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【第一部完結】(サークルクラッシャーの)私が旅に出ようとしたら、 いつのまにか異世界の旅行会社に就職してました  作者: キサキエム
第一章 新しい環境というのは、気づかない間に疲れていくものである
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29話 言葉の壁に阻まれた気がします


「どうですか?」


先ほどもらった翻訳機であるトラジスのピアスを身に着ける。

透き通る明るい青色のピアス。


「似合ってるわよ」


フェリシアさん!!

ショタツインズも頷いてくれてるし、アルバートさんもにっこり笑ってくれた。

ネロは…、まぁ相変わらず我関せず、ですけども。


まさか、こんな便利アイテムがあろうとは。

地球に、トラジスがあったら、外国語は勉強要らずってわけだな。

まぁ、魔力マナがないから、意味ないけど。


外国語…

地球にいるときは、すごく苦手だった。

どうせ日本から出ないし、必要ないだろう、みないなこと言ってたなぁ。

今や、日本から出るし、むしろ地球からも出てしまっているけど。


アルバートさんがピアスを外した時、何を言っているのか、ほんとに分からなかった。

急に通じなくなったことに驚いたのと、戸惑い、不安になった

異世界に来て、トラジスが翻訳してくれていたことに、感謝しかない。

異世界に放り出されて、言葉も通じないってことは、辛いなんてもんじゃないと思う。


だって、私が地球にいたとき、外国の方から道を聞かれて、うまく答えられなくて悲しくなったし、申し訳なくなった。

そういうときばかりは、外国語をちゃんとやっておけば良かったと叫びたくなる。

ちなみに、道案内はボディーランゲージでちゃんと責任もって案内したけどね。


異世界言語かぁ…

イブさんが翻訳ミスしたとはいえ、地球をティエラっていうの、なんかきれいだし、おしゃれで好きなんだよな。

さっきは、不安すぎて、それどころではなかったけど、ピアスを取ったときのアルバートさんの言葉も、きれいな音の響きだったし。


異世界の言語に興味が出てくる。

地球において外国語は、まったく駄目だったけどさ。

異世界言語は、勉強してみようかな。


なにより、言葉が通じているとはいえ、なんか壁を感じる。

企画宣伝課の人たちは、それぞれの出身の世界があるかもしれないけど、ここでは共通言語を使っているように思う。

みんな、トラジスを私の言語に設定してくれているんだろうな。

それは、今の私にはとても助かることだけど、寂しいものは寂しいのである。

私も、みんなと同じ言語を共有したい。

そう思い、私は密かに異世界言語の習得を目指すことに決めた。


「さて、いろいろ説明して、サポート品も渡したことだし、早速働いてもらおうかな」


アルバートさんの言葉に、アンジュ君とアンヘル君が書類の束を持ってきて、次々と私の目の前に置いた。

な、なにこれ?


「これが、チヒロのステータスでも行ける、旅行先の書類ね」


私は、観光者の駆け出しであるEランク。

Eランクでも、こんなに行けるところあるんだったら、ステータスを上げる必要あるかな?

もっと、ステータスを上げないと行ける場所が少ないから、どんどんステータスを上げよう、的なものだと思ってたのに、正直、今の私はステータスを上げる必要性を感じられなかった。

これ、観光部じゃなかったら、ステータス絶対に上げないと思う。


「こら。ステータスは、上げるとちゃんといいことあるのよ」


例えば??


「魔物VS魔物の戦いとか見れたり、上に行けば行くほど、スリルが味わえるわ。」


…ごめんなさい、フェリシアさん。

良さが分からなかった。

というか、フェリシアさんって結構、血の気が多いよね。


「…まぁ、観光部への貢献のためにも、頑張りはします。」

「まぁまぁ、フェリシアのことは置いておいて。

ステータスを上げると、流通課承認の幻のアイテムとか持って帰って来れたりする。

他の世界に影響しうるものって、なかなか手に入れることができなかったり、手に入れたとしても、その異世界から出すことが難しかったりするんだけど、そこも融通が利くし。

ステータスが上がっていくと、ランクが下だと入れなかった場所に入れたり。

そういう場所って案外レアアイテムが落ちてたりするんだよね。

ある意味、特典と言いてもいいと思うよ。」


レアアイテムか、それは確かに気になる。

せっかく、異世界に行くなら、その異世界ならではの物とか欲しいし。


「ステータスの話はこのくらいにして。せっかくだし、一番初めの旅行先は、この書類の中からだけど、チヒロが選んでいいよ。」


そう言われて、私は書類をペラペラとめくっていく。

それぞれの世界の特徴が書かれた紙は、見ているだけでワクワクする。


「ちなみに一応言っておくと、観光者のステータスがEランクだから、行ける旅行先もEランク評価の所って訳じゃないからね。むしろ、評価が高い旅行先の方が多いと思う。異世界旅行が初心者の人たちでも楽しめる、いい旅行先がそろっていると思うよ。」


確かに、景色の写真もきれいだし、惹かれる世界がたくさんある。

水の王国…、魔術都市…、空中帝国…魔獣の森…


そして、一つの世界が私の目に留まる。

これは、一度は誰もが、夢見た国なんじゃないか?

実際にお目にかかれるとは!


「ここにします!」


私は、その書類を取って、企画宣伝課の人たちに見せる。

そこに書かれていた場所。


お菓子の国。

読んでいただき、ありがとうございました!


よろしければ、

評価、ブックマーク、感想等いただけると嬉しいです


次回も、よろしくお願いします!

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