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150話 決められないのなら、とりあえず全部


再び気球に乗って浮上する。


「どうだ?ナトゥラは?」

「まさに自然地区という感じです。」

「プティテーラの自然地区には、ああいった自然がたくさんある。期待していい。」


やっぱり、プティテーラの話をしているシン王子は生き生きしているな。

プティテーラのことを聞いたら教えてくれるかな。


「何か聞きたいことがあるのか?」


……

本当によく見ている。

こういう気づかいをアルビナ令嬢に…

…こう思うのも何回目だろう…

アルビナ令嬢のこと以外は、見ている限り完璧なんだよな。

王子ということを差し引いてもモテそう。

そう思うだけに、アルビナ令嬢のことになるとなんであんなに残念になってしまうのか気になるなぁ。


「なんだ、その顔は。何か不愉快なことを思われた気がする。」

「気のせいです。」


なんで分かるかな…

エスパーか何かですか?

ここまで来ると怖いです。


「で、なんだ?」

「プティテーラについて、教えてもらいたいなと。」

「俺に?」

「シン王子だからこそ、プティテーラの正しい話が聞けると思ったのですが…」

「へぇ…」


やっぱりダメかぁ。

確かに、図々しかったかな。


「お前、王族に弱いくせに、結構踏み込んでいくよな。」

「チャンスかなと思ったんだけど…」

「あれだけ、王族と関わりを持つなんて無理だと言っていたのに」

「えー…そりゃ、怖いもん。不敬罪とか。」

「不敬罪があるなら、アウトじゃないか?」


えぇ。

ダメ?

不敬罪?

でも、プティテーラに詳しい人がこんなに近くにいるのに…


「いいぞ。何が聞きたい?」

「え?」


今なんと?


「いいぞと言っている」

「本当ですか?」

「何度も言わせるな。昨日の礼だ。」


おぉ…

人の話は聞いておくものだな。

正直、人の恋愛相談に乗っていいことはあまりないとは思うんだけど。

今回は、得したかもしれない。


「それで?なんだ?」


ニヤリと笑うシン王子を見て、私は少し考える。


カナリス、ナトゥラ、月の約束についても聞きたいし。

そういえば、シン王子は月を冠する一族って言っていたな。

月を冠する一族って何だろう。

それに、アルスとの関係も聞きたい。

異世界移動装置のことも…

プティテーラのおいしいご飯…

ウォーターフルーツや水団子もおススメって言ってたよな。

実際、どうなんだろう。


決まらない。

どうしよう…


うーん…

よし。

これにしよう。


私は、よく考えてとりあえず一つに決めた。


「この気球は、次の目的地までどのくらい乗る予定ですか?」


私の質問にシン王子は、目を見開いた。


「なんだ、そんなことでいいのか?」

「はい。乗っている時間で、いくつ質問できるか考えようかと」

「は?」

「え?」


なんだろう?

聞きたいこといっぱいあるし、せっかくだから、いろいろ聞こうかと思ったんだけど。

だって、決められないし。

決められないなら、とりあえず決めずにトライもありかなって…


「意外と…」

「え?」

「いや…いい。そうだな…しばらく乗っているだろうな。」


やった。

しばらく、シン王子から話が聞けるってことだよね。


「なんかすまないな…図々しくて」

「いや、いいんじゃないか?これくらいの方が。」


ネロさん、シン王子…

ちゃんと、聞こえてますよ。

シン王子も図々しいというところは、否定しないのね。

いいじゃん。

プティテーラのことが分かったら、コスモスにたくさん情報を持ち帰ることが出来るんだよ。

ネロは、私に感謝してもいいと思う。

あと、正直なことを言うと、シン王子の王子部分を見たが、残念な部分も見てしまっているため、王族ということを忘れて、ツッコみを入れそうになるんだよね。

それだけは、心の中に留めるようにしているんだけど。


「それで先ほどから聞いているんだが、質問は何だ。」


何がいいかなぁ。

王子に質問攻めをする機会なんて、今後ないだろうし。

こういう新しいことって、知的好奇心がくすぐられるというか。


むふふふ…

何から聞こう。

読んでいただき、ありがとうございます!


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