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決勝戦……………

シオンの捜索が行われている間に、決勝戦の時間へとなっていた。

「レイン達を信じるしか無いな……」

「ええ、子供達を信じましょう！」

グランとレイラ達は希望を信じて、試合会場の扉を潜った。

『さぁ！！！これから始まる決勝戦は前代未聞の過去に無い、３種目優勝の三冠達成が掛かっております！アクエリアスチーム！！！それを防ごうと立ちふさがるのは、エルフ国チームで、シングルでは準決勝で負けた屈辱を挽回出来るか！？シャンテ選手を中心に、多彩な技で決勝まで勝ち上がった実力派チーム！！！』

ワァーーーーーー！！！

『会場のボルテージも最高潮になろうとしております！アクエリアスチームは強い！しかし、全試合を出場して、疲れていない訳がありません！シングルでもグラン選手と互角の戦いをしたシャンテ選手を有するエルフ国チームはどう戦うのか！？注目の決勝戦が、今始まります！』

「グラン！私が勝ったら結婚してもらうぞ！」

「それは断る！だが、例の件はよろしく頼む！」

バチバチッ！と火花が飛び散る。

『剣魔大会！最終戦、カルテット決勝戦！始めーーーーーーーー！！！！！！！！』

「行くぞ！グラン！！！」

シャンテが飛び出し！グランに飛び掛かった！

他の選手もアルカナとセバスと刃を交わした！

キンッ！

多数の剣のぶつかる剣激の音が鳴り響く。しかし、グランは………いや、アルカナもセバスも防戦一方であった。防御に徹して攻撃を加えることは無かった。

『おおっとーーーー！？グラン選手、防戦一方だーーー！！！流石に疲れが出てきているのか！？』

アクエリアスチームの全員が劣勢であった。

「ははははっ！！！どうした！どうした！！！」

シャンテは波に乗り、素早い動きで攻撃を加えていく。

『レイン！早くシオンを助け出してくれ！』

シオンの無事を祈りつつ、最後まで諦めないグラン達であった。

・

レイン達は─

ざっざざ！

シュッシュ！！！

闘気で肉体強化したレイン達は、カレンを先頭に、シオンの乗っている馬車を全速力で追っていた。

「はぁはぁ！マジかよ！この俺が付いて行くのでやっとだと！？」

ガイはレイン達と一緒に息を切らせながら、走っていた。

「はぁはぁ、本当に末恐ろしい子供達だよ」

ガイより余裕のある、アルデバランも息を切らせながら呟いた。

カレン達が駆けて行くと、そこは強い風が吹いたように疾風が駆け抜けた。

「あそこにジャンプしてショートカットじゃ！」

「ちょっ！？マジで！！！」

かなりの大ジャンプをして、ギリギリで建物の二階に飛び乗った。

「はぁはぁ、まだ着かないのか？」

「もうすぐじゃ！見えてきたのじゃ！」

建物を越えた先に、馬車が街を出る所だった。

「そこの馬車よ！止まれーーーー！！！」

街から出る所だった馬車は、急に発進してスピードを上げた。

「ばかっ！敵にバレてしまったじゃないか！」

「ごめん！でも、こうすれば良いだろう！」

レインは巨大な氷の刃を、馬車の前方に着弾させ馬車を止まらせた。

そして遂に追い付いたレイン達！

「貴様！良くもシオンを拐ってくれたな！！！死ぬ覚悟は出来ているんだろうな！」

馬車から複数の黒服の男達が出てきた。

「くそっ！どうして居場所がバレたんだ！？」

「仕方がない！殺るぞ！」

男達は獲物を手に持ち、レイン達に襲い掛かった。

「シオンを拐う手腕から、どの程度かと思えば、雑魚だな？」

「何だと！？」

馬車に乗っていた者達は、大金で雇われた犯罪集団の一味で、剣魔大会に出場出来る程の腕を持っていたが、今のレイン達にとっては雑魚でしか無かった。

「ぎゃっ！？」

「ぐはっ！」

次々に倒されていく黒服達に、遂にシオンが人質に取られてしまった！

「テメーら！おとなしくしろ！！！このガキをぶっ殺すぞ！」

まだ眠っているシオンにナイフを突き付ける黒服に、絶体絶命のピンチが訪れた。

愚者の声

「シオンのせいで話が進まない………」