対等な勝負!
決勝戦が始まる。
アルデバランの傷は【ある程度】癒えたが、体力は回復していなかった。これはグランの準決勝が一瞬で終わってしまった事が大きい。限られた時間でどれだけ疲弊を回復出来るか?そしていかに傷を負わずに勝利し、次の試合に挑めるかも大事な要素であった。
『なーーーーーーーんと言う事でしょうか!?シングル優勝者のグラン選手がデュオの決勝戦まで勝ち上がって参りました!もし優勝すると、二冠達成です!より大きな勲章を手にするのか!!!!』
ざわざわ!!!
ざわざわ!!!
「二冠達成者は5年間でてないんだよな?」
「前は、亜人連合のバーミアが達成して以来、でてないぞ!」
「アルデバランはかなりのダメージを受けてたしな。しかも同国となると勝ちを譲るじゃないか?」
観客席から様々な憶測や期待などが入り交じった声が聞こえた。
「アルデバランさん、大丈夫かな?」
シオンは呟いた。
「正直、厳しいだろうね。特に片腕は骨を貫通していた。どれだけ優れたヒーラーでも完全回復は難しいだろうね」
「片腕では攻撃力半減じゃのぅ?」
どうするのか!?
遂に両者が試合フィールドに現れた。
アルデバランはやはり、片腕が使えないのか腕をぷらぷらとさせている。
「アルデバラン………全力で行かせてもらうぞ!」
「無論です!怪我は己の弱さが招いたこと。遠慮せず来て下さい!」
アルデバランとて武人として手加減されるのはプライドが許さなかった。グランもその気持ちを汲み取っての発言だ。
「しかし、貴公とはお互いに満足な形で手合わせしたかったものだ」
「それは申し訳ありませんでした」
「ふっ、謝ることはない。それだけガイ・キャンサーが強かったということだろう?」
「それは………ええ、彼は強かった!」
『あいつら何を言ってやがる!』
二人の声を拾い、照れくさそうにしているガイの姿があった。
「対等に戦いたいのは本当の事だ。だから─」
「あなたっ!」
グランが自分の剣で片腕を斬ったのだ。グランはレイラに出血を止める程度の回復をお願いし、観客席は騒然となった。同国同士の決勝戦であれば、二冠の優勝をグランに譲ると考えていたからだ。
まさか、自分を傷付けるとは誰も思っていなかった。
『ななななーーーーーーーーーーーんと!グラン選手、アルデバラン選手と対等にするために自分の腕を斬ったーーーーー!!!!!!』
「グランさん………貴方はバカだ!」
「そうね。本当にバカよね……」
レイラもアルデバランに同調する。しかし二人の顔は嬉しそうだ。
「二人してバカ、バカとは酷いな~」
グランはやれやれと肩を竦める。
「グランさん、貴方はバカだが………自分は尊敬します!」
アルデバランの顔付きが変わった。そして─
『剣魔大会デュオ、決勝戦………始めーーーーーーーーー!!!!!!!』
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおお!!!!!!」
「はあぁぁぁぁあああああああ!!!!!!」
お互いに、気合いの雄叫びを上げながら斬り掛かった!
ガキッン!
キンッ!キンッ!
ガッギーーーーン!
激しい剣激の音が鳴り響いた。お互いにスキルを使わず、片手で己の剣技だけで戦い続ける。
「強くなったな!」
「ええ、貴方に憧れてようやくここまで来ましたよ!」
キンッ!
「まだだっ!お前の力はこんなものか!?」
「言ってくれますねっ!はっ!」
ギッン!
アルデバランの剣激が一段上がった!片手での剣の打ち合いは想像以上に疲弊を招いていた。両者は顔に脂汗をかきながらも、剣を振る手を止めない!
「はぁはぁ………」
「くっ!はぁはぁ…」
何も、二人とも単調な攻撃を繰り返しいる訳ではない。足を使い、立ち回りながら相手の隙を伺いながら斬りかかっているのだ。体力が減らない訳がない。実力者同士が斬り結ぶと、それは剣舞を見ているように人々の目を惹き付けた。
『こ、これは一体いつまで続くのでしょうか!?スキルも魔法も使っていないのに!両者とも片腕で剣を振るっている姿に、目が離せません!』
シオン達もグランとアルデバランの戦いに、息をするのも忘れてただ、じっと見守る。
すでに1時間ほどは激しく動きながら戦い続けている。パートナーの二人も、この二人の戦いを邪魔しないように、拳を固く握りながら見守っている。大事な目の前のパートナーの勝利を願って……
決着の時は近い!
愚者の声
「もう少し臨場感のあるシーンが書きたい………」




