11話 ついに私の仕事が決定する?
「じゃあ、説明しながらその都度、質問入れて行ってもらったほうがいいかもね。」
「了解です」
「最初に仕事内容から説明するんだけど、企画宣伝課での主な仕事は、旅行プランを立て提案する企画と、異世界の魅力を大衆に伝える宣伝の二つ。それで、チヒロちゃんには、宣伝の方を担当して貰おうと思ってます。」
「宣伝ですか?」
「そう、実際に旅行にいって、魅力ある名所などを調べて、その世界の魅力を発信する。そして、企画に組み込めそうな場所があったら、企画課に還元するって感じかな。」
「な、るほど?」
「そんなに難しく考えないで大丈夫。チヒロちゃんが実際に行った世界で、魅力に感じたものを紹介してくれればいいの。それをお客様に伝わりやすいように編集するのは、企画の仕事だからね。異世界に染まっていないチヒロちゃんだからこそ、いいんじゃないかと思ったの。」
企画と宣伝、両方とも責任重大なのはわかる。
というか、仕事上で責任がないなんてこと絶対にありえないと思う。
企画は、お客様と実際に関わる仕事。
お客様の反応を見ながら、的確に提案していくには、圧倒的な知識が必要だと思う。
宣伝は、実際に旅行に行って、空気に触れて、それを多くの人に伝えるのが仕事。
何があるか分からない世界での対応力とか必要なのかな。
んー…どっちもどっちな気がしてきた。
「なに不安になってんだ?要は、好きに旅行して来いってことだろ。」
え?そんな訳なくない??
「チヒロ、旅行したいって言っていたから、そういうほうがいいと思った。」
えっと??
ネロがぶっきらぼうに言い放ち、アンヘル君が不安そうに私を伺ってくる。
「さすがに、申し訳ないなって思っているし、チヒロちゃんがやりたかったこと、ちゃんとやらせてあげたいとも思ってるから。」
「チヒロ、怒ってる?」
フェリシアさんの気遣いと、アンジュ君の言葉に、なんか負のオーラでも出てたか?と不安になる。
「怒ってないよ!帰れなくなったってちょっと驚いてはいるし、心配事もあると言えばあるんですけど、現状を離れたいと思って行動したのは私で、結果私の不注意により今に至るわけなので。まさか世界が変わるとは思わなかったんだけどね?それに、仕事ってなると、やっぱり責任重いから、そこに悩んでるだけで…」
あはは
うーん、失敗した気がする。
あんまり伝わってないというか、より気を使っているように聞こえてる?
どうすればいいの…
読んでいただきありがとうございます。
千紘が今後どうなっていくのか、
楽しんでみてもらえたら嬉しいです。
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