表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
106/953

102話 次の旅行先が決まりました


「まぁ、王族と仲良くなってくればいいというのは、忘れてしまっていいよ。これは、無茶が過ぎるから。さっき言った、やってほしいことが観光と交流というのも少し違う。」


ん?


「本当に見て来てほしいのは、観光として行くことが出来そうかだね。」

「どういうことですか?」


ゲートが開いたのに、観光ができないかもしれないの?


「先ほども言ったが、元々、異世界に行く文化があったわけじゃない。となると、そういう地元の人たちとのトラブルとかあるかもしれないだろ?具体的なランクも決めないといけないし。」


「え?ランク決まってないんですか?」


私、まだEランクだから、そこしか行けないけど。


「いや、決まっては、いる。魔物などの危険性もないし、地元の人々の人柄も良い。そして、世界として、しっかり形を保っている。例えば規則とかね。大きな争いが起きているわけでもない。だから、Eランクと営業課は見ている。けど、実際の人柄とか、土地柄って難しいだろう?だから、見て来てほしい。異文化の受け入れ態勢とかね。」


仕事としては、納得かな。

私の仕事であるかは、別だけどね。

それに、観光できるかどうかというのが、企画宣伝課の仕事なのも、そうなの?という感じである。


この仕事を私に回したこと、根に持っちゃうんだから。


「あわよくば、王族を…」


いや、無理ですって。

あわよくばという感覚で近づいていい相手じゃないですって。

下手したら、罪に問われて断罪されるって。

そんな、綱渡りしたくないよ。


「まぁ、安心して。向こうの人たちとは、ゲートを通じてすでに何度かやり取りはしているから。変なことが、起こることはないだろうし、楽しんで観光してきてくれればいいよ。あまり、気負わずにね。だって、その世界に初めて旅行に行く人なんだから。楽しまないと損だろう?」


旅行第一号ってこと?

それは、なんか特別感ないか?


「単純だな」

「ネロ、おだまり」


特別という言葉に人はだいたい弱いんだよ。

私の単純な思考に、隣からため息が聞こえた気がするけど、気にしない。

だって、行くことが断れないなら仕方ないし。

せっかくの旅行だから、楽しんでくるしかないでしょ。


「それで、どんな所なんですか?」

「いいところだって言っていたけど?」

「えっと?」


どう、いいところなのか聞きたいんだけど。


「営業課って、ゲート開通とランク決めまでが仕事だから、その先ノータッチのことが多くてね。」


それでいいのか、営業課よ。

確かに、それじゃあ、その世界のこと分からないわ。


「でも、面白いことを言っていたな。」

「なんですか?」

「太陽と月。それから自然だと。」


なんか、めちゃくちゃ意味深なこと言われたんだけど。

そういうこと言われると、惹かれちゃうじゃん。

太陽と月ってなんかロマンチックだし、そこに自然って。

どんな繋がりがあるんだろうって、妄想しちゃうでしょ。

私は、しっかり新しい異世界に興味をそそられてしまった。

営業課やるな…。


「単純だな」


うるさいぞ、猫ちゃん。

まぁ、一つツッコむとしたら、自然って範囲広くない?とは思わなくもない。

自然なんて言ったら、だいたい当てはまる気がするけど…。

それとも、異世界は別なのか?

ミシュティは、自然という言葉には該当しないもんね。

どっちかというと、コスモスも自然ではない気がする。

もしかしたら、割と的を射た情報なのかもしれない。

いいではないですか。


「チヒロ。二人にこの仕事を任せてもいいかな?」


断る流れは、一応あったんだ。

でも、ここまで話を聞いたし、興味がそそられることも聞いた。


「はい。」


これは、行く、一択でしょ。


「ネロもいいかい?」

「俺は、チヒロの教育係だからな。」

「へぇ、アルバートが言っていたけど、ほんとにいいコンビなんだね。」


そう言われると、嬉しくなるよね。

ネロは、ツンとしちゃうんだけど。


「じゃあ、詳細の紙をまた送るね。引き受けてくれて、ありがとう。」


そういうと、アスガルさんはオフィスの外へと向かう。


「アスガルさん」


私の声に、アスガルさんは振り返る。


「旅行先の名前は、なんて言うんですか?」


アスガルさんは、私の問いに微笑みながら答えた。


「プティテーラ。」


アスガルさんは、そう言ってオフィスを出ていった。


「プティテーラ…」


どんな場所なのかな。

私は、「プティテーラ」という旅行先へ期待に胸を膨らませるのだった。

読んでいただき、ありがとうございます!


よろしければ、

評価、ブックマーク、感想等いただけると

嬉しいです!


よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ