捜索!
レイン一向はシオンが最後に行った化粧室へと向かっていた。
「取り敢えずこの辺りで聞き込みをしてみよう!」
レイン達は周辺でシオンの話を聞いた。しばらくすると意外にもシオンを見たという観客がいた。
「ああ、その子なら係の人に連れられて向こうへ行ったけど?」
「本当ですか!?」
レイン達は話を聞いた後、シオンの向かった先へ歩いていった。
「なるほどな。会場の係員に成り済ませば怪しまれずシオンを連れて行けるか?」
「そうじゃのぅ、妾達はシオンが連れ去られたと思っていたが、常識的に考えてもこんな人通りの多い所で襲えば騒ぎになるのじゃ!」
「自分からスタッフに付いて行けば、怪しい所は無いよな~」
少し歩いて行くと、幾つかの交差点があり、どっちにシオンが行ったのか分からなくなった。
周辺で聞き込みをしたが、シオンを見た人は居なかった。
途中で、手紙を届けて戻ってきたアルデバランも合流し、聞き込みを手伝っていた。
「どうするのじゃ!?」
レインが少し考えながら奥の通路を指した。
「向こうへ行こう!」
「どうして向こうなんだ?」
ガイはレインに尋ねた。
「シオンを連れて行くと言うことは人気の無い場所、部屋に連れ込むはずだ。大通りは論外、幾つか通路が別れているけど、向こうが人気が少ない」
「「「おおっ!?」」」
レインの推理に一同が関心した。
「そこにいる会場の係員さんに聞いたら、向こうは倉庫になっていて、一般客は行かないって!」
!?
「怪しいな!?」
「急ごう!」
レインは駆け足で通路の奥へと向かった。
倉庫の扉は、各部屋とそんなに変わりなく、鍵も掛かって居なかった。レインは注意して倉庫に入った。
「誰もいないな?」
「………そうだね。椅子やマットに机などか?」
「いやっ!これを見ろ!」
ガイは入口のすぐ側に落ちていたハンカチを見つけた。
「これは、間違い無い!シオンのハンカチだ!刺繍もしてある!」
レイン達は他に何か無いか探した。
「ここに連れて来られて、拐われたのか。恐らく睡眠薬でも嗅がされたのだろうな」
「今は、そんな事よりここからどこに連れ去られたかだ!」
レインは苛立ちを隠せなくなっていた。
「落ち着け!熱くなってもシオンは見つからないぞ!それよりあれを見ろ!」
倉庫の奥には外に通じる扉があったのだ。ここから眠らせたシオンを運んだのだろう。
「レグルス、でかしたのじゃ!微かにセレスの神気を感じる!」
『セレス!セレス!応えるのじゃ』
カリン(女神リューシン)とセレスは念話で話せるのだが、いくら呼び掛けてもセレスが反応し無かったのだ。
『…………ふわぁ~、リューシン?いえ、カレン?どうしたのかしら?』
「………………」
『おい!セレス…………いつも妾の事を脳筋などとバカにしておるが、お主今まで寝てたのか?』
『寝不足はお肌の敵よ~、それよりどうしたのかしら?』
ブチッ!!!?
「駄女神がーーーーーーーー!!!?」
『ダメガミがーーーーーーー!!!?』
念話と声と同時に叫ぶカレンに、セレスはようやく目を覚ましたのである。
『シオンが貴様が寝ている間に、拐われたのじゃぞ!駄女神!』
『えっ!!!?』
ようやく事態の緊急性を理解し、居場所を確認し始めたセレスだった。
「カレン、セレス様と繋がったのかい?」
「うむ………今、セレスにシオンの居場所を探して貰っているのじゃ!」
こうして、女神GPSを使いようやくシオンの居場所が判明したのだった。
『お待たせ!シオンはまだ眠っているわ。シオンはどうやら馬車に乗せられて剣魔大会の会場から遠ざかっているわ!』
「安心せい!すぐに追い付くのじゃ!皆の衆、シオンは馬車に乗せられて、会場を離れているそうじゃ!全力で走り追い付くのじゃ!遅れるでないぞ!」
全員が闘気を発生させ、見に纏った!
ドッーーーーン!!!?
扉を吹き飛ばし、セレスに方位を教えてもらいカレンは走り出した!後にレイン達も続いた。
「シオン!待っていろよ!」
「世話の掛かる奴だ!でも絶対に救ってやるからな!」
カレンとそれを追う者達は猛スピードで駆けていった。
愚者の声
「拐われたお姫様(笑)を助けにいくよ~」




