邪神の猛攻!
シオンのいた場所に大きなクレーターが出来ていた。
『クカカカッ!跡形もなく消し飛びおったか!さて、次はどいつじゃ?』
観客席の兵士達はざわめき動揺するが、邪神と対峙している父グラン達は平然と邪神へ攻撃を仕掛けていた。
「奴が大技を放った今がチャンスだ!」
グラン達は剣や魔法、弓矢で邪神に攻撃を開始する。
ドンッ!ドンッ!ドンッ!
『グッ!?神器を持った少女が吹き飛んだと言うのに攻撃を止めぬのか!』
邪神は予想外の攻撃にたじろいだが邪神の結界を破壊出来てはいない。しかし、邪神の虚を付いたのは間違い無かった。
『煩わしハエどもが!』
邪神は両腕を広げて魔力を高めた。
「今だ!!!」
グランとアルカナが支援魔法を受けて斬りかかった!
「私も成長したんですよ!秘技 《エレメンタル・バスターアタック》!!!!》
前はただ剣を大きくするだけであった技に、属性を付加した新技である。
出し惜しみは無しだ!秘奥義 《氷神乱龍》弐の型 《氷龍王ニブルヘイム》!!!」
グランの必殺技とアルカナの技が邪神の結界にぶつかる!
ガガガガッ!!!!
バッリーーーーーン!!!!
!?
邪神の結界を撃ち破り、広げた邪神の両腕を切り裂いた!
『ぐがあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああ!!!!』
邪神は痛みに悲鳴を、咆哮を上げた。
『バカな!バカな!バカな!人間ごときに我の結界を破り、ダメージを与える事などありえん!!!!』
動揺する邪神にグランは追撃を開始する!
「攻撃を続行しろ!我々でもダメージを与えれるぞ!すなわち、倒せるということだ!」
うがあぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああ!!!!
グラン達が追撃しようとした時、邪神は斬られた腕を再生し、魔力弾をバラまいた。
ドドドドッ!!!!
ドカンッ!ドカンッ!ドカンッ!
なまじ接近していたため、グランを初めとした者達は避けられず、少なくないダメージを受けた。
「ちっ!?腐っても邪神だな!」
防御結界を最大にして身を守った。しかし、無限とも思われる邪神の魔力弾の雨に、ジリジリとダメージを蓄積していった。
『許さん!許さんぞ!下等生物共が!!!?』
邪神は魔力弾を一度止め、油断せず力を溜め始めた!それに呼応するように観客席に召喚された眷属の魔物達もより狂暴になり兵士達に襲い掛かる。
「怯むな!傷付いた者と隊列を入れ替えろ!」
各国の優秀な指揮官が奮戦し、戦線を維持していた。しかし、個々の力で劣る兵士達にも倒れる者が出て来てしまう。
「ここの場所は僕に任せて下さい!秘奥技 《グランド・クラッシャー》!!!」
目の前の魔物を一気に貫き、一掃した。そう、アルデバランである。一定の間隔で実力のある者を配置し、戦況を改善させるように動いた!
無論、他の場所にも剣魔大会出場者レベルの猛者が奮闘している。
『さぁ!滅びるがよい!この世界は我の物だ!!!!神技 《終焉の闇》!!!』
邪神が両腕を広げると超重力波が全方位に放たれた!
『我が神技、下等生物には防げぬぞ!』
超重力波の【闇】が広がって行くと地面が陥没し押し潰されていく。
『なら、妾が防ごう!神技 《光王翼》!!!』
!?
勝利の女神リューシンが邪神の神技を防ぐように光の翼を模した技を放ち、邪神の攻撃を光の輪で縮小させていった。
『バカな!貴様は呪縛の鎖で封じていたはず!?あの鎖はそう易々と外せないのに!?』
女神リューシンは邪神に向かって言った。
『貴様が妾に、良い男を紹介してやると近付いて来たとき、不意を突かれて破れたが今度はそうはいかんぞ!!!!』
おいっ!そんな理由で負けたのかよ!!!!?
『騙される方が悪いのだ!力を溜めた我なら弱った貴様にもひけをとらん!』
邪神は神技を防がれたが、次なる手を打った。女神リューシンが最初から戦闘に参加していなかったのは弱体化しているため邪神の大技を防ぐ事に注力する手はずである。
『さて、煩わしハエどもを一掃するか。眷属召喚!』
観客席に放った大量の魔物とは違い、眷属でも上位の強力な魔物を召喚したのだった。
『さぁ!眷属達よ!下等生物共を喰い破れた!!!!』
大きな巨体の複数の生物を混ぜたキマイラである!その一体の魔物が獣人達のパーティーへ向かった。
「ふむ?邪神の神技には恐れ入ったが、我々に獣系の魔物を向かわせるとは………舐められたものだな!!!!」
獣人族最強の戦士の1人バーミアが立ち塞がった!
愚者の声
「バトルも佳境です!」




