拳で語り合うのは脳筋だからです!
顔を赤くして悶えているカレンに、アイギナが話し掛けた。
「なんだ?あんたも格闘術の使い手なのか?」
カレンはようやく我に返り、アイギナの方を見た。
「わ、妾とした事が………ごほんっ!そうじゃ、張り合いのない相手ばかりじゃったからのぅ。妾と手合わせしてみんか?」
「ああ!いいぜ!俺も久々に暴れたかったんだ!」
『お姉様、余りやり過ぎないようお願い致しますね?』
せっかく認めてくれた素敵な友達を傷付けて、また拒絶されるのを心配するアイギスにアイギナは答えた。
『大丈夫だって!ちゃんとここ1番って所は手加減するからよ!』
「いや、手加減なんぞしなくても良いぞ?万が一、怪我をしてしまった場合は妾が弱いからじゃ。そんな事でお主を拒絶などせん!」
!?
「なっ!?カレン、おまえ!まさか………聞こえているのか?」
まさか、頭の中で会話している声が他人に聞こえるとは思っていなかったアイギスとアイギナは驚いた。
「そう驚くでない。お主達は頭の中で会話していると思っておるが、厳密には心と心で会話をしておる。シオンの中におるマヌケと一緒じゃよ」
「シオンの中にも、誰かいるのか?」
カレンは、軽く微笑んでアイギナに言った。
「そうじゃの~、余り知らん方が幸せじゃがいるぞ。この手合わせが終わったら聞いてみるがよい」
カレンは少し歩いて距離を取ると、腰を落として闘気を解放した。
ぶわっ!
「これは!?」
驚くアイギナは咄嗟に後ろに飛び退いて構えた。
「これは………手加減なんてできねぇな!?」
アイギナも心を落ち着けて、闘気を解き放った!
「ほぅ!これは予想以上じゃのう!」
「いいねぇ!おまえとなら本気で殺れそうだ!」
二人の本気を悟ったシオンはレグルスに結界を張るように伝えた。
「レグルス!?」
「わかってる!」
スタート地点も学校の怪我をしない防御結界が張ってあるが、この二人のレベルの攻撃には耐えられない。しかも、流れ弾が他の生徒にぶつかったら即死してしまいそうだ。故に、慌てて周囲に結界を張るように言ったのだ。
レグルスもシオンの意図と同じ事に気付き、スキルを使って10倍の強度の結界を張ったのだった。
「では、いくぞ!」
先手はカレンからだった。拳に闘気を纏わせて、アイギナに殴り掛かった!
「速い!?でも!」
カレンのストレートのパンチを何とか避ける事に成功したアイギナは、即座に反撃した。
「最初から全開だ!秘技 《シャドウ・バーストナックル》!!!」
アイギナの拳が3つの影を産み、1つの拳で3つ殴っている攻撃となった!しかも、カレンがガードした場所が爆発した!
「ぐっ!これは!?」
アイギナの攻撃は止まらない!
「どうした!どうした!もう終わりか!」
攻撃をすればするほど、ガードした場所が爆発しダメージを与えていく。
「せっかくの新しい制服がボロボロじゃ!こっちも本気でいくぞ!」
本来ならカレンにダメージを与えているはずの攻撃が効いていなかった。カレンはそのままジャブで応酬した。
「オラオラオラオラオラーーーーーなのじゃーーーーーーーーー!!!!!」
カレンの怒涛の連打にアイギナも何発か喰らってしまった。
「がっは!?」
後ろに飛び退いて距離を取る。
「御主、硬いのぅ?」
「いつつっ!ただのジャブがなんて威力だ!」
常人なら一撃で沈めてしまうカレンの拳に耐えるアイギナは、全身に闘気を纏わせて防御力を高めているのだ。
「俺の必殺技が効かねぇとはな……なら!」
アイギナが跳んだ!
「そらよっ!」
アイギナは空中で回転して鋭い蹴りを放った!
「むっ………これはいかん!」
カレンは攻撃を受けようと構えたが、危険を察知し、咄嗟に避ける事を選択した。
ずさっーーーーーーー!!!!
カレンのいた場所の地面が切り裂かれた。
「良い勘してるな?」
カレンは地面に片膝を付きながらアイギナを睨み付けた。
「これは本当に想像以上じゃな!」
カレンの頬から赤い血が流れていたのだった。
「俺の本当の技は足技だ。蹴り砕いてやるぜ!」
「やれるものならやってみよ!」
どうやらカレンも足技で対抗するようである。
愚者の声
「う~ん………シオンよりカレンが主人公っぽくなってきてるな~」




