337話 価値を生み出す意味の経営戦略?
「じゃあ、他にはどんな手段があるのさ。」
売り手が出来る価値創造。
そうだなぁ。
「ウエディング戦略はどうでしょう?」
「ウエディング…戦略?」
「なんだ、それ?」
プティテーラでは、結婚する時に指輪を絶対に渡すと言う風習がないから、そんな話が通じるとは思っていなかったけれど。
シン王子とアルビナ令嬢は、ティアラだったし。
「これも私の世界での話なんですけど、私の世界では結婚式に、大体の人が指輪の交換というイベントを行うんです。」
「指輪の交換?なんのために?」
ネロもこれには首を傾げている。
異世界には、結婚と指輪がうまく結びつかないのだろう。
「ネロには、前に話したことがあったと思うんだけど、私の世界ではプレゼントをする物によって、その裏に意味があるです。」
「裏の意味?ただプレゼントをすることに、深い意味があるのか?」
これは、また一から説明のやり直しかな…?
私は、前に話した、プレゼントの意味、手首、足首、首…そこ他、身につける物は、無意識にこういった意味で送られることがある…という説明を二人にした。
まぁ、アピさんやファイさんに話したとき同様に、思った通りクラト公子とブラーさんは、顔を青くさせていたけど。
「チヒロの元居た世界は、好きな相手へそんなに拘束具を送って、何がしたいの?飼いたいの?」
「いや…そう言った愛で方も世の中にはあると聞く。生涯を誓い合った相手でも、そう言った嗜好になることは、否定しない。それぞれの愛し合い方があるんだろう。」
人間を飼うと言わないでほしい。
別に拘束具を渡してるつもりも、ないんだから。
やっぱり、私の世界の印象は悪くなったわけだ…
解せない。
「あの、あくまで裏の意味と言ったでしょう?そんなつもりで送っているわけではありません。」
「でも、裏だとは言え、意味があると言うことは、そういう事なんだろ?縛りたいんだろ?」
どうして、そんなに怯えているの?
誤解を解くのに必死な私を見て、ネロは隣で大爆笑。
「あくまで、そう言った意味もあるかもしれないね…という一般論です。本当に縛り付けたいかどうかは、本人たちにしか分からないことですって…」
「まぁ、仕方ないんじゃないか?異世界で手首や足首、首元に何かを付けているとなれば、動きを拘束する、本物の枷ぐらいしかイメージがないんだろ?」
それは、そうだね。
イメージとは、そういうものだろうし。
「でも、現在この世界では、奴隷と言った制度はないですよね?」
「昔はあったが、今はない。」
よかった…
それがあると言われてしまったら、どうしようもなくなっていたから。
「話は逸れに逸れましたが、二つ目の価値創造について。それは、意味付けです。それが何のためにあるのか、どういう意図で作られたのか。それを、宣伝として盛り込むんです。指輪に意味を持たせるように。ちなみに私たちの世界では、婚約指輪をエンゲージリング。結婚指輪をマリッジリングと言います。そして、どちらもダイヤモンドという宝石をあしらわれることが良くあります。」
「質問なんだが、指輪を渡すことはとりあえず、置いておいたとして、なぜ二回も渡す?そして、なぜダイヤモンドなんだ?」
クラト公子、ごもっともな質問ありがとうございます。
「それは、用途の違いですね。エンゲージリングは、婚約…プロポーズの時に渡すものです。華やかであり、それはもう一目見て魅かれてしまう代物を渡すことが多いです。派手さのある婚約指輪は、周りの目も惹きますしね。逆に、結婚指輪はシンプルなものが多いそうです。理由は、実用性ですかね?ゴテゴテとした派手な指輪は、日常的に付けるのは難しいでしょうし。」
まぁ、私も貰ったことがないから、知らないけど。
指輪の話は、経営の方面では、結構有名なんだよね。
価値の創造についての話は、特に。
「話は分かったけど、それのどこが戦略なの?お客さんの需要を満たしているだけだよね?」
「はい、需要を満たしている…それが、面白いとこなんですよ。」
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