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248話 回復のマッサージ?


「復習は済ませた。準備万端だな。」


いい笑顔で言うネロを、私はとても恨みたい。

なぜって、あの足がつりそうなお辞儀をひたすらしたことにより、足がガクガク、プルプルなのだ。

ネロのスパルタにより、気合を入れてやったはいいけど…

た、立てないんだが?


「おい、大丈夫か?」

「大丈夫に見えますか?」

「そろそろパーティに行く準備をしないとまずいんじゃないか?」


話を逸らすな。

話を聞いて。

そして、私を見て。


「うぅ…」

「仕方ないな。」

「え?」


いきなり、ネロは私の足にぺたりと触れてきた。


「セクハラって言うなよ。」

「言わないけど…なに、をぉぉぉ!」


痛い、痛い、痛い!

足にいきなりよく分からない激痛が走り、私は自分の足を見る。

すると、ネロが私の足をマッサージしてくれている。

してくれているのは、いいんだけど、い、痛い。

そこまで、グイグイしなくてもいいんだよ?

優しくさするくらいでも、十分なんだよ?

セクハラしないで、なんてこと言っている場合じゃない。

足がゴリゴリ言っているからぁぁぁ。


「どうだ?」

「どうだって…」


ネロの方を見ると、悪い顔をしている。

こいつ…分かっていてやっているな。

お辞儀の時もそうだったけど、そんなドS属性だっけ?

いたたたたた…


「ど、う、だ?」

「…い、きもち、いいですけど…」

「そうか。」


私は気持ちいいといいながら、ベッドをバシバシと叩いてギブアップを伝えている。

ネロは満足したのか、私の足から手を離した。

あまりの痛さに暴れまわったことで、息があがったものを深い呼吸をして整える

疲れたぁ…


「あれ?」

「どうした?」


なんか足が楽になっている気がする…

なんで?

ネロの方を見ると、何事もないような顔でふよふよと飛んで、ベッドにポスっと降りている。

え?

もしかして、ネロが何かしてくれた?

あの痛いマッサージは耐え難いものがあったけど、終わった後は、羽が生えた様に軽いんだけど。


「ねぇ、ネロ。もしかして何かした?」


ベッドの上で横になっているネロを抱き上げ、顔を覗き込む。


「別に。まぁ、お前は、それなりに頑張っていたからな。」

「立てないかと思ったのに、すごいスッキリしてる。どんな魔法なの?」


私がしつこく問いかけたので、ネロは面倒くさそうな顔をして、大きくため息をついた。


魔力マナをチヒロの足に流して、体を活性化させただけだ。」


魔力マナの活性化って、確か、ミシュティの人たちが得意だったやつ。

活性化させて、若さを保つ。

それと同じ原理っていう事かな?


魔力マナって、ほんと便利だね。」

「チヒロの中の気が安定して、魔力マナが使えるようになれば、自分でも多少の傷や負傷なら治せるようになるぞ。」

「え?ほんと?」

「あぁ、むしろ、魔力マナを使う奴らは、大体ここから覚える奴らが多い。自己活性や、肉体強化など、便利な点が多いからな。まぁ、ミシュティの人たち程になると、また別だが。」


自己活性って、初歩中の初歩っていう事か…

それが出来ない私って…

いや、一朝一夕で出来るようになんかならないって言われているし、こればっかりは、コツコツやっていくしかない。


「でも、ネロが足を何とかしてくれてよかったよ。あのままじゃ、パーティでマナーをどうこう以前に、パーティに行くどころじゃなかった。」


足が痛すぎた。


「そうか、ならよかったな。さっさと行く準備をしたらどうだ?」

「そうだよね。」


私は、パーティに行くためにドレスに着替える。

ドレスなんていくつも持って来ていないから、初めて出たパーティとドレスは一緒。

気に入っているから、もう一度着れる機会があったことが嬉しいかも。

ルンルンとしながら、袖を通す。


「さっきも思ったけど、魔力マナって便利だよなぁ。」


軽くなった足を見て、改めて思う。


「ドSマックスだったネロが、優しさを見せてくれるなんてねぇ。……ん?」


私は、ふと動きを止めた。

魔力マナを流して、足を回復させたんだよね…?

あの痛いマッサージって、必要だったのか?

私は、急いでドレスを着て、ネロの方へと行く。


「ちょっと、ネロ!」

「やっと気が付いたか…まだまだ甘いな。」

「なにが、まだまだ甘いな…よ。」


この猫!

騙された。

騙してくれたお返しに、私はネロの頬を摘まみ、思いっきり引っ張ってやった。

読んでいただき、ありがとうございます!


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