261話 婚約発表まで、あとどのくらい?
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「カップルが成立するのって、思ったよりも賑やかなんですね。」
私は、賑やかな方を眺めながら言う。
「ひっそりと、渡し合うカップルもいるぞ。ああいう風に人の前で渡し合うカップルもいるが。人前で渡し合う場合は、この人に手を出すなという牽制も込めてだろうが…」
へぇ。
牽制か。
「カップル成立があるということは、カップルが不成立のこともあるんですか?」
「あぁ、ある。元々、相手がいる人に物を渡したりする人もいるしな。」
それって、結構泥沼じゃない…?
三角関係が起こりえると言う事でしょ?
「そんなこともあるんですね…」
「社交界は、人間関係が複雑なんだよ。仮面舞踏会は、そういうとこでもグレーゾーンだしな。」
「え?グレーゾーン…?」
「相手が誰だか分からない、一夜限りの恋愛というのもあるだろ?」
あぁ、あるかもしれないし、アリだと思うけど…
身分も、立場も関係ないというスタンスだと、そうなるのかぁ。
「なら、相手がいる、いないというのは分かるようになっていないと?」
「いや、なっている。誘われない様にする対策として、仮面を逆さに付けたりしている人は、相手がいる。他にも仮面を交換済みで男性用の仮面をつけている女性や、女性用の仮面をつけている人も、もちろん相手がいることを示しているな。」
仮面で相手がいるかどうか判断しているのかぁ。
「シュルーク公爵と公爵夫人は、仮面をしっかり交換してあったな。」
こういう匿名性のパーティは、自衛も大事ということなのだろう。
「匿名性がある分、ルールもしっかり決められている。ではないと大変なことになってしまうからな。」
なるほどね。
「そろそろ、私は失礼しようかしら。」
「あれ?アルビナ令嬢は、何か用事でもあるんですか?」
「何を言っているの?この後が本番なのよ?」
あぁ…そういうことね。
「え?ということは、これから婚約発表の準備に行くということですか?」
「だからそうだと言っているでしょ。」
そこまで詳しくは、言っていません。
「じゃあ、俺もそろそろ行かないといけないですね。」
クラト公子も?
やばい、絶対にやばい。
「ナンナル王子…二人が準備しに行ってから、どのくらいで婚約発表が行われるのですか?」
「え?詳しくは知らないけど、アルビナ令嬢の衣装チェンジや、化粧などがあるはずだから、その時間が終われば、すぐにでもじゃないかな…」
女性の準備は時間がかかることを期待するしかないのか…
でも、さっきもアルビナ令嬢は、覚悟決めていますみたいな雰囲気だったし…
仮面舞踏会の内容で盛り上がっている場合じゃなくなったぞ…
「ねぇ、ネロ。」
「なんだ…?」
「シン王子は、ラックさんと何をしているの?」
「俺もそこまで、聞いていない。」
ネロも顔が引きつっている。
「それじゃあ、クラト公子。行きましょうか…」
「あぁ、そうだな。」
あぁ、二人が行ってしまう。
でも、私には止める手段がない。
二人の背中を見送って、大きくため息を吐く。
フルフェイスのアルビナ令嬢を見つけるどころか、そこに間に合わないなんて…
「ちょっと、まずいか?」
「シン王子は、必ず来ると思うけど、来た時に手遅れになっている可能性があるよね。」
「発表されてからの解消は、今回ばかりはありえないと思う。」
私とネロ、ナンナル王子で顔を見合わせ、そして無言になってしまった。
私たちが無言なのをよそに、会場中央では、また賑やかな歓声が巻き起こる。
また、カップルが成立したのかもしれない。
おめでたいことだろうけど、それは、もう置いておいてと。
ただ待つだけが、もどかしい。
どうして、シン王子に手伝いますと言わなかったのだろうか…
もしかして、ヒト手が必要だったかもしれないのに。
今更こんなことを思っても仕方ないけど、自分の不甲斐なさが嫌になった。
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