001
初投稿です。
001.
「君は休みの日は何をするの?」
彼女はいつものようにぼくの目を覗き込むように言った。
「とくに...。テレビを見たり、本を読んだり。まぁ家でダラダラしてるかな。」とぼくは答える。こういうとき趣味のひとつでもあれば返答に困ることはないのだろうがぼくは今まで趣味といえるものを持ったことがない。ひとつのことに熱中するということが出来ないのだ。
「ふーん。まぁなんとなくそんな感じだろうなとは思ってた。」
彼女は見透かしたように言う。
ぼくはそんな風に見られているのか。まぁ積極的に外に遊びに行くような人に見えないことはぼくも十分承知している。それでも人にそう言われると何だか引っかかるものがあるな。
「君はどうなの?」
ぼくは聞かれたことを聞き返すというごく平凡な会話のラリーを続ける。
「私はとりあえず外出してぶらぶらしながらこんな風に風景を眺めるかな。それで疲れたら公園のベンチに座ってただただ周りの人を観察するの。これがなかなか面白いのよ。子供が元気よく駆け回ったり、カップルが手を繋いで仲良く歩いてたり。そういうのを眺めてるととても平和な気持ちになるの。」
彼女は柵に肘をかけここから見える街並みを眺めながら言った。
この学校は周りより少し高い土地に建てられており、さらに屋上からとなると僕たちの住む街を一望することができる。ぼくはこの学校からの景色がなかなかお気に入りになりつつあった。
「それはいつも一人でやるの?」とぼくは聞いた。
「なに?悪いの?あ、わかった。私に彼氏がいるのかどうかさりげなく聞いたつもりなんでしょ?彼氏がいるのならばそれはその彼氏としているのだろうかって。」
彼女はまたぼくの目を覗き込みにやつきながら言う。
「ち、違うよ。ぼくはただ君はわりと友達がたくさんいていつもその友達と仲良く華やかに遊ぶような人だと思ってたから。」
ぼくはあわてて訂正した。本当のことだ。
「なにあわててるのよ。顔赤くなってるわよ。」
彼女はいらずらっぽい笑顔を浮かべ言う。
彼女はこんな感じによくぼくのことをおちょくってくる。そして戸惑うぼくをみてこの笑顔をぼくに向けるのだ。
ただ、彼女の言ったことを聞いて彼女に彼氏がいる可能性があるということを今まで考えたことがなかったということに気がついた。これはちゃんと確かめておいた方がいいのではないか?もしかしたらこれ以上ぼくのこの学校での立場を悪くすることもありえる。いやもしかしたらもう手遅れかも。
「それで、、彼氏はいるの?」
ぼくは意を決して遠慮がちに尋ねた。
「.....気になる?」
彼女はまたあの笑顔をぼくに向けた。




