表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
226/953

222話 滝の下は地獄の釜茹?


長い、長い道をひたすら歩き続けた。


「ありましたね。」


地下にまで流れ落ちる炎の水。

地上では、光の反射で炎の様に見えていたらしいけど、地下でも燃えるような滝に見えているのはなぜだろう。

赤く燃え盛る炎の滝は、マグマのように色を付けて下へと流れ落ちていく。


「…あれ、ほんとに水ですか?」

「バンシャラールの滝は水のはずだが?」

「滝つぼらしきところは、ぐつぐつと煮立っているように見えるけどな。」


あれは、お湯…?

もしかして、沸騰しているのか?

湯気が立ち、あたりも白くなっている。


「地獄は、これを例えていたのでしょうか?」

「いや、炎の滝はその通りかもしれないが、沸騰する水は地獄とは関係ないだろ。」


私の所には、熱々の鍋釜みたいなのがあったような気がするけど…

プティテーラで知られていないのであれば、関係ないのかな?


「じゃあ、炎の滝は地獄を表しているものの一つであり、クヴェレ殿下が言っていた、進むは地獄の目印にはならないと…」

「ならば、まだ長い道の最中ということだな。」

「進むしかないな。」


進むと言っても、目の前には炎の滝があってどうにもならないと思うんだけど。

でも、今まで一本道だったしなぁ。

道が変わるのであれば、クヴェレ殿下が目印に何か言い残しているはずだし…

なら、まっすぐに進むだけなんだろうけど。

目の前の炎の滝をいろんな角度から観察してみる。

改めてみると、ほんとに炎が上から流れ落ちているみたいなんだよね。

ここには、光の反射などないはずなのに、どうやって…

むしろ、水自身がマグマのように発光しているようにすら見える。


「あ…」

「なんだ?」

「この炎の滝のサイド、人が通れそうな感じしませんか?」


目の前は、滝だが、滝の両サイド。


「ほんとだな。滝の裏側が通れるようになっている。」

「またもや、熱々の滝スレスレの裏側を通ることになりそうですね。」


これホントに燃えてないよね。

お湯も嫌だけど、炎はもっと嫌だけど?


「行くぞ。」


ですよね。

分かっていますけど。

シン王子は、炎の滝の横から、滝の裏側へと行く。


「シン王子、大丈夫ですか?」

「跳ね返ってくる滝の水が熱い。」


そりゃそうだよ。

めっちゃ湯気立ってるし、グツグツしてるもん。

これで熱くなかったら詐欺だ。


「どうですか?通れそうですか?」

「通れないこともない。」


なるほど。

微妙ということですね。

多少の犠牲は覚悟しろってことかな?


「あ!」


滝の裏から、シン王子の大きな声が聞こえる。


「シン王子?どうしました?怪我しました?火傷しました?大丈夫ですか?」

「落ち着けよ…」


シン王子が先に行ったのって、失敗だったんじゃない?

むしろ、王子をなぜ先に行かせてしまったのだろう…

王子に何かあったらまずいでしょ。

自分の身に何かあるのも嫌だけど、シン王子の身に何かあるのは、マズイ。


「ネロは、なんでそんなに落ち着いているの?」

「今の声は、シンの身に何かあった時に出るような、とっさの声じゃないだろ?」


…そうだっけ?


「何か発見した時の、声じゃないのか?」


発見?


「滝の裏側に何かあるっていう事?」

「可能性はあるだろ。」


シン王子は、先ほど声を上げてから何も言ってこない。


「シン王子?大丈夫ですか?」


返事なし…

え?

ホントに無事?


「シン王子、無事なら返事してください。」


大きな声でシン王子に呼びかける。


「滝の音のせいで声が届いていない可能性があるな。」

「さっきは聞こえたけど?」

「横から辛うじてだろ?」


えぇ…

ホントに?

結構大きな声じゃなかった?


「シン王子からの返答はなく心配だし、後を追おうか。」


それに、この先に何があったのか、気になるし。


「そうだな。」


私とネロは、シン王子が行ったように、炎の滝の横から、滝の後ろを通ってシン王子を追いかけることにした。

読んでいただき、ありがとうございます!


よろしければ、

評価、ブックマーク、感想等いただけると

嬉しいです!


よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ