表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
110/953

106話 魔法と錬金術の違いって?


「チヒロ、お会計してみて」


そうだった。

私は、異世界で初めて自分で物を買うのだ。

どうすれば…。


「エアの買い物が初めてなの?」

「はい、買い物の必要がなくて…」


あまりにも言いにくい理由に、思わず口ごもる。

アリスさんは、首を傾げたが、あまり深く追求してこなかった。


「なるほど。支払方法はどうする?」

「スキャンの方」

「了解。5万エアね。デバイスの決済のページを表示して、スキャンのボタンを押してそこの板にかざしてみて。」


アリスさんとアンジュ君の会話は、さっぱりだけど、私が言われたことは分かる。

デバイスの画面を決済画面にして、スキャンを選択。

言われたところにあるのは、透明な板。

ピピッ


「音が鳴ったら、支払いが完了した合図だよ。」


おぉ。


「今回は、デバイスに入れたお金を使う支払方法。エアバンクから直接支払う場合は個人番号が必要で、そこの板に数字を打ち込んでもらって、支払い終了ね。」


電子マネー決済とクレジット決済って感じだね。

異世界で初の買い物、出来たよ。

出来ることが増えていくって、なんか嬉しい。


「はい、これ。魔法石、忘れないように」

「ありがとうございます」


私は、アリスさんから魔法石を受け取る。


「アリス、ありがと」

「また来るね」

「師匠と待ってるね。」


二人は、アリスさんに手を振り、先にお店を出る。


「チヒロさんもまた来てね。」

「はい」

「錬金術に興味があったら、話もできるし。」


へ?


「錬金術は、いろんな分野があるけど、どの分野においても疑問を持つことは大切と師匠が言っていたの。マナ・ストーンと魔法石の違い、そこの違いを気にせず使う人は多いって。私も当時同じことが気になっていたんだ。」


アリスさんは、照れくさそうに笑っている。


「また、遊びに来て。」


そして、ニッコリと笑いながら右手を出した。


「はい、ぜひ。」


私は、アリスさんの右手を取り、力強く握手をした。


「チヒロ、まだ?」

「置いていっちゃうよ、チヒロ」


しびれを切らして、ひょっこりとドアの隙間から顔を出すアンジュ君とアンヘル君。

アリスさんと見つめ合い、フフッと笑い合った。

その様子を、アンジュ君とアンヘル君は、不思議そうに眺めていたけど。


錬金術のお店を後にして、次に向かうは薬師のお店。


「それにしても、錬金術って面白そうだよね」

「チヒロ、興味もったの?」

「実際話を聞いてみて、興味は出たな。いままで、そう言ったものには縁がなかったけど。」


私がそう言うと、アンジュ君とアンヘル君は少し考えて口を開いた。


「錬金術と魔法は全くの別物って、アルバートやヘルメスが言ってた」

「実際は魔力マナという在るものを使ってはいるけど、魔法は無から有を生み出すのに対して、錬金術の基本は、有から有を生み出すことって。」


魔法は無から有に対して、錬金術は有から有。

どこかで、錬金術は科学だと聞いたことがある。


「興味があったら、聞きに行ってみるといいよ。」

「その時は、僕たちもついていく」

「二人も錬金術を教わりに行ってるの?」


アンジュ君もアンヘル君も錬金術に詳しそうなんだよな。


「ううん。教わってるわけじゃない。」

「でも、ヘルメスが錬金術の話をしてくれるの。知らない話は面白いよ。」


二人の幸せそうな笑顔。

天使の二人でも、新しい知識を得ることはやっぱり嬉しいことなのかな。


観光部の人たちって、自分で生き残るすべを持っているって言ってたけど、アンジュ君とアンヘル君は、どんな力なのかな。


「分かる。知らなかったことを聞くのって面白いよね。」


私の言葉に、アンジュ君とアンヘル君は大きく頷いた。

3人で錬金術の話で盛り上がり、商業街カペレイオスの道を進んでいく。


「あそこが、薬師のお店」


アンジュ君は、トタトタとお店の前まで走っていく。

アンヘル君は、私の手を引いてアンジュ君の後をついていった。


今回もレンガ造りのお店だな。

商業街カペレイオス全体がレンガ造りの店に合わせているのかな。

窓のつき方や外の出店のようなものがあったりなど、外観は少しずつ違っているけど。


私は、次の目的であるトリカブトを手に入れるべく、ドアをたたいた。

読んでいただき、ありがとうございます!


よろしければ、

評価、ブックマーク、感想等いただけると

嬉しいです!


よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ