かを持っているわけがないでしょうが。


「ネロ、チヒロが何かしてくれたのは知っているでしょ。一体何をしたのかな?」


それ、褒められてる?

何かしたって、してって頼んだのそっちじゃん…とは、文句が言えなかった。

もしかして、スッとぼけた振りして、ブラーさんの方に誘導したのがバレた?


「…そうだな。」


ネロも共犯だからね。

ネロもブラーさんの方に促したんだから、ネロも共犯だからね。


「そういえば、ブラーの商品を大勢の前で説明した後、ブラーはこの会場に着いているのかと、聞いてきたな。」


ねろぉぉぉぉぉぉ!

それは、言っちゃダメなやつでしょ?


「へぇ…それで?」

「それだけだ。ただ、あとはブラーさんの方に行くからいいでしょ…にっこりと言った感じだったな。」


ネロ、その口を閉じよ?


「それを言うなら、ネロだって、私の言葉に、そうだなとか言って同意していたじゃない。」

「事実に対して、同意することの何が悪い?」

「私も事実確認をしただけだし。この素敵なボトルを作った、かのお方は、もうこの会場に来ているんだっけ?って、突然、疑問に思っただけだしぃ。」


ネロも一緒にニヤニヤしていたんだから、絶対に逃がさん。

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