151話 愛し、尽くす月の一族
ブックマークしていただいた方、
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いっぱい質問していいという許可は貰ったし、思いついた順に質問していこう。
「シン王子は月を冠する一族と言っていたと思うんですけど、それってどういう意味でしょうか?月の宮殿に住んでいるのなら、冠するなんて言い方しないと思って。」
「意外とよく聞いているな。」
だから、さっきから全然褒められている気がしない。
「プティテーラには、五大一族というものがある。俺は五大一族の一つ。月の一族なんだ。」
「五大一族ということは、他に四つの一族があるってことですよね。」
「あぁ。月の他には、太陽、虹、雫、火の五つの一族。」
あれ、その五つって確か。
「地区の名前と一緒ですね。」
「そうだ。元々は各地区をそれぞれの一族が治めていたからな。」
「領地みたいなものですか?」
「正解だ。」
領地って、争いがあるイメージだけど、どうなんだろう。
「領地のトップを決めるのは、それぞれの領地に任せている。そして現在、月の一族を治めているのがフォルモントだ。」
「月の一族のトップが変わったら、王様が交代になるんですかってことですか?」
「あぁ、月の一族は他にもいるからな。ただフォルモントが月の一族のトップになり、王族になってからは、一度も変わっていない。」
それって、かなりすごくない?
世襲制ではないのに、変わらないってことだよね。
「まぁ、月の一族の血は、なぜかトップを好まないんだよな。だから、フォルモントがトップを取った時は、押し付け合いがあったらしい。」
え?
王様を押し付け合うなんてことある?
「月は、支えるのが向いているという奴もいるぐらいだしな。月の約束の話は聞いたんだよな?」
「はい。」
「そのときも、太陽のアイネを月のマニが愛し尽くすだろ?その精神が月の一族には、根強いんだ。太陽の一族の方がトップに向いていると思う。アイネの時代は、そうだったらしい。」
その言い方だと…
「シン王子も王家は太陽の一族がふさわしいと思っているということですか?」
「そうだな…月が支えるのが向いているというのは、俺の中にもある…が、俺の母も俺も王族として、プティテーラを愛しているし、尽くしたいと思っている。そういった意味では、月の一族が一番向いているんじゃないか?」
そうやって言い切っちゃうところ、かっこいいな。
世界を愛しているってさ。
尽くしたいってさ。
「プティテーラの人たちは、幸せですね。」
「なんだ、急に?」
「女王様や王子様が、世界に尽くすとまで言ってくれる。そして、今もまとめ上げてくれているのなら、幸せなんだろうなと。」
「…そうか」
女王様の立ち振る舞い、シン王子のプティテーラを語る様子。
ホントにそう思っているんだろうな。
「現在はフォルモントを名乗るものがトップということは、フォルモントを名乗る人以外にも、月の一族はいるんですよね。」
「いる。そうだな…ルアルには、会っているよな?」
ルアルさん。
プティテーラに入った時に、案内をしてくれた人。
「はい。会いました。」
「ルアル・ノルアナ。ノルアナ家は月の一族だな。」
「じゃあ、ルアルさんも王族ということですか?」
「違う。王族を名乗るのは、一族のトップのみ。現在はフォルモントだ。」
なるほど。
月の一族の血でも、そこのトップではないと王族にはならないんだ…
「他の一族にもトップがいるんですよね?」
「月のフォルモント。太陽のシュルーク。虹のイーリス。雫のカスカータ。火のアリファン。」
シュルークはアルビナ令嬢の名前だったよね。
そしてアリファンは、クラトさん。
「太陽と火の関係者にはもう会っているんだろ?虹や雫もそのうち会う機会があるんじゃないか?」
ある…かな…?
今、聞いて思ったけど、結構知り合いになっていることに驚いた。
「順調に交流を広めているな…」
「いや、うん…そうみたいだね」
今まで、ネロの言葉を否定してきたけど…
あれ?という感じだ。
でも、交流が広がるのも悪くはないかな。
だって、シン王子の新たな一面を知ることが出来たから。
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