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115話 トマトジュースはトマト料理に入りますか?


「次は、リリスさんのコルクボードですね」

「ありがと」


リリスさんのコルクボードは何に使うんだろう。

私はリリスさんをじっと見ていると、リリスさんが私の視線に気が付いた。


「なによ?」

「いや、コルクボードを何に使うのかと。」

「秘密よ、秘密。買ってきてくれてありがとね。」


そう言うと、リリスさんは急いで奥の部屋に行き、コルクボードを片付けて戻ってきた。

なにでそんなに急いで?

コルクボードの存在をそんなに知られたくなかったのかな?

でもそうだったら、私にお使いなんて頼まないか。

なんだろう?


私が首をかしげていると、右肩にペシペシと衝撃を感じる。

そっちへ振り返ると、そこにいたのはネロ。

いかにも早くしろと言いたげな雰囲気が出ている。

この食いしん坊め。


「分かったって。」


私は、先ほど作った料理たちをアンジュ君とアンヘル君に頼んで出してもらった。

実は、アンジュ君とアンヘル君は、料理が冷めないように魔力マナを使って料理を温めてくれていた。

相変わらずの電子レンジ要らずというか…

料理を先に渡すと、他の物を渡すどころじゃなくなるし、だけど料理を後にすると冷めちゃうかもしれないし、と悩んだところで、二人がその役目を買って出てくれた。


ネロは、以前見たことのある目の前の料理に、嬉しそうにしているが、ネロのは後だから。

先にカイン君のトマトトースト。


「はい、これをどうぞ。」

「これは?」

「トマトを使ったトーストです。アンジュ君とアンヘル君から、カイン君は、トマトが好きだと聞いたので、トマトを使ってトーストを作りました。」


カイン君にトーストを渡すと、カイン君は少し驚いた表情をする。

あれ?

何か違ったかな。

やっぱり、トマト料理って何か明確なものでもあったとか?

確かに、私が作ったものは、トマト料理ではなく、トマトを使った料理だし。

もしかして、やり直し?


「ありがとう」


すると、カイン君はクスクスと笑ってお礼を言ってくれる。


ん?


「いや、ごめんごめん。俺がトマト料理って言うと、ただトマトをつぶしたジュースが毎回出て来ていたから、ちゃんとした料理が出て来てちょっと嬉しくなってさ。」


おぉぉぉ。

爽やか王子様スマイル。


それにしても、私のトーストもトマト料理ではないけど、トマトジュースってトマト料理なの?

ただトマトを絞っただけ…

健康にはよさそうだけど、トマトにかぶりつくのと何が違うんだろう…

まあ、私もツッコめる立場にはいないけど。


「上にのっているものはチーズ?」

「はい、トーストの上にトマトとチーズをのせて焼いてあります。」

「へぇ、食べてもいいか?」


カイン君がトーストに興味を示してくれているみたいで良かった。

そして、先ほどまでミソマヨや芋にくぎづけだったネロもトーストに興味を示している。

私は小さく切ったトーストをネロに渡した。

フェリシアさんやアルバートさん、リリスさんの物も切り分けて置いておこう。

カイン君は、豪快にトーストに噛り付いた。

すると伸びる伸びる。

カイン君は、慌てて伸びた部分のチーズを口の中に入れていく。


先ほど伸びるチーズを体験した私とアンジュ君、アンヘル君はお互い見合い、イタズラが成功したようにクスと笑い合う。

カイン君は、チーズを落とさず、無事口の中に入れた。


「びっくりしたな。アンジュもアンヘルもグルか?」


あきれ顔で見てくるカイン君にアンジュ君とアンヘル君はにこりと笑った。

フェリシアさんやアルバートさん、リリスさんにもトースト4等分くらいの大きさにして渡す。

先ほどのカイン君の様子を見ていたので、みんな食べる時、慎重になっている。

ネロも伸びるチーズを楽しんでおり、ビヨビヨと伸ばしながらもぐもぐと食べ進めていた。


チーズ一つでここまで楽しめるとは…

企画宣伝課の人たちの意外な一面を見ることが出来た。

読んでいただき、ありがとうございます!


よろしければ、

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嬉しいです!


よろしくお願いします!

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