2話
チュンチュン。
窓越しに鳩が鳴いている。カーテンにシルエットが浮かんでる。朝になったようだ。
「はぁー。やっぱ、夢だったかあ。」
そう大きく手を広げながら起きた。時計の針は午前11時を指している。絶賛、春休み期間中なので、この時間に起きても支障はほとんどないのだが。それにしても、今回の夢は若干、リアル感があったなと思う。気づいたらあたり一帯燃えてるし、なんか椅子に縛られるし。そして、ゴブリンは気持ち悪かったし。間近で見るとやっぱり、格が違う。アニメや漫画で見るゴブリンも可愛いものではないが、先程のゴブリンに比べたら......。ゴブリンのくせに銃を使うとは解せぬ。そこは槍だろ、槍。なんであんなに先進的なのだ。まぁ、でも今回の夢は興味深い。夢はまぁまぁ見る方ではあるが、あの血の感じや痛みは味わった覚えがない。まぁ夢とはそもそも記憶に残るようなものではないから、比較できないのは当たり前っちゃあ当たり前なのだが。夢というものはREM睡眠時に見られるというのが通説である。。REMという言葉はアニメのキャラにいそうだが、Rapid Eye Movementの略である。その名の通り、高速で目が動いているのだ。一度だけ、そのような症状を感じ取ったことがあるがなんか不思議なものであった。REM睡眠時は一種の覚醒状態であるらしく、血圧などは上昇するのだ。ただ、夢のとおりに現実世界で動かれても困るのでそこは制御されているのである。いやぁ、人間の体って良くできてるなとしみじみと思う。お。また俺の悪いところが出たようだ。最近学んだことをひけらかす癖があるのだ。日本ではあまりこういった発言は好かれないので控えといけないと日々思ってはいるのだが。まぁ、それはさておき夢の件は残念である。また、救世主になることを阻まれた。このようなことは前回もあった気がするが、なんせ夢のため忘れてしまった。夢で救世主になれないのら、現実世界でなってやろうか。なんて、思う。
「二度寝しようかな。」
しょうもない思考に飽きてきた。春休みということもあり、正直やることはない。優秀な大学生はここで勉強するのだろうがどうも気に乗らない。俺自身は勉学に対してそこまでの抵抗感はないのだけれども、睡眠に勝るわけがない。
「いや、SNSの確認だ。」
SNSの確認も大学生あるあるの習慣ではなかろうか。なんなら、1日の半分以上をSNSに割いてる人なんてザラにいるだろう。スマートフォンの指の操作が流れるように行われる。直感的に右下はtwitterだし、その上にinstagramがある。この2つをやっていれば、まず大学生としてはまぁ、波に乗り遅れることはないだろう。そこまで見たいものはないのだが、単なる使命感だろうか。なんであろうか。よくわからないがSNSは長時間見てる。
「見るもんもないしやっぱ寝よう。」
そうやって俺は再び眠りについた。先程長時間寝たので、再び眠りにつくことが容易ではないと思ったが案外すんなり意識は消えていった。
チュンチュン。
鳩が鳴いている。先ほどとは違う窓越しに。