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311話 王子たちの思い出の味


自分で作ったレベーロルチェを早々に食べ終え、次のコンジェラルチェを自分の器に乗せる。

なんか、お菓子バイキングを思い出すな。

ミシュティの時にバイキングやったよね。

コップの中には、いろんなコンジェラルチェが入っていた。

そろそろ、戻って食べようかな。

自分の席について、再びコンジェラルチェを食べ始める。

んー。

おいしい。


「それで、ナンナルちゃんは、ここに何の用があって来たの?」


そういえば、ナンナル王子って、何か用があって来たって言っていたよね。

私たちと一緒に、お菓子パーティに馴染みすぎて全然気が付かなかった。


「そうだったね。コンジェラルチェに夢中になり過ぎた。」


やっぱり、夢中になっていて、やること忘れていたんだ。

まぁ、それだけコンジェラルチェが美味しいってことで。


「デウィスリ夫人に頼みたいことがあって来たんだ。」

「さっきもそんなことを言っていたけど、どんな用があって来たの?」

「俺の頼みというか、俺は伝言役として来たんだ。」

「誰からの伝言かしら?」

「兄さんとアルビナ嬢からの伝言さ。」


その名前を聞き、顔をぱっと明るくするデウィスリ夫人。


「あらあら。今話題のお二人が私にどんな用があるのかしら。シンちゃんの頼みなんて久しぶりねぇ。」

「兄さんが直接、頼みに行けなくてすまない…って言ってたよ。」

「もう、今ちょうど忙しいんだから、仕方ないじゃない。それで、何を頼みたいのかしら?」


デウィスリ夫人が、生き生きとしているように見える。

頼まれごとが嬉しいのかもな。


「婚約パーティがあるでしょ?」

「そうね。婚約発表の時に言っていたわね。」

「そこで、パーティのお菓子をデウィスリ夫人に頼みたいんだって。」

「…私に?」

「うん。小さい頃からお世話になっていて、なにより小さい頃から知っている味。婚約パーティでは、デウィスリ夫人のお菓子が食べたいと、兄さんが言っていてね。それで、直接、兄さんが頼みに来ようとしていたんだけど、兄さんが今抜けると、困ると言うことで、俺が兄さんの代わりに頼みに来たんだ。俺もお世話になっていたからね。」

「私が…」

「どうかな?デウィスリ夫人。」


デウィスリ夫人は、ナンナル王子の言葉を聞いて、下を向いてしまった。


「デウィスリ夫人?」

「私でいいのかしら…?」

「え?兄さんは、デウィスリ夫人に頼みたいんだってさ。兄さん、会いたがっていたよ。」

「そう…そうなのね。」


顔を上げたデウィスリ夫人は、少し泣きそうな顔をしていて、でもとびっきりいい笑顔だった。


「私に是非やらせてちょうだい。」

「ほんと?ありがとう、デウィスリ夫人。」

「私こそ、ありがとう。さあ、どんどん食べてね。まだまだ、たくさんあるから。」


話を強引に逸らしたデウィスリ夫人の顔は、とても嬉しそうだった。

みんなでワイワイしながら、お菓子パーティ。

美味しいし、楽しい。

みんなでお話ししながら、お菓子を食べ進めて行き、時間も忘れて楽しんだ。


「ふう…お腹いっぱいかも。」

「それに、結構いい時間だね。」

「そうね。ナンナルちゃんは、そろそろ帰らなくて平気?」

「あー…抜けて来てるから、そろそろ帰ろうかな。デウィスリ夫人、なにか片づけ手伝う事ある?」

「そんなこと気にしなくていいから、早く帰ってあげなさい。シンちゃんたちが、待っているかもしれないわよ。」

「うーん…」


やることがあるなら、早くいった方がいいかもしれないよね。


「ナンナル王子、私たちが片づけを手伝ってから、帰るので大丈夫ですよ。」

「そうだな。最初から、そのつもりだし。ナンナル、早くいけよ。」

「分かった。デウィスリ夫人、今日はありがとう。また、連絡が来ると思うから。それから、また会いに来るからね。」

「えぇ、待ってるわ。」


ナンナル王子は、ブンブンと手を振って、部屋を出て行った。

賑やかだったなぁ。


「さて、私たちも片づけをしてしまいましょうか。」

「はい。」


美味しい物を食べた後は、きっちり片付け。

でも、心も体も満たされて、片付けもみんなで楽しくやったのだった。

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