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283話 アルビナ令嬢過激派


「アルビナ令嬢が、シュルーク公爵夫人似なんですか?」

「あぁ…」


ん?

バルドル公爵、何か疲れている?


「ロゼはな、本当に破天荒な奴なんだ。」


…へ?

いきなり何を言い出すかと思ったら、破天荒?

そういえば、バルドル公爵って、破天荒な人が苦手じゃなかったっけ?


「間違っていると思ったら、間違っているとはっきり言うだけじゃ飽き足らず、笑いながら、グサグサと口で刺してくる。それでもだめだと思ったら、しっかり手や足が出る。」


思ったよりも、デンジャラスなんですけど。


「アルビナも自分の考えを譲らないところがあるだろ?それは、ロゼそっくりだな。今回の婚約の件も、驚きの行動力で話を進めて行った…私は、見守ると決めていたが、正直、胃がとても痛かった。」


えぇ…

アルビナ令嬢…

お父様が倒れられた原因の一種って、アルビナ令嬢の破天荒さだったのでは…

口が裂けても言えない…


「ロゼと月の女王は、仲が良いのだが、それも破天荒仲間としてだ。」


破天荒仲間って何だろう?


「トリウェアは、女王になり落ち着いてはいないが、多少マシになった。昔はひどかった…周りを振り回し放題…トリウェアとロゼが揃うと、手に負えなかったのだから。」

「バルドル公爵が破天荒な人が苦手な理由って…?」


疲れた顔をしているバルドル公爵が遠い目をしている。


「誰かから聞いたのか?そうだ。俺が、破天荒な奴らが苦手な理由は、容赦なく振り回されてきたからだ。」


この人、本当に苦労してきたんだろうな。


「でも、シュルーク公爵夫人と結婚を成されたんですよね。」

「あぁ、そうだな。」


遠い目…

え?

この人、騙されて結婚したわけじゃないよね?


「いや…同意では、あったさ。そこは心配いらない。」


何があったのだろう…

すごく気になるけど、聞いたらバルドル公爵が発狂しそうだなぁ。

機会があったら、誰かに聞いてみよう。


「あ、アルビナ令嬢の婚約が決まったこと、おめでとうございます。」


私が話を逸らそうとアルビナ令嬢のおめでたい話題に変えてみる。

すると、遠い目をしていたバルドル公爵の目がきっと吊り上がった。

え…なに?


「そうだ。おめでたいんだ。だがな、アルビナを散々泣かせた、あの王子に嫁にやると思うと、腹立たしい。それに、トリウェアがどや顔で私を見てくるのは、さらに腹立たしい。」

「バルドル公爵?」

「君たちは、アルビナともあの王子とも関わりを持ったのだろう?実際は、どうなのだ?亀裂などはないか?本当に大丈夫なのか?」


勢いが凄いんだけど…


「二人の様子を見ていると、仲良さそうですけど…」

「勘違いではないか?シン王子は、本当にアルビナを幸せにできるのか?」

「それは、分からないですけど…」

「分からないなら、婚約を認めない方がいいのか…」


ぶつぶつと呟きながら、何かを考えているバルドル公爵。

目をかっぴろげて、ぶつぶつという姿は、割と恐怖だ。


「バルドル公爵?」

「あの若造に、娘を渡していいのか悩む…だが、報告をしに来たアルビナは幸せそうな顔をしていた…任せた方がいいのか…だが、任せたくない…」


若造って…

あぁ…何か分かった。

この人は、アルビナ令嬢過激派だ。

アルビナ令嬢のことになると、頭が固くなるし、途端に性格が変わる。

シン王子は、特に婚約者候補のアルビナ令嬢と関わる機会が多いから、バルドル公爵のこのモードにあたることが、よくあるのかもしれない。

クラト公子も、アルビナ令嬢の婚約者になるくらいだから、関わりはあるんだろうな。


「アルビナ…」


妖怪かな?

このモードを、暴走モードと名付けよう。

心の中でだけだけど。

というか、話を逸らそうと思って、シン王子の話題を振ったのは、間違いだったわけだ…


「アルビナ…」


どうしよう。

ネロの方をちらりと見ると、ネロは肩をすくめていた。

え?

本当にどうしよう。

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