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196話 食にこだわりはありますか


「シン王子、ナトゥラには、何を持っていきますか?」

「何をと言うと?」

「食べ物ですよ。」


備えあれば憂いなし。

と言うことで、太陽の街で揃えられるものがあれば揃えてしまおう。


「食べ物?あぁ、俺は、カップ麺や缶詰をカバンに入れていったな。」


カップ麺。

ナトゥラに行った時も食べさせてもらったけど、美味しかった。

体に良くはなさそうなスープまで啜った後の罪悪感と背徳感と言ったらないよね。


「前も思ったんですけど、シン王子ってカップ麺好きなんですか?」

「好きかどうかはともかく、手軽でいいだろ?お湯を注げば出来上がるなんて。俺はそこまで、食事に関心がある訳ではないから、時間がうくのであればなんでもいい。」


王子がそんなこと言っていいのか…?

食事はマナーであり、貴族の嗜みだと思っていたけど、シン王子を見てみると現実はそうではないのだろうか?

ラーメンを啜っている王子を王族に夢を抱いている人が見たら、倒れてしまうんじゃないか?


「ラーメンはびっくりしますって。夢壊れますって。」

「あぁ?それは、食うだろ。どんな夢だ?」

「王子様は、ふわふわしたお菓子を食べて、トイレにもいかないし、匂いもいい匂いという女の子の夢ですかね。」


私が地球にいた時、王子様と言ったらこんな感じと言うのを思い出しながら、しゃべっていると、シン王子とネロは、顔を引きつらせた。


「どんな夢だ。俺はラーメンを食べるし、トイレにもいく。トイレで用を足すし、尻からいい匂いもしない。どんな人間なんだ?トイレに行かないとか病気になるぞ…」

「あまりにも怖い夢だな。」

「ちなみに私の世界では、王子様、お姫様、アイドルはトイレに行きません。」

「どんな世界だよ。怖いぞ。」


まぁ、トイレに行かないというより、トイレに行くイメージがないだけなんだけど。

シン王子とネロの反応が思ったよりも良すぎて、ちょっと盛ってしまったなぁ。


「アイドルと言うのは、なんだ?」


プティテーラには、アイドル文化がないのか。


「アイドルと言うのは、歌って踊って、人を楽しませるためにカッコ悪いこともやって、モデル…服を着て写真を撮ったり、雑誌にコメントが載ったり…芝居をしたり…」


アイドルって何?って聞かれると、こうですという答えを持ち合わせていないけど、やっていることを上げると、いろんなことをやっているなぁ。

アイドル凄い…


「職業がアイドルと言うのもなのか…何でもやっているな。」

「そうですね…まぁ、アイドルのことは置いてもらって、現実ではちゃんとトイレにも行ってますから安心してください。」

「こんなにトイレの話が長引くと思わなかった。」


シン王子は、私のトイレ連呼にゲッソリしていた。

私も、トイレの話題でこんなに盛り上がると思わなかった。

トイレの話題…?

何の話をしていたんだっけ?


「ナトゥラに何を持っていくかの話だろ…」


そうだわ。

こんなトイレの話をしている場合ではないわ。


「カップ麺、買いに行きます?」

「太陽の街のおすすめのカップ麺は、フルーツ麺だぞ。」


ゲテモノ?

ゲテモノカップ麺なのか?


「疑った顔をしているな。これがうまいんだよ。」


シン王子、カップ麺の通じゃん。

太陽の街のおススメのカップ麺ってなに。

他の街にもおススメのカップ麺があるって言うこと?

マニアじゃん。


「ほかの街にも魔水魚を使ったカップ麺もある。」

「シン王子って、カップ麺のこと詳しいんですね。」

「あぁ、俺が時短で手軽に食べられて持ち運べるものを作ってもらったからな。それが、プティテーラの人たちにも好評で、今やいろんなカップ麺が出来た。」


あなたが作らせたんかい。

それは、シン王子のためにいろんな味が出るわけだ。


「ナトゥラに行くときは重宝している。」


でしょうね。

シン王子のためのカップ麺だったのだから。


「ナトゥラには、カップ麺を持っていくだろ?」


この人、食にこだわりがない人じゃない。

カップ麺にこだわりのある人だ…


その後も、カップ麺についてシン王子は語り続け、それを聞きながら私とネロは、ナトゥラに行く準備を整えるのだった。

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