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266話 嵐が去った後みたいだけど…


シン王子とアルビナ令嬢が去ったことにより、これ以上パーティ会場にいる必要もないだろうということで、ナンナル王子の案内の元、セレーネギアに向かう。

わざわざメッセージまで残して、シン王子は何なのだろう?


「これで丸く収まったんですかね?」

「どうだろうね。兄さんも、アルビナ嬢もお騒がせコンビだから。」


そして、本人たちは自覚なし。

本当にお騒がせコンビである。


「これで俺の役目も終わりかな…はぁ。発表前で本当に良かった。」

「そうだよね。クラトが婚約者として発表されてたら、女性を奪われた男になってしまうもんね。」

「今だから笑える話だけど、本当に冗談じゃ済まなかったからな。」


クラト公子は、出番を待っている時を思い出したのか、顔を思いっきり歪めた。


「今回クラトの出番がなかったことで、今回のことは闇に葬り去られたわけじゃん?これで、クラトも恋に生きられるんじゃない?」

「おい…ナンナル。」


そう言えば、クラト公子の好きな人って誰なんだろう。

フレーブのお店でクラト公子が熱心に見つめているのは見たけど、シン王子いわく、思い出したんだろうと言っていたし、彼女ではないんだろうな。


「お前ら、ちょっと浮かれ好きだぞ。」


賑やかな舟の中で、ラックさんの呆れた声が飛ぶ。

ある意味、恋愛という面倒くさい、しがらみから解放されたナンナル王子とクラト公子が浮かれるのは分かる気がする。

シン王子とアルビナ令嬢のことでの巻き込まれ人であり、苦労人なのだから。

おつかれ様でした、お二人とも。


「シン王子は何の用なんですかね?二人でいろいろお話すればいいのに。」

「さあな。何か話したいことでもあるんじゃないか?」


それこそ、後日でよくないか?

今日は、二人で愛をささやき合えばいいんじゃないかな…

いや、アルビナ令嬢のあの様子だと無理かもなぁ…


「まぁ、何の用かは、行けば分かるでしょ。兄さんに会ってから、聞いてみよう。」


考えても仕方ないし、ナンナル王子の言う通りかな。


「今回はチヒロとネロにすごく助けられたと言っていた。」

「急になんだ?」


ラックさんの言葉に私とネロは首を傾げた。


「アルビナ嬢へプレゼントしたティアラを加工している時、シンがそう言っていた。俺もそう思う。月の約束については、詳しく聞かなかったが、シンはスッキリした顔をしていた。いろいろと吹っ切れたんだろうな。」

「私たちも月の約束については気になっていたので、むしろお世話になったのは、私たちの方です。」

「そうだな。いろいろ案内してもらったし、悪くなかったな。」


ネロは素直じゃないなぁ。

シン王子と楽しそうに笑っていたくせに。


「もちろん、クラト公子にも助けてもらいましたし…だいぶ良くしてもらっている気がします。」

「俺の方こそ、お願いを聞いてくれたこと感謝するよ。」


お願い…?

あぁ、シン王子とアルビナ令嬢を何とかしてほしいというお願いね。


「そのことは、あくまで流れで成しえたことなので、気にしなくて大丈夫です。それに、私の願いでもあったので。」

「それでも、俺は助かった。だからお礼を言わせてほしい。」


そこまで言われてしまうと、受け取ってもいいかなぁ…


「じゃあ、ありがたく受け取らせていただきます。」

「あぁ、ありがとう。」


クラト公子が優しく微笑むので、つられて笑ってしまう。


「ほのぼのしているところ悪いが、そろそろセレーネギアに着くぞ。」


ラックさんが舟を停める。

また、ここに来たなぁ…


「月の宮殿に来ると、何かしらに巻き込まれていたな。」

「そうだね…でも今回は大丈夫じゃない?」

「それ、フラグじゃないだろうな。」


不穏なことを言わないでほしい。

シン王子がアルビナ令嬢を連れて行って、これ以上のことなんて起こることないでしょ。


「じゃあ、行こうか。」


ナンナル王子の案内の元、私たちは再びセレーネギアに足を踏み入れた。

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