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153話 立場の違い、想いの違い


気球がある程度上昇し、安定する。


「さて、質問タイムでもするか?次の目的地まで。」

「いいんですか?」

「あぁ、さっき約束したしな。」


んー

私の知的好奇心も満たしたいけど。

聞いておくべきことがあるんだよなぁ…

ただ、聞いていいものなのかな…


「あの、聞いていいか分からないのですが…」

「とりあえず、聞いてみたらどうだ?」


シン王子は、ニヤリと笑った。

そうだよね。

聞いてみてダメなら、私とネロが個人的に調べればいいだけだもんな。

楽しようとしちゃったよ。

気を取り直して…っと。


「プティテーラとアルスの関係を教えてもらいたくて。それから、異世界移動装置についても。」


結構踏み込んだ質問している自覚はある。

外交関係にある世界との関係を聞いているわけだし。


「だよな。聞かれると思った。」


え?


「聞かれると思ったって、どういうことだ?」


ネロも驚いて、眉間にしわ寄っちゃってるし。


「あんなパーティの構図を見たら、どう考えても聞きたくなるだろ。むしろ今まで聞かれなかったことに驚きだ。」


パーティ…

周りは敵だらけと言わんばかりの完全にアウェイだった、あのパーティ会場ね。

思い出しただけで、乾いた笑いが出そうだよ。


「そうですね。あの状況は、私たちは本当に招かれたのか疑いたくなるレベルのアウェイさでしたし。もしかして、コスモスは何か試されてました?」

「まさか。ちゃんと招待をして、しっかり接待をするつもりだった。」


だった…?


「あのパーティは、俺らも予想外だったんだよ。確かに、アルスとコスモス、両方の異世界ゲートを開き、パーティにも招待した。だがアルスから、あの人数来るとは思わなかった。」


え?

パーティの招待って、人数を指定されていなかった…っけ?

…されていなかっただろうな。

私とネロのところに話が来たのも、前日だったし。


「今だから言うが、コスモスから、一般の職員が来るとも思わなかった。今までやり取りをしてきた奴が来るか、それ相応の奴が来るのが正しいと思うんだがな。なぜなら、異世界を繋ぐ道を開いてほしいと、あの手この手で交渉をしてきたのは、コスモスのはずだからな。それに、アルスも遠慮知らずだな。まったく、あのパーティは、実に腹立たしいパーティだった。」


…怒ってる。

そりゃ、そうだ。

私だって、なぜ私?って、思ったもん。

パーティの穴埋め要因を用意したと思われても仕方ないって…


「まぁ、コスモスの方から来たお前たちは、面白かったからある意味、納得した。あの挨拶はきつかっただろ?母も他の奴らも楽しそうだった。」


人が苦しんでる様子を楽しむのは、やめてもらってもいいですか?

ドSですか?

プティテーラの人間は、ドSなのかな?

しかし、かろうじて受け入れよう…

うん、しゃーなし。


「アルスとの関係だったか?特にない。」

「へ?」

「パーティでのアウェイは、アルスが勝手にやったことだ。元々、アルスと仲が良かったわけではない。むしろ、アルスとの関わりは、コスモスと交渉が始まった後だ。コスモスとの間にゲートを開くことを決めて、その後アルスが似たような交渉を持ちかけてきたんだ。」


…どういうことだろう。

たまたま…ってことないよね。

初対面で、あそこまでコスモスに敵対心を持っていたアルスが、たまたま交渉する世界が被るなんてことあるだろうか。

でも、たまたまじゃないとしたら、なんだろう。


「情報が…」

「漏れた可能性があるな」


ネロと私の意見は一致した。


「やはりな。アルスは、俺らと交渉する時も、無駄にコスモスを意識していた。コスモスよりも…などと言っていたな。どうでもよかったが。」

「プティテーラは、なんでアルスとの交渉に応じたんですか…」

「なぜ?決まってるだろ?コスモスとアルスの対立関係にプティテーラは関係ないからだ。」


分かってた。

聞いただけ。

これは、言っても仕方のないことだ。

この人は、いや…この人たちは、プティテーラのことを想っている。

分かってはいたけど、改めて聞くと、何とも言えない気分になるな。

理解しているけど、心がついていかない。

だって、私の想いコスモスにあるから。

コスモスに害があることを、そして、害されるかもしれないことを私は良しとしたくないから。


「異世界進出は、プティテーラでは、すでに視野に入っていた。そして、異世界についての情報は、五大一族を中心に集めていたんだ。たまたまコスモスやアルスが転がり込んできただけだ。」


どこの世界を想っているか…

これは、私とシン王子の想いの違いだ。

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