拳で語り合う学園!
カレンの拳が届く瞬間だった!
シュットトトトッ!!!!!!
「がはっ!?」
突然、空から光の矢が降り注ぎカレンの肩や、背中に突き刺さった!
ガックッ!?
「な、なんじゃ………と?」
カウスは勝ち誇ったように語り出した。
「私は貴女を甘く見ておりませんわ!弓使いの弱点である近接戦術……秘技 《破魔結界》を張っていたにですわ!術者の側に敵が近付くと自動的に魔法の矢が降ってくる技よ!」
「抜かったわ………!」
カレンは痛みに耐えながら立ち上がるが、カウスは即座に距離をとり、弓を構える。
「まだヤるのかしら?」
「当たり前じゃ!この程度で妾がやられると思わぬことじゃ!」
カレンも拳を構えると、目を瞑り静かに闘気を溜めた。
「させませんわ!」
カレンが集中したと同時にカウスは連続で弓矢を放った。
「っち!?」
カレンは弓矢を避けながら、闘気を溜めるがなかなか集中出来ない。カウスもその場に留まらず、足を使って走りながら弓矢を放ちつつ距離を詰めさせない!
『これは本当に抜かったわ!アクエリアス家以上の者など早々いないと思っておったが、どうして!並みの弓使いならその場で相手を射るのみじゃが、走りながら正確に妾を射ってこよう。剣魔大会出場者レベルじゃぞ!?』
カレンは強者に出逢えた喜びで口元がニヤケた。
「身体も温まってきたのじゃ!そろそろいくぞ!」
!?
踏み込んだ地面が砕ける程の力強さで、一直線でカウスに突っ込むカレン。
「速い!?」
弓矢を仕掛けるもカレンに弾かれ止まらない!
『まずいですわ!?』
これは学生の決闘であり、【死合い】ではない。相手を殺す気で射ればカレンを止められたかも知れない。しかし、カウスにはそこまでの気持ちは無かった。逆にカレンは急所だけ守り、肩など射られても止まらないと言う決心の覚悟で突っ込んだ。これが勝敗を別けた!
「受けてみるのじゃ!秘技 《ブレイブ・バーストナックル》!!!」
先ほど以上の特大の闘気弾が至近距離でカウスを襲った!
『避けられない!?』
ドッコーーーーーーン!!!!!!
パラパラッ………
土煙が立ち込め、周囲の学生達は息を飲んで見守った。煙が収まり、二人の姿が見えてきた。
「あれは!?」
カレンとカウスの間に、シオンが割って入っており、剣でカレンの闘気弾を逸らしていた。
「…………どういうつもりじゃシオン?決闘に割り込むなど無粋じゃぞ?」
声は大きく無かったが、カレンの声には明らかに怒気が込められていた。
「いくらこの練習場に怪我をしない結界が張られているとはいえ、最強の技がまともに決まればカウスさんに重傷を与えていました」
「これは向こうから言ってきた決闘じゃぞ!」
「熱くならないで!学生の決闘と死合いを混同してはダメよ!」
カレンは納得していない様子であったが、カウスの方が敗けを認めた。
「シオンさんありがとう。私の敗けですわ。相手を殺す気で射る事が出来なかった所で私の敗けでした」
カウスは手を出し、握手を求めた。
「貴女はレイン様に相応しい強さを持っていますわ!」
カレンも握手に応じ、相手を讃えた。
「最後は邪魔が入ったが、御主も素晴らしい強者であった。妾ももっと精進せねばならぬな!」
お互いに握手を交わし、お互いに認め合ったが………
グググッ!?
「…………なんのつもりじゃ?」
顔はにこやかに、握手の手に力を込める。
「レイン様という素晴らしい婚約者がいるのですから、私の最愛のアルデバランお兄様に色目を使うのは止めてもらえませんこと?」
アルデバランとガイには、かつて剣魔大会でカレンが勝利の女神リューシンである事を伝えてあった。そして、日常生活で鍛えられる重力の負荷のかかる修行方法も教えて貰っていた。親戚筋であるサジタリアス家で、兄と慕ってくれるカウスに、女神リューシンのカレンの事を素晴らしい御方と話すのは無理のない事であった。
「アルデバラン殿には剣魔大会では世話になったし、人となりも素晴らしい御仁だとは思うのじゃが、色目を使った事はないぞ!妾はレイン殿一筋じゃ!」
顔を真っ赤にして叫ぶカレンにカウスは嘘はないと直感でわかった。
「………申し訳ありませんでしたわ!」
こうして誤解の解けた二人はマブダチとなっていくのでした♪
愚者の声
「脳筋同士、気が合うのかな?」




