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246話 記憶をなくした私は何をしたのでしょうか…


水団子をお腹いっぱい食べて、とても満足。

今は二人でベッドにゴロゴロとし、寛いでいる。

やることはあるけど、ご飯食べた後って、動く気にも頭働かす気にもならないんだよね。


よし…

ならば、ここでさりげなく聞いてみよう。

ここまで、どうやって帰って来たのかと。


「そういえばさ。」

「あ?」


ちょっと待って。

さりげなくって、どうやって聞くんだ?

ここまでどうやって帰って来たっけ?なんて全然さりげなくないし。

観光案内所でどうだった?なんて聞いたら、覚えてないのかよという感じじゃないか。


「なんだよ?」


話しかけて何も言わない私を、不審な目で見てくるネロ。

そりゃそうだ。

意味わからなさすぎるもの。


「あー…ナトゥラ、楽しかったね。」

「あぁ、そうだな。まぁ、寝る前にもその話したけどな。」


そうなの?

そうだっけ?

全然覚えていないんだけど。


「シン王子、どうするんだろうね。」

「あの後予定があるって言っていたぞ?」


予定?

そうなの?

私たち、その予定に付き合わずに帰ってきてしまったという事?

それでよかったってこと?


「ラックさんは…?」

「俺たちをうまく利用していたな。」


利用…

ラックさんが?

あたしたちが謝る状況は分かるけど、利用されていた状況は想像できない…

どういう事?

なにが、行われていたの…?


だめだ…

全然だめだ。

これっぽっちも情報収集になっていない。

それに、話も全然つながらない。


あれ…私ってどこまで記憶があるんだろう。

段々分からなくなってきた。

もしかして、記憶があるかもと思っているところも、夢だったりする?

いや…観光案内所にはどうやっても帰らなきゃいけないし、観光案内所に着けば、ラックさんはいるはずだ。

ここが夢なはずない。

チヒロ、自信を持っていいぞ。


「もしかして、覚えていないのか…?」


いやぁぁぁ。

このセリフは、こんなにも言われたくない言葉なのか…

何をしたんだ、寝てしまう前までの私。


「いや…覚えていないわけではないんだけど?どんなことがあったのか改めて確認しておいた方がいいと思って?」

「覚えていないんだな。」


…そこは、流してくれよ。


「そうか…覚えていないのか。」


ネロは、私を見てニヤニヤとしだした。

こいつ…楽しんでいる。

私は、記憶がないことに苦しんでいるというのに。


「ち、ちなみに何があったのかな?」

「ちなみに、どこまで覚えているんだ?」


全く逃がしてくれそうもないネロさん。

なんか、ドSスイッチ入っちゃったかい?


「えっと…観光案内所に着いて…そして、ラックさんに会ったところまでは覚えているんだけど…」

「お前、そんなところから記憶がないのか?」


そうだよ。

そんなところから記憶がないんだよ。


「なら、観光案内所内での話も覚えていないのか?」


やっぱり観光案内所内で何か話しているはずだよね。

そうだよね。

ただ、気球を返して終わりなはずがないよね・

ちょっとボロッとした気球を返却したわけだもんね。


「…やっぱり、ラックさん、怒ってた?」

「本当に覚えていないんだな。」


なに?なにしたの?

ラックさん、そんなに怒っていたの?


「じゃあ、チヒロが何を言ったのかも覚えていないってことか…」


ネロがニヤリと笑い、意味深な言い方をする。

おいおい、そんな言い方しないでよ。


「面白かったぞ、チヒロ節という感じが。」


なに…チヒロ節って。

でも、ネロがこう言うということは、暴走して何かを言ったのだろう。

眠い時の暴走は、想像以上に恥ずかしいことをしている可能性がある。

だって、それは経験済みだ。

懐かしい記憶がよみがえるなぁ…

観光部の入社試験のレビュー文…

小学生の感想文のように、楽しかったなぁって書き綴ったこと。

もしかしたら、小学生の方がもっと情報のある文章を書くかもしれない…

忘れていたのに、思い出してしまった。

あの時を知っているネロが、チヒロ節というのであれば、ああいう事が起きたのだろう。


「すみません…何をしたのか、教えてもらってもいいでしょうか?」


どうしても思い出せないけど、何をしたのかは知っておかないと怖すぎる。

そう思い、ネロに詳細を聞いた私は、チヒロ大暴走に悲鳴を上げ、ベッドに倒れこむのだった。

読んでいただき、ありがとうございます!


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