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319話 謎のドームアート


クラト公子に連れられて、一軒の家にたどり着く。


「ここだ。おーい、ブラーいるか?」


ブラーさん?


「なに??うるさいよ、クラト。」


家から出てきたのは、中性的な男性。

服はメンズだけど、ひらひらとした飾りの多い、洋服。

似合ってるなぁ。


「よ、ブラー。客を連れてきた。」

「客?この人たちどっかで見たことある気がする…」

「あぁ、コスモスの職員。パーティにいたよ。」

「あぁ、パーティで女王の前でこけてたやつ。」


そんな不名誉な覚えられ方ってある…?

もしかして、あのパーティに参加している人たちに、そんな覚えられ方してるの?


「どんまい。」


あのパーティ、凄く頑張ったのに。

頑張った記憶よりも、転んだ時の方が、インパクトがあるのかぁ…

悲しい。


「それで?僕に何の用なのさ。」

「ドームアートでもやろうかと思って。」


ドームアート?

クラト公子、ガラス細工って、言ってなかったっけ?


「そ、俺のおススメ。プティテーラのお土産に今後なっていくであろう物。」

「ドーム型のガラス細工ってことですか?」

「言ってしまえばそうなんだけど、アレンジ次第では無限の可能性だと、そこのブラーは言っていたぞ。」


へぇ、無限の可能性。


「ちょっと?僕の名前を勝手に教えるのはいいけど、紹介くらいしろよ。

「あぁっと…してなかったっけ?」

「してない。」


なんだろう…この人、ハリネズミみたい。


「チヒロとネロもすまん。こいつは、ブラー・ナール。火の一族のやつ。」

「なに?その雑な説明は?」

「それで、ブラー。こっちが、コスモス職員のチヒロとネロね?」

「僕を無視するなぁ。」


なんだろう。

愛すべきツンツンキャラだぁ。

クラト公子の方が流すのがうまいんだろうなぁ。


「なに?」

「あぁ…申し遅れました。チヒロです。そして、こっちがネロ。」

「ネロです。」


ブラーさんは、何も言わずじっと私たちを見てきた。

な、なんだろう?

何かしてしまっただろうか?


「ふーん。まぁ、いいんじゃない?」


観察されていたのか…


「それで?ドームアートだっけ?」

「そう。何かお土産になりそうな、モノづくりの品がないかとなってな。ドームアートは、飾るにもプレゼントするにも綺麗だろ?だから、ここに連れてきたってわけ。」

「クラトにしては、なかなかセンスがいい。分かってるじゃん。じゃあ、僕は、この二人にドームアートのすばらしさを教えてあげればいいんだね?」

「いや…普通に、作り方を教えてやれよ。」


クラト公子って、やっぱりツッコミ役が向いているんだよ。

私の所に朝早くから来て、ボケ倒すよりも、シン王子や、ブラーさんのように振り回す人たちがクラト公子を振り回し、ツッコんでいく姿の方が似合っていると思う。


「チヒロ?」

「はい?何でしょう?」

「何か、不本意なことを思われたような…」

「気のせいでは?」


この人、なんかのセンサーでもついているの?

怖すぎるんだけど?


「じゃあ、さっそく、ドームアートする?」


大変申し訳ないんだけど…


「ドームアートってなんでしょうか…」


そもそも、ドームアートなんて初めて聞いた言葉だけど。

名前も知らないけど、多分見たこともない。

じゃあ作ろうとなっても、絶対に作れない自信がある。

なんでかって、見た目を知らないから。


「そこから説明がいるのか…」

「面倒くさくなるなって。チヒロが、ドームアートを楽しんで、コスモス観光部に広がれば、ここのドームアートも盛り上がる。なんていったって、チヒロとネロは、観光職員だからだ。」

「は…そうすれば、僕は玉の輿に乗れるかもしれないってこと?」

「…そうそう。」


ちょっと待って?

今の話から、なぜ玉の輿?

そして、クラト公子。

最後に面倒くさくなるなって。

ツッコんで、あげてよ。


「いいでしょう。僕が教えてあげるよ。」


そして、この子は清々しいほど、現金な子だな?

本人たちの前で、絶対に言っちゃいけないことが聞こえてきたよ?


「ほら、早くして。僕は暇じゃないんだから。」

「大丈夫。ブラーは、大体暇だから。」


どっちが。本当なんだろう?

見ていて面白いから、別にいいけど。

読んでいただき、ありがとうございます!


よろしければ、

評価、ブックマーク、感想等いただけると

嬉しいです!


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