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357話 珍しい出来事に遭遇したみたいです


無事、カナリスに帰還して、ラックさんのいる観光案内所に気球を返しに行く。


「ただいま戻りました。ラックさん、気球ありがとうございました。」

「おぉ、帰って来たか。おかえり。」

「おかえりなさい。」


ラックさんだけだと思っていた、ナトゥラの観光案内所には、もうひとり。


「ルアルさん?どうして、ナトゥラの観光案内所に?」

「私の今日の仕事は終わったので、こっちで皆さんの帰りを待とうかと思いまして。そうしたら、ラックが中に入れてくれたんです。」

「さすがに、外で待たれたら他の観光客が驚くだろ?だから、中で待ってもらってたんだ。」


ルアルさんがここにいると言うことは…


「ルアル、こっちにいたんだな?」


ヘタレを隠したカッコつけのクラト公子が登場する訳で。


「クラトもお帰りなさい。どうだった?クラトはあまり新鮮味もなかったかな?」

「いや…ナトゥラの案内は、新鮮なことばかりだった…」


ルアルさんの問いかけに、クラト公子は顔をゲッソリとさせた。

まぁ、クラト公子からしたら、あり得ないことが連続で起きて、気持ち的に大変だったのだろうな。


「へぇ、公子にもまだ、ナトゥラの知らないことがあるんだな。」

「クラトでも新鮮に感じることって、いったい何があったの?」


興味を示したラックさんと、聞きたいと言う気持ちが顔に書かれたルアルさん。

クラト公子は、二人の顔を交互に見て、それから、私とネロの方を見た。


「言ってもいいのか?」

「別に、私が特別何かをやったわけでもないので。」

「俺もかまわない。特に問題はない。」


きっちり私たちに許可を取るあたり、クラト公子は真面目なんだから。

私たちが困ると言うよりも、プティテーラで何か問題がなければ、正直、好きにしてくれていいのだ。


「天の使いにあったんだ…しかも、六枚の翼を持つ。」

「えぇ?」

「まじか?」


ポツリと言うクラト公子に対して、ルアルさんとラックさんは、目を丸くしている。

そんなに珍しいことだったのですか?


「天の使いの群れが気球に近づいてきたんだ。翼の枚数がいろんな数の。」

「見るだけでも珍しいのに、群れ?」

「六枚だけでなく、他にもいたのか?」


おぉ…凄い驚きよう。


「それだけじゃない。」

「まだ何かあるの?」

「天の使いだけではなくてか?」


そして、凄い勢い…


「ホワイトムーンウルフの群れに遭遇した。そして、他の動物たちも気球に寄ってきていた。さらに、ホワイトムーンウルフにチヒロとネロは、触った。」


熱く語るクラト公子に対して、ラックさんとルアルさんは、目を丸くしたまま言葉が続かないみたいだった。


「…ホワイトムーンウルフは、野生なのよ…危険じゃない。」


そして、何とか絞り出したかのように言った言葉は、私たちを心配する声。


「俺もそう言ったけど、ホワイトムーンウルフが撫でろと言っているように見えてしまって…それで、いいと言ってしまった。だって、しかたないだろ?あんな目で見られてみろ。ダメだなんて言えるはずがないだろ。」


あぁ…つぶらな瞳×三ね。

私、ネロ、ホワイトムーンウルフ。


「何事もなくて良かった。」

「そうね。」


クラト公子の切実な言葉に、ラックさんとルアルさんは、哀れな目を向けている。


「それにな。ホワイトムーンウルフだけじゃない。とにかく動物が周りに居すぎた。あんな光景は、初めてで俺もどうすればいいか分からなかったんだよ。」


クラト公子、戸惑っていたもんね。

野生ってなんだっけ?って。

哲学チックで私は好きだけど。


「すごいわね。滅多に見れる動物たちじゃないのに。なのに、動物たちから寄って来て、さらに触って帰ってくるなんて。」

「私というより、ネロが動物たちにモテモテでした。私は、ネロのおこぼれを貰ったに過ぎないです。」


私がそう言うと、ネロは大したことはしていないと言った風に、鼻で笑った。

まぁ…ネロにとっては、本当に何でもないことだったのかもしれない。

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