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244話 帰ったら、終わってしまう気がしたけど…


私の失言により、ようやく話の決着がつく。

不本意だし、結局何の話をしていたのか分からなくなった。

あぁ、ラックさんに、気球を壊したこと謝っていたんだっけ…


「チヒロ達は、この後はどうするんだ?」

「そうですね…うーん。」


うーん。

うまく頭が働かないなぁ。

夜までまだ時間があるし…


「俺たちは、一度アルカンシェルに帰って、寝る。」


え?

そうなの?


「夜まで時間があるしな。この後の予定も特にないし、一回休んでおきたい。」

「あぁ…そうした方がいいかもな。」


え?

シン王子もそういうこと言う?


「シン王子はこの後どうするんですか?」

「俺は、この後ラックとやることがある。」

「え?俺?」


ラックさん、驚いていますけど?

全く聞いていないと言った顔していますけど?


「私たちは、何かお手伝いすることありますか?」

「いや、ここまでで大丈夫だ。あとは、俺がやるさ。ありがとうな。」

「いやいや、俺は?」


そうか。

なら、私たちは帰った方がよさそうだな。

何をするのか分からないけど、シン王子にも何か考えていることがありそうだ。

私たちは、夜、楽しみにしていればいいのかな?


「夜に、また会おう。」

「分かりました。しばらく、お別れですね。」

「そうだな。」


うーん…

帰るのかぁ…


「おい、チヒロ。帰るぞ。」

「ん?うん…」


家に帰るまでが、とよく言うけどアルカンシェルに帰ったら、終わってしまうと思うと途端に寂しく感じる。

ここに着くまで…

いや、シン王子にあとは大丈夫と言われるまでは、早く帰って寝たいとか、すぐ寝れるとか思っていたのになぁ。

人の心は難しい。

もう、いいって言われるとなんか違うんだよなぁ。


「チヒロは大丈夫か?」

「いや、頭が働いていないだろうな。」

「眠いんだろうな。」

「もしかしたら、半分寝ている可能性もある。」

「聞こえてるよ?」


頭は…働いていないかもしれないけど、しっかり聞こえてはいるんだから。


「チヒロは、本当に大丈夫か?ポヤポヤしてないか?」

「こいつ、昨日から一睡もしていないんだよ。」

「そうだな。俺とネロ、二人を寝かせて、結局自分は寝てないだろうな。」


そうだっけな?


「というわけで、こいつは連れて帰る。」

「送るか?」

「大丈夫ですよ。帰るくらいはできます!シン王子もこの後予定があるみたいですし、私は大人しく帰ることにします。」

「チヒロに聞いたわけではなかったんだが…」


よし、ネロ。

帰るぞ。


「チヒロが帰る気になったみたいだから、帰るな。」

「私が帰る気がなかったみたいな言い方だね。」

「違うのか?」


別に違うけど??


「気を付けて帰れよ?」

「シン王子も、後の仕上げ?ですかね。頑張ってください。」

「あぁ、任せろ。チヒロとの約束も果たすよ。」

「楽しみにしています。」


シン王子の顔を見ると、何か考えるがあるみたいだ。


「ネロ、帰ろうか?」

「あぁ、帰ろう。」

「それでは、お先に失礼します。」


シン王子とラックさんにお辞儀をして、観光案内所を後にする。


「楽しかったね。」

「そうだな。」

「月の約束って本当にあった訳じゃない?でも、今夜その結末が私たちにとっては、月の約束の結末になる訳でしょ?楽しみだね。」

「その前に、その頭がふわふわした状態をどうにかしないとな…」


そうだよねぇ…

滞在期間にずっと関わってきた、シン王子とアルビナ令嬢。

そして、クラト公子にもお世話になったし…


「みんな、幸せになってほしいなぁ…」

「…そうだな。」


やばい…本当に頭の中がふわふわしてきた。

このままでは、途中で寝落ちかねない。

ネロは、舟を借りてくれたみたいで、それでアルカンシェルを目指す。


「舟の中だったら、寝てもいいぞ。」

「ん…じゃあ、寝ようかな…」

「あぁ、俺が起こしてやるよ。」


そっか…


「じゃあ、よろしく…」


私は、舟に乗り込み、座ったとたんに眠気がドバっと訪れ、そのままフワフワとした感覚に身を委ね、眠りへと落ちて行った。


「おつかれ」

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