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140話 王子のそんなギャップは解釈違いでは?

評価していただいた方、

ありがとうございます!!

嬉しいです!!!!


「なぁ、何がいけなかったんだ?」


石段に座り込んで頭を抱えるシン王子。

立ち振る舞いや雰囲気はまさに王族の貫禄、そんな王子が凄くへこんでいる。


「俺は、決められた婚約だから、アルビナを婚約者にしているわけではない。」


それさっき聞いたなぁ…


「アルビナは、他に好きな人がいるのだろうか。」

「どうでしょ…」

「アルビナの美しさなんて、みんなが知っているだろ?」

「そうで…」

「なのに、俺の婚約者でありながら…なぜだ?」


頼むから、話を聞いて。

フォロー入れたくても、シン王子がどんどんしゃべり続けるため全くできない。


「なぁ…なんでなんだ?」


シン王子は、縋るような目で私たちを見つめてきた。

しまいには、目に若干の涙をためている。

この王子、そこまで追い詰められてたの?

段々、酔っぱらいの恋愛相談みたいになってきている。

もちろん私は、お酒飲んだことないよ?

ほら、サークルで飲み会があるし、そこでそういう話をしていた人がいた。

ベロベロに酔っぱらって。

酔っぱらいになら、何言っても許されるのかな。


「なぁ、チヒロ。ネロ。俺はどうしたらいいんだ。」


さっきからずっとこの調子だし。


「あの、シン王子?何を言っても私は許されますか?」

「…なにか、分かったのか?」

「多分。ただ、王子相手に言いにくいと言いますか。」

「この状況が、何とかなるのであれば何でもいい。」


そう言うと、涙目からパァと表情を明るくし、キラキラとした目で見てくる。

嘘だろ…

あんなに美しく、完璧だと思っていた王子様がこんなギャップを持ち合わせているとは。

年上のお姉さんとか、ほっとかない性格だよね。

外ではきっちりしているカリスマ生徒会長が、家ではダボダボジャージ着ている感じ?

世話を焼きたい人たちに好かれそう…

自分でも想像を膨らませたが、それはとりあえず置いておいて。


「ならば、言わせてもらいます。」

「あぁ。」

「シン王子、アルビナ令嬢に先ほどのような言葉を言ったことがありますか?」

「先ほどというのは…周りに笑いかけるなということか?」


違う。

違うよ。

え?

違うでしょ。

ネロは隣で笑いを堪えるのに必死みたい。

ばれてるよ…


「いえ、アルビナ令嬢は美しいとか、周りに微笑んでいるところを見られたくないとか。」

「そ、そんなこと言えるか!」


え?

どうして?


「それは…、アルビナが美しいのは言わなくても当然だし、それに恥ずかしいだろ。」


あぁ…

アルビナ令嬢が美しいというのは分かるけど、それ本人に伝わってないし。

微笑んでほしくないを愛想振りまくなと言われたら、ただの嫌がらせなんだけど。


「当然なのは、分かったんですけど、それがアルビナ令嬢に伝わっていないから、言い合いになるのでは?」


シン王子が、はっとした顔でこちらを見た。

え?

ほんとに?

マジか、この王子。

そんな馬鹿な、みたいな顔されても。


「伝わってなかったのか?」

「いや、分からないですけど。さっきの会話を見る限り伝わっているようには見えなかったですね。」

「ど、どうすれば。」

「言葉足らずです。なんで、愛想を振りまいてほしくないんですか?それが伝わっていないのなら、ただの文句です。」

「あ…あ…」


そんなこの世の終わりみたいな顔をしないでください。


「なぁ、アルビナは今きっと、談話スペースにいる。俺は、アルビナを泣かせてしまった。よ、様子を見て来てくれないか。俺は合わせる顔がない。」

「いや、王子が行って声をかけた方が…」

「俺は、考え直した方がいいということだろう?」


違う!

ちがう、ちがう、ちーがう!


「チヒロ、ネロ。俺はアルビナがいい。だから頼んだ。」


だから、それをアルビナ令嬢に言えばいいでしょうが。

シン王子に庭から追い出され、廊下の方に戻る。


「お前、王族の問題ごとに巻き込まれるの、得意だよな。」

「そんな特技要らないんだよね」


他の人には、あんなにはっきりアルビナがいいというのに…

このヘタレが。

シン王子が王族というのを頭の隅に追いやり、悪態をつく。

きちんと心の中で。

こういう話は、第三者をはさんでいい事なんてないんだ。


「これ手伝うべきなのかな」

「聞かなかったことにするのか?」


そんな勇気ありません。

アルビナ令嬢かぁ…

あの、メンチの切り方といい、怖いなぁ。


思い足を引きずりながら、シン王子が言った談話スペースへ向かった。

読んでいただき、ありがとうございます!


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