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105話 魔法石とマナ・ストーン


私たちは、手持ちのお金をデバイスに入れて、センタービルを出る。


「エアを管理するから、エアバンクって言う」

「エアバンクは、観光部が管理しているから、また詳しく話を聞く機会があるかも」


エアバンク

銀行みたいな物かな。

それにしても、やっぱりすごいよね。

異世界共通の銀行ということでしょ。

コスモスというか、観光部、そりゃ力を持ってるわけだよ。


「気になったんだけど、コスモス内で使える通貨の手続きがこんなに楽でいいの?」


銀行の手続きってもっと面倒くさくなかったっけ。

書類や捺印、暗証番号の設定。


「観光部は、異世界に旅行に行くことが多いから、所属が決まった時点で、エアバンクを作られる。」

「お金をデバイスに入れるだけなら、個人情報はいらないから平気。お金の出し入れの時は、個人番号が必要。」


個人番号なんて、聞いたっけ?


「本当だったら、個人番号は自分で設定するんだけど、チヒロは、観光部所属が旅行者ライセンスを取ったときだから、そのタイミングでパーソナルカードの方に自動更新されていると思う。」

「個人番号は、更新後に自分で変えないとセキュリティー上で問題があるから、確認した方がいい。」


今のままだと、銀行番号が初期設定のままということね。

0000みたいな物かな?

まぁ、お金ないと思うんだけどね。


「観光部からの支払いもエアバンクに自動振り込み。」


…。

それは、すぐにでも個人番号を確認したいんだけど…。

二人にまだ振り込まれていないことを確認し、先にお使いを済ませてしまうことにした。


「ここが、コスモスの商業街。」

「カペレイオス」


商業街、カペレイオス。


「いろんな世界の物が売ってるコスモスの巨大商業エリア。」

「アルバートの欲しがっていた魔法石を売っているお店は、異世界の文化である錬金術と魔法を掛け合わせた道具。」

「トリカブトは異世界の毒草」


やっぱり、トリカブトは毒草なのね。

フェリシアさん、ほんとに何に使うんだろう…。


「まずは、その二つを買いに行こうか。」


そうして向かったのが、錬金術のお店。

見た目は普通のレンガ造りの一軒家。

もっと、こう雰囲気のあるものと思ったけど。

ドアをノックして中に入る。


「お邪魔します」

「はーい、いらっしゃいませ。あら?アンジュ君とアンヘル君じゃない。久しぶり。」


中から出てきたのは、私と同じ160㎝くらいの身長で細身の女の子。

茶色のショートヘアにブラウンの瞳。

白の長袖シャツに黒のスキニーパンツ。

肩から茶色のエプロンをしている。


「久しぶり、アリス。」

「買い物に来たよ。」


二人は、この少女と知り合いみたい。

「アンジュ君、アンヘル君ありがとう。」


少女は、二人にお礼を言うと私の方を見て、ニコッと笑った。


「はじめまして…ですよね?アリスと言います。ここで錬金術の修行をしている身です。」

「はじめまして、チヒロと言います。観光部の方で働かせてもらっています。」

「じゃあ、二人と一緒の場所で働いているんですね。」


すごく雰囲気のいい子なのだが。

癒しのオーラが三か所に増えた。

私が癒されていると、アンジュ君がアリスさんに、問いかける。


「アリス、ヘルメスはいないの?」

「残念だけど、師匠は、今、外に出ているよ。」

「そうなんだ」


少し残念そうにしているアンジュ君。

アンヘル君も…

もしかして、そのヘルメスさんに会いたかったのかな。


「何か探し物?」

「うん、アルバート用の魔法石が欲しい。」


気を取り直して、アンヘル君は目的の物を告げる。

アリスさんは、頷いて部屋の奥へと入っていった。


「ヘルメスさんってどんな人なの?」

「すごい人」

「アルバートが魔法の権威なら、ヘルメスは錬金術の権威」


二人とも、ヘルメスさんのことが好きなのが伝わってくる。

雰囲気が柔らかいもの。


「また、今度会いに来ようね」


私がそういうと、二人は目を輝かせて頷いてくれた。

すると奥の方から、アリスさんが出てくる。


「これがアルバートさん用の魔法石ね」

「透明の石?」

「アルバートさんは、自分で魔法を込める人だから、魔法に耐えられるだけの魔法石を用意すればいいの。本当だったら、いろんな効果をつけて販売するんだけどね。」


魔法石を見て思ったんだけど、マナ・ストーンと魔法石って何が違うんだろう。


「マナ・ストーンは、全部自分で作るけど、魔法石はこういう魔法に耐えられる石の中に魔力マナを流すだけでいい。」

「作るときの大変さが違う」


私が驚いて、二人の方を見る。


「チヒロ、口に出てた」

「なんだろうって」


独り言を聞かれてたのかぁ、恥ずかしい。


「それに、マナ・ストーンの方が不純なものがない分、質がいい。それでも、うちの魔法石は、負けないくらい質がいいよ。魔法石をできるだけ魔力マナに近づけるようにしているから。既製品はともかく、特注品ならいい勝負すると思う。」

「マナ・ストーンを使えるレベルで作れる人は、魔法師としてレベルの高い人。」


アリスさんと、アンヘル君の言葉に、アルバートさんもメルもすごいということが分かった。

この事実を確認するの、何回目って感じなんだけど、その都度、新情報が出てくるんだもん。

それは、すごさを実感するでしょと改めて思うのだった。

読んでいただき、ありがとうございます!


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